番外編

番外編94(モモいろの夢)

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番外編94

「モモいろの夢」


 珍しくもない顔が五つ、あたしの顔を覗き込んでいる。顔はなんにも珍しくないけど、服装が珍しい。あたしがフォレストシンガーズのみなさんとお会いするときって、みなさんはスーツ姿が多い。シゲさん以外はみんな目立ちたがりなんだよ、って三沢さんは言ってるけど、ファッションは地味目なんだよね。
 なのに今は、あたしが初に見るアウトドアファッション?
 本橋さんはオリーブいろのランニングに膝から下をちょん切ったジーンズ、本橋さんってこんなに腕や胸の筋肉が発達してるんだ。脛の毛もけっこう濃くてびっくり。真夏でもこんな姿でいる本橋さんを見たことはないんだもの。乾さんは半袖の白いTシャツにベージュのショートパンツ。乾さんは本橋さんほどじゃないけど、案外筋肉もついてて、脛にも毛がはえてる。モモちゃん、ちょっぴりショック。
 シゲさんはチェックのシャツに紺のショートパンツ、シゲさんがたくましい身体つきなのは知ってるし、脛がもじゃもじゃなのも意外でもないけど、やっぱりこの中でいちばんごつい。さらに意外なのは三沢さんで、きゃあ、三沢さんも脚に毛がはえてるんだー。赤いランニングに淡いいろのジーンズのハーフパンツという格好の三沢さんは、普段よりすこしだけ男っぽくてワイルドに見える。
 それから木村さん、木村さんは骨っぽい小柄な身体を黄色のTシャツと茶色のショートパンツに包んでいる。想像通りにこの中ではいちばん子供っぽいのだけど、それなりに腕の筋肉だの脛毛だのもあるんだね。みなさん大人の男のひとなんだなぁ、って感慨にふけりたくなる眺めだった。
「モモちゃん、ぼーっとしてるの? 大丈夫?」
 訊いてくれたのは三沢さんだった。顔も声もいつもの三沢さんだけど、様子が変。変といったらなにもかもが変。ここはどこなの? 五人の男のひとの身体ごしに、繁った樹々が見える。遠くには海が見える。
「……ここ、どこ?」
 自分の声にあたしは首をかしげた。なんだか幼くない? 寝そべっていたあたしはそろそろと起きてみて、身体を見下ろした。ピンクのキャミソール、トロピカルフルーツプリントの長いギャザースカート。ほそい腕、ほそい脚。あたしってこんなにスリムだったっけ?
「やっぱりまだぼーっとしてるんだね」
 三沢さんが言い、乾さんも言った。
「やめとけって言ってるのに、木登りなんかするからだよ。案の定落っこちた」
「あたし、木から落ちたの?」
「そう。シゲが受け止めたから大事には至らなかったけど、スカートはいて木登りするなんて、女の子としてはあるまじきふるまいだよ」
「あ、シゲさん……どうも。ええ? じゃあさ、じゃあ、見た?」
「なんにも見てないよ」
「幸生だったら危ないけど、シゲさんは大丈夫だよ」
「おまえだって危ないだろ、章」
 つつきあってる三沢さんと木村さんを手で制して、本橋さんが言った。
「気がついたのはいいけど、モモちゃん、なんとなく様子がおかしいな。頭を打ったりはしてないはずだけど、休んでたほうがいい。歩けるか」
「……おかしいって。ここはどこなんですか。なんであたしが……なんで? なにがなんだかわからなーい」
 なにから尋ねればいいのかもわからなくて、うきゃーっ、と叫びたくなったあたしは、誰かの腕にふわりと抱き上げられた。抱き上げられて見てみたら、その誰かは本橋さんだった。
「とにかくしばらく休むに限るな。小屋に運んで寝かせてくるよ」
 リーダー、よろしくー、と三沢さんと木村さんが言っているのを聞きながら、本橋さんが歩き出した。そりゃあね、こんなにたくましい腕なんだから、あたしを抱いて歩くくらいはお茶の子さいさいってなものだろうけど、ひとつ、重大なことを思い出して質問してみた。
「あのね、本橋さん、あたしには夫がいるはずなんですけど」
「夫?」
 きょとんとした顔で問い返してから、本橋さんはがははと笑った。
「なんの冗談だ、それは。モモちゃんは結婚できる年じゃないだろ」
「できますよ。あたし、二十一歳だもん」
「……記憶が混乱でもしてるのか。モモちゃんは十四歳じゃなかったのか」
「十四歳?!」
 十四歳ぃぃーっ、と語尾がひっくり返って、悲鳴みたいな声が出た。あたしが十四歳? ここにいるFSのみなさんは、あたしが見慣れたまんまの年頃だろうに、あたしだけが十四歳? それってなんなの? それっきり言葉が出なくなったあたしを抱いて歩いていった本橋さんは、脚で小屋のドアを開けた。
「やはりどうもモモちゃんは変だぞ」
「……変なのはこの状況です」
「そうか。まあ、変といったらなにもかも変だけど、こうなっちまったんだからしようがないだろ」
 謎の言葉とともに、本橋さんは小屋の中の一室に入っていき、あたしをベッドに横たわらせた。
「説明して下さい」
「この状況を? モモちゃんの記憶が混乱してるってんだったら、俺にわかる範囲で説明するけど……」
 低くて太くて男性的な本橋さんの落ち着いた声が、あたしの耳と頭にこの状況を教えてくれた。
 ここはどこかの無人島。なにがどうなってこんなところに漂流してきたのかはまったくの不明だけど、十四歳のモモちゃんと、あたしのよく知ってるFSのお兄さんたちが、ここへやってきた。無人島だというのに生活必需品はそれなりにそろっていて、この小屋も最初から建っていた。小屋といってもわりあい大きくて、寝室もふたつある。大きいほうを男性たちが、ちいさいほうをあたしが使うと決めて、あたしの部屋のベッドも整えた。
 クリちゃんはいない。他には誰もいない。ぐるっと見回してみたら、部屋は狭いけど箪笥やドレッサーもあった。ここには以前にも誰かが住んでた? あたしはベッドから出て、鏡の中のあたしを見つめた。
「ほんとだ。あたし、子供だ」
「だろ」
「……どうしてあたしだけ? あたしが二十一歳だったら危険だからかしら。男のひとが五人もいるんだから、襲われないように子供になってるとか?」
「襲うわけないだろ」
 そんなガキ、って本橋さんは言いたいのかもしれない。あたしが十四歳なのはそういう意味では幸いだったのかもしれないけど、なんとなくつまんないな。もとのあたしでここにいたかった気もする。だけど、本橋さんの言う通りだよね。こうなっちまったんだからしようがない、受け入れるしかない。
「状況がわかったら元気が出てきました。よーし、モモちゃんもがんばろうっと」
「……がんばるよりもおとなしくしてくれてるほうが、俺たちは助かるんだけどな」
「モモちゃんもなにかしたいもん。なにをしたらいいの?」
「だから、おとなしくしてろ」
 ここにやってきてから一週間ほどたっているらしいけど、あたしの記憶にはなんにもない。あたしはここに来たばかりのまっさら十四歳モモちゃんの感覚だけど、その一週間の間にあたしはなにかしたんだろうか。お兄さんたちに世話を焼かせてるとか? でもさ、それも楽しいじゃない。女の子がいたほうが華やかになっていいでしょ?
 どうせだったら大人の女性がいたほうがいい、とでも本橋さんは言いたい? 大人の女性がいたりしたら、十四歳モモちゃんより大変かもしれないよ。なんて考えてくすっと笑うと、本橋さんが言った。
「もうなんともないのか? 休んでなくていいのか」
「うん、モモちゃん、おなかすいちゃった。ここではなにを食べてるの?」
「小屋の外にでかい物置があって、なんやかやと備蓄されてるんだ。米もある。魚や果物も獲れる。野菜畑まである。都会暮らしほどではないにしても、なかなか快適な生活を送れるから心配しなくていいよ。そろそろメシの支度だな」
「ごはんの支度はモモちゃん担当じゃないの?」
「水道はあるんだけど、ガスや電気は来てないんだ。モモちゃんにできるわけないだろ。とにかくきみはおとなしくしてろ。メシができたら呼ぶから、それまではおとなしくしてろ」
 おとなしくしてろ、を繰り返して本橋さんは出ていき、あたしは小屋の中を探検して歩いた。小屋というより一軒家みたいではあるけど、狭いのでじきに探検しつくして、あたしも外に出た。
 外では男のひとたちが食事の支度に奮闘していた。シゲさんは薪割りをしていて、本橋さんと木村さんがお魚を焼いていて、乾さんと三沢さんはスープかなにかを作っている。飯盒でごはんが炊けている。いい匂いが漂って、おなかがぐうっと鳴った。あたしはなにもしなくていいの? 気になったのでシゲさんに近づいて訊いてみた。
「モモちゃんはなにかすると危ないから、見てればいいよ」
「……薪割り、すっごく似合うなぁ。それってなんていうの?」
「これ? 斧」
「斧っていうんだ。シゲさんが持ってるとぴったり。でも、仲間はずれっぽいよね」
「俺は不器用だから、力仕事担当なんだよ」
「そういう意味じゃなくて、本橋さんと木村さん、乾さんと三沢さんはカップルなのに、シゲさんだけはひとりぼっちだから」
「カップル?」
「女の子なんかいないほうがいいのかな。あっちの二組のカップルもとーってもお似合い。そうかそうか、そうなんだ。そうだったんだ」
「モモちゃん、ひとりでなにをうなずいてるんだよ」
 薪割りの手を止めて、シゲさんが不気味そうにあたしを見た。
「だって、前から思ってたんだもん。FSのみなさんはいつも仲良しでしょ。本橋さんと乾さん、木村さんと三沢さんっていうカップルもいいけど、モモちゃんの好みとしては、大人と少年のほうがいいんだよね。本橋さんと乾さんは本物の大人で、木村さんと三沢さんは年齢は大人だけど、見た目も中身も少年っぽいじゃない? だから、あのカップルのほうがいいの」
「……カップル……ってのは、男女の一対をいうんじゃないのか」
「男同士のカップルも素敵よ」
「あれのどこが素敵だ」
 歌うときにはベースマンになるシゲさんは、話していると低い低い声。その声をいっそう低くして、シゲさんは言った。
「頼むからそういう発想はやめてくれよ」
「いいじゃない。本橋さんにごちん、とかやられてる木村さんは可愛いし、きゃあーっ、だなんて言ってる三沢さんも可愛いし、本橋さんと乾さんはかっこいいし、素敵なカップルだわぁ。シゲさん、やきもち妬いてる」
「……馬鹿言わないでくれ」
 このたぐいのことを言うと、ノーマルな男性がいやがるのは知ってるけど、面白いからもっと言おうっと。
「お風呂に入るときもカップル同士? 男性の部屋にはベッドがなかったけど、どうやって寝てるの? 本橋さんと木村さん、乾さんと三沢さんのカップルになって、シゲさんはひとり?」
 返事をしてくれなくなったシゲさんは、むっつりと薪割りを再開した。
「シゲさんは全然そういうのが似合わないひとだもんね。だからってモモちゃんといっしょに、なんて駄目よ。モモちゃんを子供だと思ってるんだろうけど、中身は大人なんだからね。変なことしかけたらわかるんだから。……きゃあ、シゲさんったらえっちっ!!」
 な、なな、俺はなんにもしてないだろっ、とシゲさんは目を白黒させ、あたしはぺろっと舌を出した。あたしの悲鳴が聞こえたらしく、乾さんがそばに来た。
「乾さん、誤解です。俺はなにも……」
「わかってるよ。モモちゃんがシゲにしきりに話しかけてて、シゲは黙殺して薪割りをしてるのが見えてた。そしたらいきなりモモちゃんが悲鳴を上げたんだろ。モモちゃん、なんの真似だ」
「退屈だったから叫んでみたの」
「人騒がせな。叫びたかったらひとのいないところでやれよ」
「俺と叫び声競争やろうか」
 面白そうな顔をして、三沢さんが口をはさんだ。
「俺の声はモモちゃんよりは太いから、完勝は目に見えてるけど」
「そんなの、やってみなくちゃわかんないもん。乾さん、審査員して」
「馬鹿馬鹿しい。無駄なエネルギーを消耗しなくていいんだよ。幸生、おまえも下らないことを言うな」
「……はーい」
「三沢さん、叱られた」
 そう、ここがお似合いなのよね。乾さんと三沢さん、本橋さんと木村さんは十センチ以上の身長差があるし、雰囲気も大人と少年だし、いい感じだと思うなぁ。そう言ってみたら、饒舌さにかけては並ぶ者なし、の乾、三沢カップルが絶句した。
「さっきからモモちゃんはこんなことばかり言ってるんですよ。あげくは悲鳴を上げるし、俺はつきあいきれない。乾さん、なんとかして下さい」
「シゲさんって、三沢さんや乾さんが黙ると喋るんだね」
「あのね、モモちゃん」
 こほんと咳をしてから、乾さんが言った。
「きみはその手のまんがや小説を読む趣味があるの?」
「その手ってなあに? 乾さんもそういうの読むの?」
「読まないけど、知識としてはあるよ。生憎だけど、俺たちにはそういう趣味は皆無だからね。俺たちは全員、恋をする相手は女性に限られてる。そういうごくごく平凡な男なんだから、モモちゃんの発想は受け入れられないんだ。やめてくれ、頼むから」
「そんなのつまんなーい」
「つまんなくてもそうなんだよ」
「改めてそんなことを言わなくちゃいけない日が来ようとは……俺、想像もしてなかったなぁ」
 他のふたりほどにはいやがってないと見えなくもない調子で、三沢さんが言った。
「モモちゃんはそんな目で俺たちを見てたの? 女の子ってそういうもの?」
「よその女の子は知らないけど、モモちゃんはそうだもん」
「……ふむふむ。勉強にはなるな。しかし、参ったね。乾さんには知識としてはあって当然だけど、シゲさんは発想外も発想外でしょ? モモちゃん、シゲさんと本橋さんは特にだからね、特に平凡な男なんだから、シゲさんと本橋さんの前ではその手の冗談はやめておこうね」
「冗談のつもりはないんだけど」
 俺も平凡な男だよ、と言い残して、乾さんはお鍋のほうへ行ってしまった。シゲさんもあたしから身を遠ざけて、薪割りを続けている。あたしは三沢さんに言った。
「三沢さんは先輩たちが大好きでしょ?」
「好きだよ。モモちゃんが空想してるのとはちがう意味でね」
「そういうのがこう……なんていうのかなぁ。ふわふわっとゆらゆらっと、形を変えていくのよ」
「いかないよ」
「いくかもしれない」
 あのねぇ、と三沢さんが言いかけたとき、乾さんのハイトーンヴォイスが響いた。
「メシができたぞーっ!!」
 

 話していると低くて太い声の本橋さん、そんなに太くはないけど、本橋さん以上に低い声のシゲさん。バリトンとバスの、男っぽい声のふたり。
 静かに話していると低く聞こえるけど、歌うときのハイトーンも感じ取れる乾さん。話していても高い声の三沢さんと木村さん。三沢さんの声には甘さがあって、木村さんの声はとにかく高い。三沢さんも木村さんも歌うときよりは話し声のほうが低めだけど、少年っぽくも聞こえる声だ。
 テナー三人とバリトン、バスがひとりずつの男性たちの中にまじった、紅一点のモモちゃんの声はソプラノ。愛らしく可憐な声だといわれるのは、ルックスにぴったりだと我ながら満足している。外見が十四歳の少女になっているので、声もいっそう可愛らしくなっていた。三沢さん、木村さんと三人で喋っていると、他人には少年と少女の会話に聞こえるかもしれない。
 あたしたち三人と比較すると、本橋さんとシゲさんの声は言うまでもなく大人の男性だし、乾さんもおんなじなんだね。現実ではあたしの夫であるクリちゃんの声は、三沢さんや木村さんよりも子供っぽいので、声だけだったらあたしはシゲさんに惹かれるかも。もの珍しいからってのもあるのかな。
 外見は誰がいいかなぁ。今はクリちゃんはいないんだから、精神的不倫でもしてみようか。どうせ十四歳のあたしを相手にしてくれるひとなんかいないだろうから、心でだけね。誰にしようかな、っと。
 クリちゃんと恋をしたあたしは、子供っぽい男のひとが好き? ううん、そんなことはない。クリちゃんとは運命的な仲なんだろうと思ってるんだけど、心で不倫するんだったら、クリちゃんとはちがうタイプの男性を選びたい。
 そうすると本橋さん? がっちりと背が高くて、声の低い本橋さんは、クリちゃんとは正反対に思える。性格もリーダーそのものだし、それでいて意外に稚気もあったりして、俺はもてない、と言ってたのを聞いた覚えがあるんだけど、もてないなんてあり得ないとあたしは思っている。
 本橋さんよりもっとがっちりしたシゲさんは、背丈は本橋さんよりだいぶ低い。シゲさんくらいが男性の標準身長なのだろう。俺は不器用だと言ってるシゲさんには可愛げがあるんだけど、男っぽいシゲさんは、可愛いなんて言ったら怒るんだよね。
 若いほうのふたりはクリちゃんに近いタイプなので除外するとしたら、残るは乾さん。乾さんはかっこいいよねぇ。本橋さんよりは低いけど、身長も十分にあるし、スリムなところもかっこいい。シゲさんや本橋さんほどたくましいと、モモちゃんは引いてしまう。まして今は十四歳だから、男のひとの筋肉はちょっぴり怖い。
 そしたら乾さんかぁ。けど、乾さんには叱られるとおっかないんだよね。クリちゃんと喧嘩をしても、悪いのはクリちゃんだよ、とあたしが言うと、そうだよね、ごめんね、とクリちゃんはあやまる。あきらかにあたしが原因で喧嘩をしても、クリちゃんは自分からあやまってへりくだる。
 乾さんは絶対にそうはいかないだろうと、あたしは知っている。あたしが悪くて喧嘩……っていうか、乾さんとは喧嘩にはならないだろうな。一方的にあたしが叱られて、泣いちゃうかも。それでそれで、ごめんなさい、って言わされるのかな。うーん、それも素敵じゃなくもないか……困った、選べない。
「なにか悩んでるのかな、このお嬢さんは」
 心を読まれたのかと、どきっとする乾さんの台詞だった。
「あのねあのね、五人で歌って」
「歌のことを考えてたの? いいよ。なにを歌おうか」
「お星さまきらきら……星の歌」
 夜空にはお星さまがきらめいている。満天の星ってこんなのを言うんだなぁ。きらら、きらら、きらら、と、三沢さんのスゥイートな高い声がスキャットのように歌いはじめた。

「The star falls glittering.
 Light pours down on you.
 The shine of the stellar light and the moon
 You are encompassed.

 I become one two people who want to melt by two people as it is and
 want to be connected through all eternity.

 Inside of my arm
 Your smile seeing
 It is more beautiful than the star in the night sky. 」

 きらめいてるのは星だけじゃなくて、男のひとたちの声もだよ。こんなにも綺麗な歌……綺麗な声……フォレストシンガーズの英語の歌「It is more beautiful」。リードヴォーカルは乾さんで、本橋さんとシゲさんが低くコーラスパートを歌っている。木村さんの高い高い声が、「It is more beautiful than the star in the night sky. 」のパートを繰り返し歌い、三沢さんの甘い声が「きらら、きらら、きらら」……あたしの心もきららきららきらら。
 複雑なコーラスアレンジをほどこされたこの曲は、一応はプロシンガーのあたしには、相当な難曲だとよくわかる。FSでなくっちゃ歌えない。FSの歌唱力と、FSのみなさんの声。ひとりひとりでもバラエティ豊かな声を出せるお兄さんたちだからこそ、その五つの声を重なり合わせ、からみ合わせて、こんなにも美しいハーモニーにできるんだって、あたしはよく知ってる。
 一応は同業者のあたしとしては、憎たらしいほどの歌にも思えるけど、今はあたしの悔しさなんかどうでもいい。あたしも誰かの腕に抱かれて、星と月の光にとけてしまいたいなぁ。誰にしようかなぁ。ああん、駄目だぁ。やっぱりひとりだけなんて選べない。モモちゃん、どうしよう?


 なーんて夢を見たんだよ、と話したら、クリちゃん、やきもち妬くかしら。
 だから内緒。モモちゃんだけの秘密。だけど、今度フォレストシンガーズのみなさんに会ったら、特に本橋さんと乾さんに会ったら、むふふっ、ってなってしまいそう。むふふ。


END

 

 

 
 
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