ショートストーリィ(しりとり小説)

6「ジョーカー」

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しりとり小説6

「ジョーカー」

「俺らって古い人間になっちまったんだよな。現実に即して年を取っていっていたとしたら、マジ、アラカンだぜ」
「武井、マジとか言うな」

「現実に即して年を取ったらアラカンだけど、俺らは物語の世界の住人だから、アラカンにはなってないんだよ。だからマジって言ってもいいの。松下、堅いこと言うな」
「……じゃあ、俺らって何歳だ?」

「んんと……深く考えるのはやめような。えとえと、自己紹介しますね。俺は武井伸也。年齢不詳のミュージシャンです。俺の横で渋いツラをしてるのは、俺の仲間の松下尚。タケイシンヤとマツシタヒサシです。高校時代からの友達ですので、同い年です。あとふたりのメンバーと松下と俺とで「ジョーカー」というロックバンドをやってます。松下、おまえもなんとか言えよ」

「武井は我々のスポークスマンですので、おまえにまかせるよ」

「これだからね。あとのふたりは出てもこないし、おい、三沢、出てきて俺と漫才やれよって、フォレストシンガーズと我々は世界は接していないのでした。なぜなら、俺たちが古すぎるから。グラブダブドリブはフォレストシンガーズと接してるってのに、差別だよな。著者は俺たちには愛着はないのか。古いからって差別反対」

「結城芳郎、中尾勝彦って、俺たちの先輩ミュージシャンなんですけどね」
「そうそう。芳郎さんや勝彦さんも忘れられてるよな。設定からすると、中尾勝彦はグラブダブドリブの中根悠介憧れのギタリストなんだぜ」

「忘れてない証拠に、こうやって紹介はしてあげてるでしょ?」
「ん? 今の、誰だ? 友永じゃないよな? 赤石でもないよな? ま、いいや。俺が続けます。俺はタケイシンヤです。思い起こせばウン十年も前、著者はロスアンジェルスのミュージシャンたちを書きはじめました。あのころにはまだ外国にも行ったこともなかったのに、ロンドンやロスってのが好きで、英米ロックも好きだったからなんだよな」

「そうだったなぁ。無理ありすぎだよな」
「無理ありすぎだから、舞台を日本に移して、俺たちジョーカーを書きはじめたんですよね。あのころは著者の友人たちが、俺たちの出てくる小説を読んでくれていました」

「けっこう歓迎してもらってたから、著者もその気になってどんどん書いたんだよな」
「だよな。あのひと、小説に関してだけはノリやすいんだよ。俺、タケイシンヤはお喋りで小柄でフットワークの軽い奴。マツシタヒサシはどっちかってーと無口でぼーっとした奴。トモナガフユキは遊び人のルックスのいいいい加減な奴。もうひとり、あとから入ったメンバーの赤石耕平もいた」
「友永は友永冬紀と書きます」

「松下、おまえももうちょっと長く喋れよな。って、言っても無駄か。なんだか誰かが誰かに似てる気もするけど、所詮アマチュアなんだしさ、このひとの書くものってこの程度だよ」
「うん、たしかに」

「お待たせいたしました。友永冬紀です」
「お待たせしてないかもしれませんが、アカイシコウヘイです」

「……遅いんだよ。おまえらは、お? ええ? おまえらの出番ってそれだけ? 松下、引き止めろよ。ここからが佳境に入るんだろ。あれ? 友永も赤石も行っちまったし、松下? 寝てやがるし……こうやって俺がひとりで喋るのも俺の運命なんですよね。どうでもいいけど、俺たちも忘れないで。ロスアンジェルスBLストーリィってのもアップしたんでしょ。ジョーカーも埋れさせないで。あんただよ、あんたに言ってるんだよ」

「鋭意努力します」
「……忘れてない証拠に、って言ったのもあんた?」

「さようでございます。著者でございます。しかし、伸也くん、こんなの読んだって誰も面白くなくない?」
「だろうね。そもそも誰も読んでくれないと思うよ」

「でしょ? だからここでおしまいにします。次は「ジョーカー」の「カー」です。ここまで読んで下さった方がいらしたとしましたら、さぞかし退屈だったでしょう。お詫び申し上げます。ただ、著者は遠い昔に「ジョーカー」というロックバンドを書いていたというだけの話です。それでは、失礼しました」
「おい、ま……待て、ま……」
 ぶちっ。

次は「カー」です。

「主人公について」

蛇足ながら、小さなストーリィの各主人公について補記しておきます。
6は「ジョーカー」
武井伸也、松下尚、友永冬紀、赤石耕平の四人のロックバンドは、著者にとってだけはなつかしいキャラたちです。すみません。。。





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NoTitle

今日は、いろんなところにふらりと立ち寄って、読んでいました。
あかねさんのキャラは半分くらい分かるので(半分しか・・・とも言える)しりとり小説もも、楽しく読めます。
ああ、グラブダブドリブだけ、まだメンバーがわからないです><

しりとり小説も、各キャラが戯れて、たのしいですね。
あかねさんも楽しんで書いてらっしゃるな~って感じがします。
ぶっちゃけ、あかねさんの中で、ひいきのキャラっているんでしょうか。
私はいつも少数のキャラで手一杯なのに、こんなに大所帯をきりもりするあかねさんが、すごいです。

あれ?
ジョーカーって、最近の作品じゃないんですか?
ずっと前?

友永冬紀くんにも会いたくなってきたし、またジョーカーにお邪魔しますね^^

limeさんへ

半分もわかって下さったら、すごーく嬉しいです。
いつもありがとうございます。

limeさんが読んで下さったキャラの中では、「天国への階段」のクリフとディヴィがもっとも古いです。
その次に古いのはたぶんジョーカー。私はもの書きキャリアだけはかなり長いですので、ずいぶんと昔に書いたジョーカーを引っ張り出してきました。

一応、昔々にジョーカーはたくさん書いたのですけど、どのあたりまでをひとつのストーリィとしてまとめようかと悩みつつ、のろのろと更新しています。
さっきも更新しましたので、よろしかったらまた読んでやって下さいね。

ひいきキャラ、はい、います。

たとえばグラブダブドリブの中根悠介はずっとずーっとお気に入りですが、フォレストシンガーズの乾くんに恋してる女の子に想い入れていたり、フォレストシンガーズの後輩、酒巻くんに入れあげていたりと、そのときどきによってひいきキャラが変わります。

自分で読み返すと、「ああ、このときはこのひとにはまってるな」と思い出すのですけど、読んで下さる方にも、もしかしたらわかってしまうかもしれませんね。
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