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小説296(忘れもの)

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フォレストシンガーズストーリィ296

「忘れもの」

1・早苗

 うちはけっこう金持ちだし、早苗はとってもとっても可愛いよ、と両親は褒めそやしてくれる。女の子は美人だったらそれほど成績優秀じゃないほうが可愛いわよ、と母が言うので、勉強はほどほどにしていて、それでもクラスでは上のほう。早苗は生まれつき頭がいいんだよ、と父は言っていた。
 ほんのちょっと不満といえば、兄弟がいないこと。だけど、それだってひとりっ子のほうが可愛がってもらえるし、なんでも買ってもらえるんだからいいかなと、私は子供のころからプラス思考だったのだ。
 小学校五年生の新学期、クラス替えがあってはじめて顔を見た女の子と隣同士の席になった。私よりもうんと背が低くて、私よりもうんと太っていて、私とは較べられない顔をしている。彼女の名前はマツシタトヨコ、どんな字を書くのか尋ねてみた。
「トヨコっておばあさんみたいな名前だよね。豊かな子?」
「こう書くの」
 見せてもらった教科書には、松下都世子と大人の字で署名してあって、私は軽いショックを受けた。
 兄弟がいないことも私のささやかな不満ではあったのだが、もうひとつ、八幡早苗という名前があまり好きではない。
八幡は仕方がないにしても、早苗なんて平凡すぎる。エリカだのサラだのウララだの、顔に似合わない綺麗な名前をつけてもらっている女の子には、私のほうがその名前が似合うのに、と言いたくなっていた。
 だけど、自分の名前はよほどでもないと変えられないのだから、素敵な男のひとと結婚して可愛い女の子が生まれたらとびきりの名前をつけよう。早苗は美人になるに決まっているし、ハンサムな男のひとと結婚するのだから、女の子が生まれたら可愛いに決まっている。
 そう決めてはいても、自分の名前にだけちょっぴり劣等感があるので、平凡な名前の女の子としか友達になりたくない。トヨコは平凡以下だと思っていたら、都世子って漢字はけっこうおしゃれで、このトヨコには似合わない。
 でも、呼び名は「トヨコ」だもの。ま、いっか。ってわけで、その日からトヨコは私の友達という名の子分になった。


2・都世子

 義務教育なのだから、家が近所なのだからもちろん、早苗ちゃんとは小学校も中学校も同じだった。中学三年生になったときに、早苗ちゃんが言った。
「都世子はそのくらいの成績なんだね。一生懸命勉強してそんなもんか」
「早苗ちゃんは一生懸命は勉強してないのに、私よりもクラスの順位はちょっと上だよね」
「そんなもんでいいのよ。このくらいのほうが櫻高校に行けるし、クラスで成績が一番だなんて、かっこ悪いもん」
 櫻高校は女子の制服がとってもおしゃれで、私も憧れていた。そうか、私も櫻高校に行けるのか、とにわかに現実味を帯びて、早苗ちゃんとふたりして、担任に提出する志望校には「櫻高校」の名前を書いた。
「田代さんはどこの高校に行くの?」
 中学校に入学したときから、常に学年で一番の成績を誇る田代さん。顔は早苗ちゃんほどの美人ではないけれど、頭のよさそうな清潔感のある女の子だった。
「八幡さんは?」
「私は櫻高校。私も言ったんだから、田代さんも教えてよ」
「私は青芝高校」
「あんな高校? あそこって評判悪いよ。制服は明治時代みたいだし、体育のときは女子はちょうちんブルマだって聞いたよ。勉強ばっかりしてるからいかさない生徒ばっかりだって」
「いいのよ。高校は大学に進むステップにすぎないんだもの。高校までは学校でも好きな勉強もできやしない。私は青芝高校で三年間我慢して、東大に行って政治家になるの」
「きゃああ、素敵だね」
 馬鹿にしたような嬌声を上げる早苗ちゃんと、勝手に言ってなさいよ、と言いたそうに冷ややかに見返す田代さんを、私はひやひやと見比べていた。
「勉強のできすぎる女は、お嫁のもらい手がないんじゃないの? 私だってやればできるけど、やらないのは田代さんみたいになりたくないからだよ」
 田代さんがいなくなってしまってから、呟いた早苗ちゃんの言葉は強がりだったのか、私には判断できなかった。
「都世子は私についておいでよ。裏切ったら許さないからね」
「うん。私は早苗ちゃんと同じ高校に行きたいから、がんばる」
「そうだよね。都世子だとがんばらなくちゃ。私は楽勝だもんね」
 事実、私は櫻高校受験日までには相当勉強した。早苗ちゃんは先生にもお墨付きをもらったと言い、もうちょっと上の高校でも大丈夫だと言われたとも言っていたが、努力したのか受験勉強したのかは知らない。彼女は努力なんて汗臭いことはしないという主義だったらしい。
 十五の春にはふたりそろって櫻高校に合格。早苗ちゃんに誘われて制服を作ってもらいに、デパートに行った。
「このごろの高校の制服って、アイドルのステージ衣装みたいに可愛いのよね。早苗さん、ものすごくお似合いだわ」
 連れていかれたのは、早苗ちゃんが小学校のときに家政婦さんだった女性が働いているという売り場。早苗ちゃんちに家政婦さんなんていた? とは思ったのだが、彼女と友達になったのは五年生のときだから、それより昔だと私は知らない。
 しかし、売り場の女性は早苗ちゃんの名前も私の名前も知っていて、仮縫いのときにはちゃんと名前を呼んでくれた。
「十五歳にしては驚異的にプロポーションがいいのよね」
「おばさんったら、十五歳にしては、なの?」
「大人になったらもっともっと素敵になるって意味よ。早苗さんは背が高いし、見事なプロポーションをしているものね。この制服はとっても可愛いけど、それだけに着こなしはむずかしいかもしれない」
「都世子には無理?」
 ちらっと私を見て、おばさんは早苗ちゃんに素早くなにやら囁いた。
「えー、ひどーい。都世子はまだ子供だからよ。生理だって遅かったし、ウェストもくびれてないんだよね。脚も太いのにバストはないっていうのも、子供だからでしょ。晩生なんだよ。ええ? なになに? そりゃあね、大人になったって都世子は私みたいな美人にはならないでしょ。もとがちがうんだもの。それでも私と同じ高校に入学して、この制服が着たいって、都世子は涙ぐましい受験勉強をしたんだよ。認めてやってよ」
 おばさんと内緒話をかわしながら、早苗ちゃんはうふうふ笑っていた。
「そんなにがんばっても痩せないんだよね。夜食の食べすぎでしょ」
「早苗ちゃんがアドバイスしてあげれば?」
「ダイエットの? 私はダイエットなんかしなくても太らないけど、そうだね、都世子には教えてあげたほうがいいかも」
「ダイエット食品のいいのだったら知ってるわよ」
「営業はやめてよね」
「あら、ごめんなさい」
 申し訳なさそうに首をすくめたおばさんにつんとしてみせた早苗ちゃんは、仮縫いをすませて帰る道で言った。
「私が横から言ってあげなかったら、都世子、ダイエット食品を売りつけられてたところだよ」
「あ、ああ、そうだね、ありがとう」
「都世子はやっぱりなんでもかんでも、私が教えてあげないと駄目なんだよ。これからも守ってあげるから、しっかりついておいでよね」
「うん」
「パフェ、食べて帰ろうか」
 デパート近くのスィーツのお店に入ろうとしていると、声をかけてきたお兄さんがいた。
「そこの彼女たち、高校生?」
「……早苗ちゃん、やだ、ここに入るの、やめようよ」
「あんたになんか声をかけたんじゃないから。私に言ってるに決まってるじゃない。怖がらなくても平気だよ。私はこんなのって慣れてるの」
 なんなの? と聞き返した早苗ちゃんは、そのお兄さんと背丈は変わらない。大人びたカジュアルファッションの彼女は、私には大学生にも見えた。
「ねえねえ、モデルになりたくない?」
「私でしょ? この子じゃないよね?」
「んん……話だけ聞いてくれないかな。ふたりともだよ。なんてお名前?」
「どうしてこの子もなの? この子がモデルになんかなれるはずないじゃん」
「そうでもないよ。若い女の子なんだから、こういうタイプも需要があるんだよ」
「あり得ない、都世子、行こう」
 ちょっと、ちょっと待って、と言っているお兄さんにいーっだとやって、早苗ちゃんが歩き出す。たったのひとことも口をきかずにいた私は、お兄さんから遠ざかってから早苗ちゃんの顔を見上げた。
「ああいうのって冷やかしって言うんだからね、冗談で声をかけたんだから、都世子はうぬぼれたら駄目だよ。あんたみたいな太った女の子にモデルになれって言うなんてあり得ないんだから」
「う、うん、私はそんなことはしたくないから、冗談でもいいの」
「したくてもできないってば」
 パフェはやめにして電車の駅に向かっていると、早苗ちゃんは言った。
「こうだったのかもしれないな。あの男が言ってたモデルクラブって、いろんなタイプのモデルを使ってるんだよ。私はもちろんファッションモデル」
「私は?」
「変態オヤジ向けの、ただ若いだけのブスな女の子を使う、エッチなビデオのモデル」
「ええっ……」
 考えてもみなかった発想に青ざめると、早苗ちゃんは優しく私の肩を抱いた。
「ね、私がついてなかったとしたら、都世子はだまされて売り飛ばされてたかもしれないんだよ。エッチなビデオだったらまだいいけど、臓器移植とかってのもあるらしいから、気をつけなよね。都世子は街に出るときには、私と一緒じゃないと心配だな」
「そうかもしれないね。あのね、早苗ちゃん?」
「ま、暇だったらつきあってあげるよ。私が忙しいときには都世子も家でおとなしくしてりゃいいんだから」
 ありがとう、と言うしかなかった。


3・早苗

 身長は百七十センチほどになり、高校を卒業するころにはしっかり大人の体型になり、美貌には磨きがかかる一方だったから、街でスカウトだってされた。モデルにならない? 女優にならない? と声をかけられるのは誇らしくて、でも、母の教えを守って、スカウトについていったりはしなかった。
「早苗ちゃんは歌も上手なんだから、歌手のほうがいいんじゃないの?」
「歌手?」
「そうよ。ファッションモデルなんて若いときしかできない仕事だけど、歌手だったらおばさんになったってできるわよ」
「おばさんになる前に結婚したいな」
「結婚したって、歌手だったら片手間にだってできるんじゃないの? 歌うなんて楽なものなんだから、ね? そうしなさいよ」
 母と話し合ってそれもいいなと感じた私は、入学した大学では合唱部に入部した。
「私は歌は苦手なの。ごめんね、合唱部って無理そうだから、入らなくてもいい?」
「いいよ」
 大学までも私についてきた都世子とは、サークル活動は別々になった。彼女は編み物だなんて辛気臭い遊びが好きで、ニッティングサークルに入って女とばっかりつきあっているらしい。編み物サークルにも男性はいるらしいが、うげ、男が編み物? 気持ちワル。
 あいかわらず背が低くて太っている都世子には、いくらダイエットを教えてあげても無駄だ。これまでもまるでもてなかった都世子は、このままもてない路線まっしぐらの学生生活を送るのだろう。
 高校までは子分がいるのが気持ちよくなくもなかったのだが、私は次第に都世子には嫌気がさしてきていた。こんなブサイクな子と友達に見られるのもいやだし、子分なのよ、と言うといばっているように見られるだろうし。
 加えて、最近は太った人間を見ると胸が悪くなる。都世子なんかは女と変態男だけのいるサークルで、地味に暗く生息していればいいのだ。面倒を見てやるのはもうやめよう。
 そう決めたら気分が清々しくなって、私は私で合唱部で楽しくやることに決めた。
 合唱部は男子、女子と分かれていて、男子部のキャプテンは高倉誠。中背のおじさんっぽい男性で、まるで興味なし。女子部のキャプテンは坪井静子。長身でほっそりした女性で、美人といえなくもないが、私の敵ではない。
 女子はどうでもよくて、男子はどうでもよくはなくて、かっこいい男子はいるにはいる。四年生の星さん、三年生の金子さんと皆実さん、二年生の溝部さん、ルックス的にはこの四人かな。このへんだったら、告白してきたらつきあってあげてもいいな。
「八幡さんって美人よね」
「綺麗な顔をしてるのね、あなた」
 先輩や同い年の女性の中で、素直にそう言ってくれるひとには、ありがとうございます、よくそう言われます、と返すことにしている。だって、本当にそう言われるんだもの、言わないひとはひがんでいるのか、心で賞賛している照れ屋さんなのか、である。
「あんたっていけしゃあしゃあしてるよね」
 そう声をかけてきたのは、女子合唱部の同じ一年生の喜多晴海だった。
「どういう意味?」
「そのまんまの意味だけどさ、あんたは男とつきあったことはある?」
「告白だったら何度だってされたけど、私につりあうような男の子はいなかったのよ。高校生までの私には高校生までの男の子が告白してきたわけで、そんな子供だったらしようがないよね」
「そしたら、男女交際未経験か。意外にもてないわけね」
「もてないんじゃなくて……」
 つりあう男がいないからよっ、と言わせてくれずに、晴海は言った。
「早苗ちゃんの理想の男ってどんなの?」
「まず、私は死ぬまで東京にいたいの。東京以外の土地では暮らせないの」
「ニューヨークとかは?」
「外国だったら考えてもいいけど、東京がいいな。だからね、東京出身の男がいい」
 ごくごく控えめに理想のタイプを述べた。
「身長は私よりも高かったら許すわ。百八十センチくらいでいいのよ。体格は筋肉質がいいな。私は男でも女でも太ったのは大嫌いだから、友達にもなりたくない。晴海ちゃんとだったら友達になってあげるよ」
「あ、そ、ありがと。続けて」
「学生だからってケチケチしてるのはいや。お父さんは最低でも有名企業の重役クラスで、大きな家に住んでいて車くらいは持ってないとね。家柄のつりあいってのもあるでしょ」
 うちの父も大会社の重役で、東京に大きな家を持っている。家には車はあるが、私が免許を持っていないのは、自分で運転するなんて汗臭い真似をしたくないからだ。美女の指定席はかっこいい男がハンドルを握る車の助手席だもの。
「面食いではないから、顔はまあまあまだったら許す。勉強はできるほうがいいな。理系が好き。あとは男らしい男が好き」
「……近いのはいるね」
「どこに?」
「合唱部。それから? そんなもの? 意外に理想が少ないんだ」
「まだあるけど、学生のころはそんなものでもいいわ。そして、きちんと大学を卒業して、大企業に就職して落ち着いたら、私にプロポーズしてくれるのよ。彼がお父さんの会社に就職したら転勤もないだろうから、ずーっと東京で暮らすの。私の家の近くに家を建てて、毎日母とお茶を飲んでお喋りできるような、そんな優雅な主婦になりたいな。ん?」
 この程度を理想とも呼べはしない。現実的すぎてロマンティックでもないかしら。私だったらもっと豪奢な理想も持てるかしら。だけど、早苗は控えめな女の子なんだもの。そんなふうに思いながらも語っていて、顔を上げると、遠ざかっていく晴海の背中が見えた。
 人に喋らせておいて途中でどこかに行ってしまうとは、なんて失礼な女!! あれだから庶民は嫌い。晴海は町工場の経営者の娘だと聞いている。そういう環境があんながさつな女を育てたのだろう。
 頭に来たので私も女子合唱部の部室から出ていった。外に出ていきざま振り返ると、あっちでもこっちでも女の子たちがお菓子を食べている。女子部はなんでああおやつばっか食ってるんだ、と溝部さんが呆れていた通りだ。
 二年生の沢田さんとか、三年生の田中さんとか、四年生の寺前さんとか、一年生のユッコや美江子とか、太目の女の子は見ていて苛々する。太ってはいないが、背ばかり高くてぬぼーっとした豊島ゆかりがきゃっきゃっと笑っている声も耳障りだった。
「私の理想に近いタイプが合唱部にいるって、晴海が言ってたよね。誰だろ」
 星さんは新潟出身だと聞いたから、金子さんか皆実さんか溝部さん? 晴海がああ言うってことは、そのうちの誰かが、俺、八幡早苗とつきあいたいな、と言っていたのだろうか。三人ともが私を好きで、取り合いしてるとか?
「ありそうな話だけど、困ったな。星さんだったりしたらよけいに困るな。あのひと、かっこいいけどさ、田舎の男は駄目なの。あ、星さんだったんですか」
 我知らず名前を呼んでしまっていた。噂の星さんが私の前に立ってにっこりした。
「俺がどうしたって?」
「やっぱり私を見てたんですね。でも、私……田舎の出身の男性とはおつきあいしないって決めてるんです。ごめんなさい」
「つきあってほしいとは言ってないよ」
「そう思ってるんでしょ? 噂を聞きましたよ」
「誰かがそう言った? 無責任な噂はやめてほしいな」
 眉をしかめた表情が凛々しい。大学生の間だけだったら、おつきあいしてあげてもいいだろうか、って気持ちになってきた。
「星さんは就職は決まってるんですよね」
「あ? ああ、電機会社にね」
「東京の?」
「最初の任地がどこになるかは入社して研修してから決まるんだと思うけど、きみはまだ一年生だろ。就職のことなんか考えなくてもいいんじゃないのかな」
 ごまかそうとしてる。照れてるの? 可愛いかも。
「じゃあね、東京で働くって決まったら、連絡して下さい。それまでに他の人とつきあってたらごめんなさいね」
「きみの話は意味不明だな」
「とぼけちゃって……」
 あなたのその目つきには媚が含まれているね、と言ったのは、高校のときの担任教師だった。教師は中年のギスギスおばさんだったから、媚などといやな単語を使ったのだろう。要するに「色気」だろうから、私は色気のある目つきを作って星さんを見上げた。
「……本橋、あとはまかせるよ」
「は?」
 男子部室から出てきたのは、私と同じ年の本橋真次郎。星さんは怪訝な顔をしている本橋くんに、ハイタッチして歩み去っていった。
「そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに」
「八幡、なにやってたんだ?」
「星さんが私に告白してたの」
「そんなはずねえだろ。星さんは山田とつきあってるんだぜ」
「ええ? 嘘」
「本当だよ。俺でさえ知ってるのに、おまえは知らなかったのか」
 山田美江子が? あの小太りで生意気な女が星さんの彼女? 美江子がたまにかけている赤いフレームの眼鏡が思い出されて、気分が悪くなってきた。
「そしたら……そしたら……わかった」
「なにが?」
「星さんが教えてくれたのよ。本橋くんには彼女はいないんでしょ?」
「いや、いるよ」
「誰よ?」
「おまえに言う必要はねえだろ。うん、でも、ばれるんだろうから言うよ。ゆかりだ」
 今度こそ大ショックで、気絶しそうになった。
「八幡? 貧血か? 大丈夫か? ベンチに……あ、ああ、しっかりしろよ」
 ぐったりともたれかかると、本橋くんがほとんど抱えるようにして私をベンチにすわらせてくれた。
 星さんは本当は私が好きなのに、山田美江子の姦計にはまってつきあわざるを得なくなった。姦計というのがなんなのかは知らないが、美江子では色じかけはできないだろうから、別のなにかだろう。手段なんかどうでもいい、姦計は姦計だ。
 美江子にだまされた星さんは、それでも八幡早苗を諦め切れなくて、彼が目をかけている後輩の本橋くんに私をまかせて去っていった。
 そうだ、本橋くんだ。彼ならば私の理想にほぼあてはまる。顔は普通というか、ぶすっとした愛嬌のない顔立ちではあるが、精悍でワイルドできりっとして男らしいとも言える。長身、筋肉質、東京生まれ、父親は大きな会社の重役。彼は父親の会社に就職することもできるはず。
「大丈夫か、八幡?」
「うん、いいわよ、本橋くんだったら……」
「なんのことだかわからないけど、女子部の誰かを呼んでくるよ。待ってろ」
 言い残して、本橋くんは駆けていった。
 男って照れ屋さんなのよね。そりゃあ、私のような美人とふたりっきりだと、純情な男の子は恥ずかしくなるのだろう。でもでも、本橋くんが私を好きなのはまちがいない。私はベンチにすわり直し、バッグからノートを取り出した。

「本橋真次郎の本日の行動。
 星さんに私を託された本橋くんは、すこしふらついた私を抱き上げて、ベンチに運んでくれた。
 彼は顔はたいしたこともないけど、力も強いし背も高いし、不器用な優しさを持っている。東京に家があるのも高ポイントだ。
 今はぬぼっとしたブス女とつきあっているらしいけど、あれはきっと、星さんが私を好きだと知っての自棄行動だと思える。私も本橋くんを好きになってあげるから、ゆかりなんかとは早く別れなさい。告白は男がするものだって、本橋くんは思ってるでしょ? 告白、させてあげるからね」
 
 女子部室から誰かが出てきたみたいだ。こんなノートは見せたくないし、早苗、大丈夫? などと女にうるさく言われるのは避けたいので、私は元気よく立ち上がって部室のほうに笑顔で手を振ってみせた。


4・リリヤ

 兄の金子将一が男子合唱部キャプテンをつとめる大学に、三つ年下の私も入学した。合唱部の女子部のほうにも入部して、先輩たちにも可愛がってもらえるようになったころに、部室の外で二年生の八幡早苗さんが話しかけてきた。
「昨日、またプロポーズされちゃったのよ」
「ああ、そうなんですか。ご結婚なさるんですね。おめでとうございます」
「結婚なんかしない。誰に? って訊かないの?」
「誰に?」
「溝部さん」
 入部した当初から、男子部には変な奴がいると思っていた。
 三年生の溝部さんについて尋ねても、兄は言葉を濁す。男は男同士で悪口なんか言わないものだ、と男性誇示主義の兄は言うのだから、溝部さんについては悪口しかないのだろう。
 溝部さんが二年生の本橋さんと乾さんを嫌っているとは、兄が教えてくれなくても女子部では有名なのだから、知るようになってきた。私も溝部さんが本橋さんを友達数人と一緒に苛めているのは目撃した。本橋さんも兄に似た男性誇示主義らしいので、苛められているとは言われたくない様子だったが。
 変な奴なのだから、変な女に恋をするのも不思議ではない。合唱部に入部して二ヶ月ほどたてば、誰が変な奴なのかもわかってきていた。
「私、中学校のときに男性にプロポーズされたのよ」
「プロポーズってどんな?」
「つきあって下さいって。将来は結婚して下さい、よ」
「それだったら私は小学校のときに、大学生に言われましたよ」
「……なによ、それ、自慢?」
「私が自慢してることになるんだったら、八幡さんも自慢ですか」
「兄さんが男子部のキャプテンだからって、態度が大きいのね」
 ぶすっと言って、八幡さんが私を睨みつける。彼女は背が高いので、小柄な私はいつだって見下ろされていた。
「リリヤちゃんは私ほどじゃないけど、けっこう綺麗な顔をしてるよね」
「よく言われます」
「……あんたね、そういう態度って嫌われるよ」
「誰かが言ってましたよ。八幡さんって美人でしょ、彼女に美人だって言うと、よく言われます、ありがとうございます、って返事があるって。八幡さんも嫌われました?」
「私はあなたは嫌いよ」
「ありがとうございます」
 天使のような、妖精のような、花びらのような、なんて、私はものごころついたときからみんなに言われた。おまえにおねだりされるとかなわないよ、と父は苦笑いし、将来が恐ろしいわね、と母も苦笑する。が、おまえは美少女だからって傲慢なんだ、と兄には叱られる。
「八幡さんにはきょうだいはいないんですか」
「いない」
「そうすると、冷静に客観的に見てくれる存在が身近にいないんですよね。私の場合は兄がいます。兄ってものは妹にはべたべた甘いと思われがちですが、うちの兄貴はそんなことはないんです。うるさいし暴力的だし、命令ばっかりするし、口で言われても聞かなかったら抱き上げて思い通りにしちゃうの。そんな兄貴なんていらないと思ってたけど、あいつがいなかったら私は、いっそう傲慢な美少女になってたのかなぁ、って。大学生ともなると大人ですから、私もそう思うようになりましたよ。あれ? 八幡さん、どこに行っちゃうの?」
 お喋りしすぎたからなのか、八幡さんはすたすたと行ってしまい、部室の窓から見ていた女性が吹き出していた。
「喜多さん、なにがおかしいんですか」
「……うん、ちょっと……ちょっと待ってね」
 ひとしきりけらけら笑ってから、喜多晴海さんは言った。
「さすがの早苗もリリヤちゃんには負けるかな。早苗って案外ね……案外、のあとに続く言葉はいっぱいあるけど、思い込みと勘違いもかなりあるんだよね。彼女は本当の美人だから、勘違いばっかりでもなさそうなんだけどさ」
「はい」
「だけど、リリヤちゃんって思い込みでも勘違いでもなくて、純粋培養天然育ち?」
「意味わかんない」
「養殖なんとかってのもあるらしいから、リリヤちゃんは天然だね」
「天然じゃありませんっ!!」
 天然ってのは頭が悪い、空気が読めないって意味でしょうが。私は頭が悪くなんかないよっ!! と先輩に向かって言うと、兄に知られたら叱られるから言わないでおいた。
「喜多さん、私って八幡さんに似てる?」
「八幡早苗は驕慢美人、リリヤちゃんは天然美少女、似てないよ」
 嬉しい言葉なのかどうか、どうもわかりづらかった。


5・早苗

 待っても待っても、本橋くんは私に告白してくれない。
 一年生のときには豊島ゆかり、背の高いぬぼぬぼブス、二年生のときには下川乃里子、小柄なデブブス。三年生の途中までは下川乃里子とつきあっていた本橋くんは、ようやく乃里子と別れたらまたまた彼女を作った。
 カズミと呼んでいる彼女は中肉中背のブス。本橋くんの好みはまったく一貫していない。共通しているのはブスという一点だけだが、私と較べればたいていの女はブスなのだから、一般的にはブスのほうが多いだけで、本橋くんがブス好きってわけではないだろう。
 ブス好きなんだったら私は救われない。四年生になってもカズミとつきあっている本橋くんを遠くから見つめて、私はノートに綴るだけ。「本日の本橋くんの行動」。
 お昼は学食でなにを食べていたとか、美江子と部室の外で口喧嘩していたとか、大学の近くの公園で私の知らない男たちと取っ組み合っていたとか、図書館で宇宙の図鑑を見ていたとか、乾くんと歌っていたとか。
 彼は私を好きなんだ、と意識してからはじめた「本橋真次郎の記録」も四冊目。告白してくれたらノートなんかいらなくなるのに。
「卒業したら会えなくなるんだよ。本橋くん、手遅れになってもいいの?」
 男らしい男は、告白は俺がするもの、と考えているはずだ。私は本橋くんの男らしさを尊重してあげて、私のほうからは言わなかった。
 大阪に本社のある建設会社に内定が決まり、就職の心配もなくなった。本橋くんが私を好きなのだと信じていたから、私も本橋くんを好きだったから、告白してくればうなずいてあげるつもりだったから、他の男に告白されても全部断ったのに。
「合唱部の本橋くん? そりゃあ知ってるよ」
 大学時代は疎遠になっていた都世子と、久し振りにお茶を飲んだ。
「早苗ちゃんには言わなかったというよりも、話す機会もなかったんだけど、合唱部のコンサートには行ってたんだよ。早苗ちゃんは案外、目立ってなかったよね」
「妬まれてたからよ」
「そうなの?」
「合唱部は歌の実力本位ってのが建前なのね。男子が同じ部にいたら、女子部にはそんなに歌のうまい者もいないんだから、美人にソロで歌ってもらおうか、って言いそうなもんだよね。でも、うちのサークルは女子部のことは女子部が決めるの。そうなると、女子部にはあまり歌のうまい子はいないから、ソロだのデュオだのは男子がやるって、女子部もそうなっちゃうんだな。あれはつまり、美人といえば早苗。早苗を目立たせるのは悔しいって、女子部のみんなのやっかみだよ」
「そういうものかしらね。で、早苗ちゃんは……」
「子供じゃないんだから、ちゃん付けって変だな。呼び捨てにしてもいいよ。許してあげる」
 嬉しそうな顔になって、都世子は言った。
「早苗は男の子からはいっぱい告白されたんでしょ?」
「もちろんよ。都世子はされてないよね」
「されるわけないじゃない」
 毛糸をメインに扱う手芸用品の会社に就職が決まったという都世子は、おばあさんのように編み物ばっかりして、本物のおばあさんになっていくのだろう。
「一年生のときには合唱部の先輩の星さんに告白されそうになる寸前に、美江子って子が姦計を用いて妨害したの。そのあとにはロック同好会の柴垣さんっていうひとに、この店に誘われたのよ。ロックやってるひと、特にパンク……バンクって自動車のタイヤじゃないんだよ。知ってる?」
「なんだか荒っぽい、無茶苦茶なロックだよね」
 都世子が知っているとは意外だったが、パンクロックなんてどうでもいいのだった。
「そのパンクをやってる男も、私のことが好きだったの。なのに彼はひねくれてるから、ほら、あのママさんね。あんたと同じくらい太ってて、おばさんだからあんた以上にみっともない、あの女よ」
 「ペニーレイン」のママさんはなぜか男には人気があるようだが、私には女だとも思えない、でぶでぶばあさんだ。おばさん、とはお世辞を言ってあげているに近い。私はこんな年までは生きたくない、太ったおばさんにはなりたくない、と柴垣さんにも言ったのだった。
「あの女のことを美人だとか言って、私に嫉妬させようとしたらしいんだよね。私はあのころから本橋くんに恋をしてたんだし、柴垣さんなんて好きじゃなかったから、変態だとか言ったら柴垣さんは怒っちゃって……悪いことしたな」
「そんな短気なひととはつきあわないほうがいいよ」
「そうだね」
 今日はペニーレインにはあの太ったママの姿はない。都世子がバッグから編みかけのなにかを取り出した。
「毛糸なんて見ると暑いからやめてよ」
「ああ、そうだね、ごめんね。それで、他にもあるの?」
「あるに決まってるでしょ。都世子にはないから、私の話を聞きたいんだよね。気持ちはわかるから話してあげようか」
 二年年上の金子さんは、合宿のときにあちこちで別の女の子とキスしていた。私にだけはしようとしなかったのは、私が神々しすぎてジョークみたいなキスはできなかったからか。私が本橋くんと恋をしているのを知っていたから、金子さんは私を誘えなかったのもあるはず。
 一年年上の溝部さんは、ことあるごとに私を口説きたがった。彼はルックスはいいのだが、性格はよくない。私を口説く言い方も歪んでいたから、まともに相手をしてやらなかった。
 同い年の乾くんも私が好きだったようで、それとなくだったら口説かれた。はっきりとは言わなかったのは、乾くんと本橋くんが友達だったからだろう。もひとり同い年の徳永くんも、私が下級生の女の子に注意をしていたらあらわれて、屈折した口説き方をした。
 名前も忘れてしまった合唱部の一年生ふたり、彼女たちが芝生に入って話をしていたので、私は正当な注意をしたのだ。なのに彼女たちがさからったから、叱りつけた。
「生意気な子たちね。男子部には先輩に反抗した後輩に与える罰があるらしいよ。ランニングだって。あなたたちも走ってきなさい」
「えええ?」
「サンダルなんて脱げばいいじゃない? ワンピースだって脱げば? 合唱部は先輩命令には絶対服従なんだよ。一年生のくせして合宿でデートだなんて話しもして、子供のくせに生意気すぎるのよ」
 すると、大阪弁の子が口答えした。
「八幡さんも人の話しを立ち聞きしてはったんやから、お行儀が悪いんとちがいますか」
「あんたってほんとにほんとに生意気だね。その大阪弁を聞いてるとむかついてくるのよ。服を脱いで走ってきなさい。下にはキャミソールを着てるんでしょ。脱いでも大丈夫だよ」
「いやです」
「そこまでさからうの? だったら退部!!」
 そうやって一年生たちを叱っていると、徳永渉があらわれたのだった。
「女同士だとセクハラにはならないのかもしれないけど、おまえの言ってることは無茶だぜ。俺も立ち聞きしてたんだけどさ、部室の裏手に入ったらいけないなんて規則はねえだろ。それを言いがかりって言うんだよ。おまえはヒステリー気質なんだよな。誰かに告白でもしてふられたか」
 つめたく言っているようでいて、徳永くんの目つきには甘い雰囲気が漂っていた。
「それ以上言うとひっかついでどこかに連れていって、痛い目に遭わせるぞ」
「……あんたってあんたって……」
「俺はそんな奴だよ。誰かみたいに、女は殴らないなんてかっこいいというか、かっこつけた台詞は口にしない。殴られたいのか、八幡早苗」
「……大嫌いっ!!」
 今から思えばあれも変形告白だったはず。徳永くんってひねくれ者だものね。大嫌い、なんて言ってごめんね。私には本橋くんがいるからよ。
 その調子で男子部の彼らにも、学部の彼らにも告白されまくった。道端で出会っただけの男にも告白されるし、モデルになれ、女優になれといった勧誘も散々されて、すべてを断るだけでエネルギーを使っていた学生時代でもあった。
 後輩の男の子にはあからさまな告白もされた。東北出身の男子部の子、名前は忘れた彼にお茶に誘われて、身の程を知りなさいね、と優しく助言してあげた。
 高知県出身だと言っていた男の子も、学園祭のときにわざわざ私にドラ焼きを買って持ってきた。そんなものでつられるような安い女ではないのは当然だから、まずい、あんたにあげる、と言ってはねつけてやった。
「八幡さんは美人だね。秘書課に配属したら重役連中の鼻の下が伸びそうだ」
 就職試験のときにはセクハラまがいの発言までされたのだから、秘書課決定かもしれない。
「そうなんだね、さすがに早苗だよね」
「もてすぎるって疲れるよ」
「そうだろうね」
「でもね……」
 なぜだかすれちがって、相思相愛なのに恋人同士になれない本橋真次郎、やっぱり私が告白してあげないと踏み出せないのかな。本橋くんって果報者だよね。私に告白してもらえる幸せな男は、きっとあなたひとりのはずだよ。
 こんなに頻繁に告白されているのに、一度も男性とつきあったことのない、清らかな八幡早苗。リリヤのようにみっともなく、できちゃった結婚をした女なんかよりもはるかに高尚で、誇り高き女神のような早苗。
 フォレストシンガーズというグループを結成して、就職はしないで歌に生きるのだと、本橋くんたちのことを美江子が話していた。ならば私がそばについていて応援してあげよう。歌手と結婚となると私の理想とはちがうけど、それも悪くはないかもしれない。
 私が合唱部に入ったのは、歌手になりたかったから。自分が歌手になるのもいいけれど、愛する男性のために断念するのもいいかもしれない。女は愛するひとについていって、彼につくして彼の成功に力を貸す。女神のような早苗にはそちらのほうがふさわしい。
「本橋くん、私と……」
 つきあってあげる、と言うと、短気で男らしい本橋くんはむっとするかもしれない。だからおとなしげな言葉にした。
「待ってたのよ。今は彼女はいないんでしょ。私と交際してくれないかしら」
「ああ、いや、悪いけど、そんな気はないから」
「もういいんだから、意地を張らないで」
「意地は張ってないけど、俺もけっこう忙しくてさ、悪い、ありがとう。ごめんな」
 歌手になるためには、女とつきあってる暇はないの? それはそれで潔い言葉なのかもしれない。しようがないからもうちょっと待つとしようか。


6・小百合

 同期入社の八幡早苗は、はじめて一緒にランチに行ったときに言っていた。
「八幡さんはそれだけの美人なんだから、会社の表玄関で受付をやるのは適役だって言われたのよ。秘書課のほうが能力が上のひとを配属するって話も聞くけど、あれは嘘だから。嘘って言うのか、秘書課はいかがわしいから、清純な若い女は配属されないのね」
「へええ、そうなの?」
「そうよ。小百合ちゃんも清純だって見られてたわけだね」
 秘書課はやらしいオヤジの補佐をする仕事なのだから、そういうこともあるのかもしれないと、私も納得していた。
 ぱっと見は早苗は人目を引く派手な美人だ。長身でプロポーションもよく、声も美しくて非の打ち所はない。その気になれば愛嬌もふりまけるから、受付にはうってつけの人材だろう。なのだから、男性社員には人気があった。
「早苗ちゃんは誰かとつきあわないの?」
 男にちやほやされてはいるものの、恋人はいるようにない早苗と、はじめて一緒に夕食に行ったときに言ってみた。
「もてるんでしょ。告白されるんでしょ」
「うん、でも、私、彼氏はいるから」
「ああ、いるんだ。そうだったんだ」
 この話題になれば、どんな彼? と質問したくなるのは人情だろう。しかし、早苗ははかばかしい返事をしてくれない。あまり口には出せないようなすごい人なのよ、などと言うから、不倫だろうか、有名人なんだろうか、とひとりで想像していた。
「小百合ちゃん、今夜は飲みにいこうよ」
 初夏のころに早苗に誘われてスペインふう居酒屋に行き、打ち明けられた。
「いろいろあって、前の彼氏とは別れたの。すぐに次の彼氏ができたから紹介するね」
「楽しみにしてるね」
 退勤後のプライベートタイム、その次には早苗は彼氏を連れてきた。
「もうもう、あんまりしつこいからつきあってあげてるのよ。本気じゃないんだけど、保険ってかつなぎってかね」
「早苗、それはひどいでしょ。彼の前で言うことじゃないよ」
「いいのよ。それでもいいからつきあってくれって、うるさいんだもん」
 すこし年下なのか、甘いルックスのほっそりした長身の、頼りなげな男の子だった。
 早苗になんと言われても、ケンタという名の彼は気弱に笑っている。三人で飲んで食べた翌日の昼休みに、早苗が言った。
「彼はかなりのお金持ちの息子なの。父の仕事関係のパーティで知り合って、つきあってくれってしつこく迫られたからつきあってるんだ。遊びでいいつもりだし、彼もそのつもりだし。っていってもね、小百合ちゃんだけに話すんだから、言い触らさないでね」
「言わないけど、なんとなく虚無的だよね」
「だって、悔しいんだもの」
「なにが悔しいの?」
「小百合ちゃんには関係ないことだよ」
 夏になるころに、またまた早苗に打ち明けられた。
「二股ってのも楽しいよね。もうひとり、彼ができちゃった」
「ええ? 大丈夫?」
「大丈夫。ばれるはずもない鈍感な男なのよ。彼だったら使えるな」
「なにに使うの?」
「小百合ちゃんには関係ないの」
 関係ないと言うのならば話さなければいいのに、私にはそんな秘密も話したがる。早苗は華やかなようでいながら、美貌を鼻にかけているせいで女子社員には敬遠されている。男性もすこし彼女の人となりを知ると、離れていってしまうようだった。
「私って子供のころから妬まれてばっかりなんだ。綺麗な女の宿命だよね」
 ほら、そういうことを言うからでしょ、とは私は言わないので、仲間だと思われているらしい。
 ケンタともうひとりの彼と、二股かけてて楽しいの? このごろの早苗はちょっぴり荒んで見える。そうも言わずに私は早苗を見ていた。
「明日、結婚式なのよ」
 それからはケンタの話も、もうひとりの彼の話も早苗はしなくなり、また告白されちゃった、男ってうるさいよね、などと言うばかりになっていった。それから二年もしたころにランチをしている店で言った。
「早苗の、じゃないよね? 友達?」
「友達でもなくて,小学校のときからの子分ってか、召使いみたいな女の子なんだ。太っててブスで、一生独身に決まってるって思ってた子。一年くらい前に会ったときに、彼氏ができたって聞いてびっくりしたんだよね。小百合ちゃんだって、あの子に彼氏がいるって聞いたら驚くよ」
「いや、まあね、顔だけでもないだろうし……」
「顔だけじゃなくて身体もでぶでぶなんだから」
「性格がいいんじゃないの?」
「性格がなんなのよ。太った女が好きだなんて男は変態だよっ」
 返事のしようがなくて首をすくめると、早苗は言った。
「一年前に会ったときには、暴力をふるう彼がいるって聞いたんだ。そんな奴だって、あんたとつきあってくれるってだけで希少価値でしょ。あんたが鈍いから殴られるんだよ、って言ってやったの」
「……その彼と結婚するの?」
「そうじゃなくて、そいつに暴力をふるわれてたらかばってくれた男がいて、そっちといつの間にかそうなって、結婚するんだって。最低の尻軽女だね」
「そうかな」
 そのほうがいいではないか、と私は思ったのだが、早苗は怒っていた。
「あのね、結婚するの」
 それからまた一年ほどがたって早苗と夕食に出かけ、私は言った。
「結婚しても仕事はやめないけど、彼が春には転勤するって決まってるから、私もついていくの。名古屋支社に転勤させてもらうって受理されたよ」
「ああそう、よかったね、おめでとう」
 祝福めいた言葉とは裏腹に、早苗の目はすわってきていた。
「今までははっきり言ってなかった話し、してあげようか」
「なんの話?」
「フォレストシンガーズって知ってる?」
「えーと、早苗が学生時代の彼らを知ってるって言ってた、男性五人のヴォーカルグループだよね」
 本橋、乾のふたりが二十五歳で早苗と同い年、早苗と同じ合唱部出身でもあると早苗から聞いたフォレストシンガーズは、去年の秋にデビューしたとも聞いていた。
「そう、その本橋くんってのがね、私が就職したばかりのころの彼だったのよ」
 なぜ、急に今、その話を? 不思議な気分で聞いていた。
「彼は学生時代を通して、私が好きだったのよね。私も気づいてはいたけど、私は子供のころから、男性とは清らかな交際しかしないつもりだったの。結婚を前提としたおつきあいしかするつもりはなかったから、それまでは男性と交際した経験がなかったのよ」
「へえ」
「今どき珍しい純粋な女だからもあって、その話をすると男は引くのね。本橋くんもはじめは、こんなにも美人でこんなにも家柄がよくて、こんなに清純な女性とつきあうなんて、俺には荷が重いとでも思っていたのかもしれない。好きなくせに告白しないで、ブスな女とばっかりつきあってたわ」
「ほお」
 気のない返事をしている私にというよりも、早苗は自らに話しているようにも見えた。
「でも、卒業が近づいてくると焦ったんだろうね。早苗さん、俺とつきあって下さい、いずれは結婚するつもりで、俺は歌手になるんだから、見守っていて下さいって、プロポーズに近い申し込みをされたのよ」
「ふむふむ」
「私も本橋くんは好きだったから、つきあってあげたよ。悪いひとではないし、男らしくて優しいところもあった。ただね、彼にはお金がないの」
「アマチュアだったんだったらしようがないかもね」
 ようやくまともな受け答えをすると、早苗は力強くうなずいた。
「そうよ。だから私も我慢してあげたのよ。早苗、あれが食べたい、あれがほしい、あの店に入ろうよ、ホテルもたまにはああいうところへ……なんてね、きみは高給取りなんだからいいだろ、って言われたら、甘えさせてあげたくなるの、私って包容力があって、聖母みたいなところもあるのよね」
 歳暮も贈ったの? と言いたくなったのを耐えた。
「一度や二度だったらいいよ。だけど、度重なってくるとうんざりしちゃう。私は本橋くんのために働いてるの? つらい毎日や激務を耐え忍んで、いただいたお給料を本橋くんのためだけに使ってるのよ。彼が成功したら美談になるかもしれないけど、私だって若い女性だもの。我慢できなくなってきたの。わかるでしょ?」
「激務?」
 問い返したら無視して、早苗は続けた。
「あまりに度重なったから申し渡したの。別れますってね」
「あのころって早苗、荒んでるように見えたね。そのせいだったのか。ケンタくんとかもうひとりの彼氏とかってのも……」
「そっちは口に出さないで。でね、ごたごたはしたけど別れたの。私と別れてからフォレストシンガーズがデビューしたなんて、皮肉な話よね」
「あんまり関係ないんじゃない? ありがちな話なんだから、気にしなくていいよ」
 ありがちだと言ったからか、早苗の目を険悪な光がかすめてすぎた。


7・早苗

 私を踏みつけにして踏みにじって、いつの間にやらスターみたいな顔をして、テレビの中でも歌っているフォレストシンガーズの本橋真次郎。私はフォレストシンガーズが大嫌いだ。とりわけ本橋真次郎が大嫌い。
 建設会社の受付をしていた二十代半ばのころに、今の夫と知り合ってプロポーズされた。夫は蒼天銀行頭取の息子で、安定度も社会的地位も抜群だ。私の夫としてはなんの不足もない。義理の両親だって、上流家庭で大切に育てられた私には上手に扱える。
 結婚して娘も生まれた。娘にはとびきり可愛い名前をつけてあげようと誓っていた通りに、最高にセンスのいい名前を思いついた。姫女神と書いて「ひめか」と読む。
「女神のようなきみが産んでくれた我が家のプリンセスなんだから、またとなく似合う素敵な名前だね。早苗、ありがとう」
 夫も褒めてくれたし、両方の両親は、ちょっと大げさな名前だね、と言っていたものの、受け入れてくれた。
 娘はすくすく育っていき、幼稚園受験もクリアしてK幼稚舎の可愛い制服を着て機嫌よく通園している。まるで私の幼いころを見るような、天使のように愛らしい姫女神。日常にはなんの不満もありはしないのに、フォレストシンガーズをテレビで見るたび、彼らの歌が聞こえてくるたびに苛立つ。
 売れていないころはよかったのに。あのまんまで消えてなくなってしまったらよかったのに。本橋くんがどこかの公園でホームレスにでもなっていたら、お金を恵んであげるわ。あのころ、私から搾り取ったお金にプラスしてあげる。
 大嫌いな奴らなのに、暇ができるとフォレストシンガーズの公式サイトをチェックしたくなる。私も夫に勧められて娘の受験話を綴ったブログをはじめていたので、インターネットにはたいそう詳しくなった。

「重大発表です。リーダーが結婚しまーす。お相手はうちのマネージャーです。
 ファンのみなさま、気になりますか? 本橋さんが結婚しちゃうなんて、いやいやいやっ!! とおっしゃるファンの方もいらっしゃいます? 
 ごめんなさいね。リーダーになりかわって、僕ちゃんからお詫び申し上げます。詳しくはライヴで。だからさ、気になる方は次のライヴに来てねー」

 三沢幸生の署名のある、フォレストシンガーズの個人日記。日付は二年ほど前だ。
 マネージャーって山田美江子? 美江子は知らないでしょ。本橋くんは私の心と身体を弄んで、お金までをむしり取って捨てたのよ。ううん、私が捨ててやったんだけど、結果がどうあれ、プロセスが悪かったのは同じだ。

「今夜は乾隆也が重大発表をさせていただきます。
 我らがフォレストシンガーズのベースマン、本庄繁之が親父になりました。本庄の奥方が男の子を出産したとの知らせが、つい先ほど、我々のもとにも届きました。
 ファンのみなさまも喜んでやって下さいね。今夜は僕らも祝杯を挙げるつもりで、リーダーのマンションに集まっています。準備はできましたか?
 かんぱーいっ!! 拍手!! シゲ、おめでとうーっ!!」

 続いて目を射る記事はこんな内容。
 本庄くんって……私となにかあったかな? 私が就職したばかりのころに、大阪で会ったような記憶がある。すると、私は本橋くんとつきあっていたっけ。本橋くんのお金に関するだらしなさをこぼしていたら、本庄くんが言ったのだった。
「困った奴だな。本橋ってのはね……いや、先輩なんだから悪く言いたくはないんですけど、そういうところがありますよ。いわれなき自信を持ってるから、彼のために他人が犠牲になるのはやむなし、みたいな」
「本庄くんも虐げられてるの?」
「俺はへっちゃらですけど、早苗さんは気の毒に……なぐさめてあげたいな」
「本庄くんってたくましいよね。一度だけならいいよ」
 まだフォレストシンガーズはアマチュアで……本庄くんとホテルに行った? そんなはずはない。本橋くんとつきあっていたのなら、私は絶対に二股なんかかけない。ケンタという男もいたけれど、時期はちがっていたはずだ。
 では、本庄くんとホテルに行ったのは、彼らがデビューしてからかしら。アマチュア時代の彼らが歌の練習をしていた公園でばったり出会って、口説かれたんだったか。
「本庄くんって昔と変わらず、冴えない感じよね。かわいそうだから、昔のよしみで一度だけだったらつきあってあげてもいいよ」
 頬を紅潮させて感激の面持ちだった本庄繁之が、たしかに私の記憶の中にいる。
 ううん、ちがうわ。あんな男は八幡早苗には似合わない。本庄くんとベッドに入った記憶なんて、私に対する冒涜だ。きっと夢でも見たのだろう。

「こんばんは。本橋です。
 今夜のライヴにおこしいただいたみなさま、まことにありがとうございました。来られなかったとおっしゃるみなさまには、ぜひぜひ次の機会には、とお願い申し上げます。
 いやぁ、盛り上がりましたね。
 特にあの……章と幸生のパフォーマンスでしょ? あいつら、芸達者になりましたよね。俺もびっくりしてしまいますよ。いや、びっくりしていてはいけない。俺も後輩たちに負けないように、歌以外の芸も磨いて参ります」

 ノーテンキなブログ。馬鹿じゃないの?

「リーダーときたら、まだ言ってますね。後輩って。
 ま、俺たちは永遠に、ひとつやふたつの年の差に縛られてるんだよね。名乗り遅れました。木村章です。ひとつ年上の先輩には敬意を払ってないだろ、ってシゲさんが横で言ってます、払ってますよ、本庄先輩。
 シゲさんで思い出した。
 昔はね、俺はもてたんですよ。乾さんほどじゃないだろうけど、彼の次くらいにはもてたんだ。なのに、近頃じゃさっぱりですよ。
 ねえねえ、この日記を読んでる二十代、独身の女性、立候補しません? 小柄でほっそりした可愛いひとに限ります。身長は百六十センチ以下、体重は四十キロ台がいいな。顔は美人がいい。そんなひと、俺の彼女になって」

 あのころ、木村章はフォレストシンガーズにはいなかった。私が立候補して、全部を暴露してやりたいとも思う。

「本庄繁之です。こんばんは。
 昨日、ふたり目が誕生しました。次男ですから、また男です。俺の理想は男の子がふたり、末っ子が女の子なのですから、着々と理想に向かって進んでますね。
 もっと言えば子供は七人ほしい。
 でも、そんなのって奥さんにしたらたまったものではないでしょうし、そこまでは言いません。恭子、だけどさ、あとひとり、頼むよ。
 なんてお願いはまだ早いですので、落ち着いたらお願いすることにします。今夜はひとり、幸せを噛みしめてすごします。酒は一杯だけね。
 おめでとう、って言って下さるファンの方々の声が聞こえてくるようです。ありがとうございます」

 奥さんは恭子さんっていうのね? 私と較べたらブスでしょ? 私を抱きしめて、なんて綺麗なんだ、って囁いたあなたの声が……嘘よ。こんなひとは私には関係ない。なのにどうして、おかしな記憶が蘇ってくるんだろう。
 なにかしら忘れているような気がする。なんだったのかしら?
 
「CDの売り上げも、ライヴに足を運んで下さるみなさまも、ファンクラブの会員数も、テレビやラジオに出演させていただいたときの反響も、このサイトのアクセス数も、日を追うごとに伸びてきています。数字って実感できるものですよね。
 ひとえにファンのみなさまのおかげです。
「本橋さんたちだって努力したでしょ。そのおかげもあるよ」
「そりゃあね、努力はしたつもりだけど、ファンの方にそっぽを向かれたらどうしようもないんだよ」
「そうだね。うん、私たちはこれからもついていくから」
 ファンクラブの集いでお話しさせていただいた、若い女性の方にそう言っていただきました。
 みなさまに見捨てられないように、我々はなおいっそうの努力を致します。今夜、集まって下さったみなさまに感謝とおやすみのキスを。
 chuーっ!!」

 なにを言ってるのよ。誰があんたたちをプロにしてやったの? 私の夫でしょ。
 ありありと蘇ってくるシーンがある。
 別れようと口にすると、ここから飛び降りると橋の欄干に登って脅迫した本橋。困り果てていたころに私に救いの手を差し伸べてくれたのが現在の夫だった。夫が私から手を引くかわりの取引として、フォレストシンガーズをプロにしてやったのだ。
 別れることを承諾はしたものの、あの卑劣な男は私の手の甲に傷を負わせた。私の真っ白な手にしたたった、真っ赤な血が鮮やかに目に浮かぶ。
 忘れものはこれだ。私のブログならば読者も多いのだから、真実を伝える手段になる。私には蒼天銀行頭取令息夫人という社会的地位もある。この忘れものを告白しなくては。世間に告発しなくては。小百合ちゃん、名前を使わせてもらうわね。

「この話は友達の経験談なのですよ。彼女の学生時代の経験です。
 過去の話なんだからいいのよ、って彼女は言うけど、彼女にとっての癒せぬ傷跡だわ。涙ながらに話す彼女の話を聞いて、私の主人が言ったのよ。そういう奴は許せない、きみのブログで発表して、社会的制裁を加えてやれよって。
 社会的制裁なんて、無力な女には加えられないわ。書くだけでも発散できるからいいの。彼女のために書きます。
 あれは十年ほど前、彼女は大学生でした。」

 あのときに私の告白をはねつけたことを、死ぬほど後悔させてやる。そのためだったら半分ほど嘘を書いても許される。嘘? ちがうでしょ。今からブログに綴ることは、百パーセントが真実だ。


END

 
 


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~ Comment ~

NoTitle

冒頭を読んで「小さい頃は可愛かったのよ、いまブサイクみたいな言い方で悪いけど」と、
親に言われたことを思い出しました。
子供の時はみんな可愛いんだよ……なんて正直な親。

早苗みたいな子は好きじゃないけど、
平気でブスだのデブだの言う所は好感がもてます。
本橋君がキッチリ断ってるのにプラス思考なところがなんとも言えません(笑)
自信がある人は素直に受け取れない人が多いのでしょうか。
しかし二股はいけないなぁ、色々面倒だし。



私はお祭り自体はすきなんですがあまり行きません。
人ごみが苦手とか、日光アレルギーだからとかそんな理由です。
出店の雰囲気やわくわくする感じは大好きです。

アルコールはダメなのでお祭り中も大人なのにジュースで我慢です。
なんでしょう「うぉぉえ」っとなるんです。
みんな最初はそんなものというけれど、
どう頑張っても飲めるようになる気がしません。
やっぱり牛乳が一番好きです。

NoTitle

コメントありがとうございます。
まず報告です。

岡山のSUNたまたまに会いにいってきました~。
こちらにアップしていますので、見ていただけると嬉しいです。

http://quianquian.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-aa43.html

このストーリィ、わかりづらいですよね。
サイコサスペンスっぽいのを目指したのですが、大前提として、早苗は嘘ばっかり言っているということを知っていてもらわないといけない。
どこまで説明すべきかと悩みまして、早苗の周囲の女性の視点である程度は書いたのですが、説明不足かなぁ。

こういうの、ほんとにむずかしいですよね。

二股のときには本橋への仕返しのため、シゲに近づいてもてあそんでいたという……これをやったせいで、そのへんのストーリィを読んで下さった方には嫌われまくりました。

後には嘘ばっかりのブログを書き、そのあたりを読んで下さった方にも嫌われまくりました。
嫌っていただけて嬉しいです。

ハルさんは過去のストーリィも読んで下さっているわけですが、やっぱりわかりづらいですよね?
どうもすみません。

日光アレルギー、私もなんですよ。
今も左腕の肘の内側のあたりに、軽いじんましんみたいのが出ています。ここと首筋にアレルギーらしきものが出るんですよね。
今のところは夏だけですが、だんだんひどくなっているようで、いやな感じです。

アルコールも弱くなってきていますが、まだ飲めるほうかな。
飲みすぎるのはよくないですけど、お酒は人生の楽しいことのひとつだなと、飲める人間は思うのでした。

NoTitle

私は先を考えて伏線を張って、というのが得意じゃないので、
思いつきで書いていることも多いですよ!
あかねさんはたくさんのキャラをかき分けて、混乱したりしないですか?
早苗の悪女感はがっつり伝わってきます。


「日光アレルギーは悪化することはあっても治ることはない」

と、ザ・医者みたいなイケメン先生にキリッとした顔で言われました。

私「どうしたらいいでしょう?」
先生「日に当たらない事です」キリッ
私「……(外に出るなと?……)」
先生「日光は溜まっていくので注意してください」キリッ
私「ハイ……(ガーン、溜まるって何?)」

数年後、別な病院でその話をすると、
優しい先生「溜まる?溜まらないよ、表現が間違ってる」
私「え?!」
優しい先生「花粉症だって別に花粉の物質が溜まっていってるわけじゃないでしょ?」
私「……ずっと信じてた」

子供の頃は腕にぶつぶつみたいのが出来ていたのですが、
最近は出なくなりました。
当たる時間が短いのか、まさか「治った」のか不明ですが、
少しぐらいなら平気になりました。
そのかわり顔や首などが酷く、10分程度でも赤くなることがあります。
ぶつぶつではなくて、赤くなり痒みが出たり皮がガサガサになって剥けたりします。

優しい先生いわく、
「日に当たらないわけにいかないから、とにかく日焼け止めや帽子を使って、
 なるべく10時~2時ぐらいの外出は避けること」だそうです。

帽子、嫌いなんですよね。
くせ毛だし髪薄いからぱっくり割れになるし(泣
なので私は日傘を使っています。

日光アレルギーだと思ってたら全然違うものだった、という話も聞くので、
湿疹がでているときに診てもらうのもいいかもしれないですよ!


酒豪の人に「飲めないなんて人生半分損してるね!」と言われます。
そんこと言われても、ダメものはダメだし。。。
でも一度でいいから酔っぱらって気持ちよくなってケラケラ笑ってみたいです。

ハルさんへ

お返事ありがとうございます。

私もプロットを立てたり伏線を貼ったりって苦手です。
カンペキ行き当たりばったり派です。

キャラの書き分けで混乱、それもなくもないですね。
時間的矛盾も多いし、この時期、彼の彼女は誰だったか……なんて思い出せなかったりもします。

早苗の悪女ぶりは伝わりました? よかった。
もっとスケールの大きな悪女を書いてみたいですねぇ。
私には無理だなぁ。

帽子は私も嫌いです。
ずっと日傘です。
医者も嫌いです(^-^;

大阪人は医者嫌いが多くて手遅れも多くて、たしかそのせいで全国平均よりも寿命が短いのではなかったかと。。。。

昨日は真夏に戻ったような中を自転車でちょっと遠出したので、腕に湿疹が出ました。もう治ってますが。
小さい故障というか、病気というほどでもないのはよくありますけど、歯医者以外には何年行ってないか、ってほどです。

酔っ払っていちばん気持ちがいいのは、普段寝つきの悪い私がころっと寝てしまえることですね。
でも、お酒は別にがんばってまで飲むものでもありませんよね。

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