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コラボストーリィ(空白藍&あかね)「もうひとつの『私を飼って』」

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コラボストーリィ(空白藍&あかね)「私を飼って」2

先に書いたのが女性視点の「私を飼って」でした。実はね……と藍さんからあの詩について話していただき、男性視点の「もうひとつの「私を飼って」」を書きました。

先回の「私を飼って」とは別ストーリィです。詩もほんのちょっとだけちがっています。

http://ameblo.jp/ryougaesyoukagaya/

空白藍(くうはく・らん)さんのブログ「blanc bleu」です。藍さん、ありがとうございました。



「もうひとつの
      『私を飼って』」

 誰の字だろう? 誰が僕のデスクにこんな詩を忍ばせたのだろう。可愛らしい文字は女の子だ。男の子だったら気持ちが悪いから、女の子の字なのは嬉しい。

 これはラヴレターか? 僕が英会話教室の生徒たちの前で話したから?

「友達が旅行に行くからって、猫を預かったんですよ。そいつは真っ白なふわふわの女の子猫でね、僕はそれほどには猫好きでもないつもりだったけど、可愛すぎてめろめろになっちまってるんだ。猫って魔性の生き物だってのは本当ですね」

 その話が使われた詩。そしてそして? これはエムっぽい詩だな。僕にはエスっ気があるって知っててこんな詩をよこしたのか? きみは誰? 僕の好みの女の子だったとしたら……よし、調べよう。

教室の事務員は男性とおばさんばっかり。おばさんがこんな詩のラヴレターをよこすなんて、考えたくない。僕が話をしたのは生徒たちの前でなのだから、生徒だと決めた。

 僕は英会話教室の先生なのだから、生徒たちの筆跡を調べるのは簡単だ。僕の教室には女性の生徒は総計十二人。成人向け教室だから、社会人と主婦ばかり。この字は若い女性の手になるものだとの願望もこめて、ターゲットを六人いる二十代女性に絞った。 

 すこしばかり筆跡を偽っていたようだが、調べればじきに判明した。ラッキーなことに、僕の好みのタイプだ。

 さらにラッキーにも、彼女たちのレッスンが終われば僕の本日の仕事も終わり。彼女が帰っていく方向に帰る生徒は他にはいない。やらなくてはいけないことはなくもないけれど、明日にしよう。

「マコ、一緒に帰ろうか」
 彼女がひとりで教室のあるビルから出ていくのを確認して、僕もさりげなく出ていった。小柄な彼女の歩く速度に追いつくのはたやすくて、となりに並んで声をかけた。

「マコって……」
「呼び捨てにしたらいけないのか? だって、おまえは僕のペットになりたいんだろ」

 真っ赤になってうつむいた彼女が書いた詩のラヴレターは、こんなのだった。

***** ***** *****

愛おしげな眼差しは

 白いふわふわの毛に注がれて

 預かりものだからと

 目を細める


 コーヒーをいれる私に

 雑誌を広げるあなた

 遮るように膝に飛び乗る彼女


 邪魔しないでくれよ

 とろける声に

 彼女の甘え声

 長い前髪
 とがったあご
 ひざの上の私を
 鼓動だけにするまなざし


「私も飼ってほしいな」

 つぶやきに

「そうそう、友達が飼ってくれていたら

 寂しいときだけ、こうして」


 柔らかな毛の上ですべる手

 私はあなたに飼って欲しいのに・・・

***** ***** *****

「飼ってあげるよ。ついておいで」
 この態度はまちがいなく彼女だ。彼女は頬を染めたままで僕を見上げた。

「飼うって……どうするの?」
「おまえの好み通りにしてやるよ。どうしてほしいのか言ってごらん」

「そんなこと……言えないし」
「言えないような扱いがしてほしいの? 僕のマンションに行こうね。たっぷり可愛がってあげるから」

 いやだと言ったとしても許すつもりはないけれど、彼女はとろけそうな目でうなずいて僕に従った。

おしまい

詩・空白藍
文・津々井茜
 


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~ Comment ~

ふたたび、茜さん、ありがとうございました (ー^0^-)

最初、茜さんにコラボしてもらおうって、思った時に、『リレー小説』で、得たこと。

”いろんな取り方をしてもらえること。”

って、思って、

長い前髪・・・・

からの部分は、抜いた。
その後、メールで茜さんにそれを伝えたら、
すぐに、男性目線で、こんな☆.。.:*・°☆.LOVE~(^▽^(^▽^*)~LOVE.☆.。.:*・°☆ に・・・・

やっぱり、茜さんは、凄いです ( ̄ー+ ̄)!

乃梨香ちゃん、ふたたび、こちらこそ。

リレーはそうですよねぇ。
うん、それってリレーや共作のひとつの醍醐味でしょう。

このネタは私のどこかを刺激したようで、もうちょっと長いのも書いてみようかと思っています。
書けるかどうかは謎ですので、気長に待っていて下さいね。

こちらこそ、ありがとうございました。

男性目線、かぁ。

男性目線になると途端にアヤシクなりますなぁ。

でも、基本があんまり変にイヤらしくないので、するっと世界に入れますね。
こちらも素敵でした(^^)

ちなみに、昨日は人が死んだり生死の境を彷徨ったり、意識が戻らなかったり…という状況を立て続けに描いて、かなり疲弊していたようで、今朝の夢見はすんげ~酷かった。
ヒトゴロシって、さすがに疲れます。

特に死んで欲しくない人の死を描くのはfateも一度死んだくらいシンドイ…
(じゃあ、なんで描く? ←違うよ、やつが勝手に死んじゃったんだって!)

fateさん、ありがとうございます

ちょっとだけでもアヤシク、エロっぽく書けていたらいいのですが、私はやっぱりそういうのは苦手なんですよね。

根ががらっぱちなもので、濃密な愛の世界……うげっ、読むのは楽しいけど書くのは恥ずかしい、となって逃げてますから。

fateさんはご自分の作品を書いておられても、深く考えて入り込んでいらっしゃるのでしょうね。
どんな描写にしても深く掘り下げるのは大切だと思います。私はそれができないから。。。。
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