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小説228(慕情)

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フォレストシンガーズ228

「慕情」


1・哲司

 大人で強くて、優しい荒々しさを持つ男、僕はそういう男が好きだが、「僕は男だ」という自覚はまるきりない。「あたしは女だ」とも思っていないから、性別自意識がない……ってわけでもなくて、おまえは男なのか? と訊かれれば、男だと答える。女なんてのはややこしいから、そんなものにはなりたくない。
「だからさ、おまえは乾さんが好きなんだろ」
「好きじゃないよ」
 久しぶりで会ったミルキーウェイとは、こんな話ばかりしている。おまえと呼ぶな、などとつべこべ言っていたミルキーに取り合わないでいると、彼女も僕をおまえと呼びはじめたのだが、まあ、そんなことはどうでもいいのだった。
「おまえは乾さんが好きなのかよ?」
「僕は乾さんは好きだよ。ミルキーだって嫌いじゃないよ」
「基本は男好きなんだよね?」
「バイってのはゲイである自分をごまかすためだ、なんて言う学者がいるみたいだけど、僕は女だって嫌いじゃないんだよ。おまえが僕の前で着替えをしたりするのは、楽しく見せてもらってたよ」
「もっと早く言えよ」
 赤くなっているところを見ると、ミルキーも女の子なのだ。変な奴とはいえ、女だからややこしい感覚を持っているのだろう。
 ギタリスト志望の僕は、オーディションがあれば受けてみる。ミルキーウェイのバックバンドのギターが抜けて、オーディションがあるとケイさんが教えてくれたので、もちろん受けて、もちろん落ちた。そのくせ、ミルキーに呼び出されたのだった。
「哲司って綺麗だよね。ギタリストじゃなくて、あたしの彼氏にならない?」
「僕はゲイだよ」
「ゲイなの? そしたら彼氏じゃなくて、ペットになれよ」
「ペット?」
 あっちこっちでギタリストのオーディションを受けては落ちて、自棄になって浮気をしたり、家出をしたり、シンナーをやったりしては、ケイさんに叱られて叩かれて、それでも連れ戻してもらっていた日々だった。
 瀬戸内海の小島から飛び出してきて、東京でギタリストになりたいと願い、願いはかなわず、そんなときに編曲家のケイさんに拾われて、彼のマンションに同居させてもらった。十代だった僕を抱くのは犯罪だと言ってみては、ひっぱたかれてベッドに押し倒されていた。
 ひっぱたくとは言っても、無茶なことはしない。僕が生意気だとかうるさいだとか、浮気するだとかシンナーをやるだとか、そういったことで叱られるたびに叩かれてはいたが、僕はそんな男が好きだから、反抗しながらもケイさんを愛していた。
 けれど、二十歳になったっていうのに、ケイさんに頼りっぱなし。食べさせてもらって服も買ってもらって、小遣いももらって、僕はケイさんのマンションの掃除をしたりしている。それだったら、ミルキーのペットだって同じじゃないか。
 オーディションの前の日にもケイさんと喧嘩をして叩かれたので、腹が立っていたのもあって、ミルキーの誘いにうなずいた。
 ペット扱いでもあり、車の運転やら掃除をさせられるのもあり、のミルキーとの暮らしは別にいやでもなかったのだが、すこし離れるとケイさんが恋しくなる。僕の前で平気で着替えをするミルキーの細い裸体は見ていて楽しくなくもなかったが、次第に無感動になってきた。
 僕はやっぱりケイさんと喧嘩して、叩かれて泣いてから彼に抱かれるのがいい。ひょろっと細長い中年男の裸身のほうが、見ていて心地よい。細くても力の強いケイさんの腕に抱かれたい。だからって、もう帰れない。
 帰りたくても帰れなくて、意地を張っているしかなかった僕に、乾さんが手を差し伸べてくれた。ヒデさんも僕に力を貸してくれた。おかげで僕はケイさんのもとへ戻り、昔のまんまに喧嘩したり叩かれたり、叩き返したり抱き合ったりの日々を送っている。
 あれはベリーパイという女の子のアイドルグループのマネージャーさんちに、ケイさんが僕を連れていった日か。あのときも僕はどこかの男と浮気して、ケイさんに捨てられるんじゃないかと泣いていた。浮気をするたびに捨てられる心配をして、それでも浮気するんだから、僕はミルキーに似た馬鹿なのだろう。
 馬鹿だからケイさんが可愛がってくれるのかもしれないが、そう、その日、僕ははじめてフォレストシンガーズの乾隆也に会ったのだ。
 あの日の僕はケイさんのことしか考えてなかったけど、それから二度も三度も関わって、乾さんに興味を持つようになった。ケイさんとは似たところもあり、ちがったところもある大人の男。ゲイに偏見は持たないと言いつつも、腰が引けてる奴。
 ノーマルな男がゲイを嫌うのは当然なのだろう。ケイさんは言っていた。
「偏見を持たないようにしようと考えてるだけでも、いい奴なんだよ。俺は乾さんと三沢さんは好きだな」
「三沢さんを口説きたいんじゃないの?」
「彼は若くは見えるけど、三十すぎてるんだもんな。年を考えるとな……」
「からかいでだったら口説いてるんでしょ」
「反応が楽しいから、口説いてるよ」
 要するにケイさんは美少年趣味であって、三十すぎた男に恋はしないと。すると、僕が大人になったら捨てられるのか? 
 とも思うのだが、それはひとまず置いておこう。
 ケイさんのもとに戻れるようにと、乾さんやヒデさんが手を貸してくれたときには、ミルキーも関わっていた。僕がケイさんのマンションに帰ってからも、ミルキーは乾さんにからみついていたらしい。それは乾さんを好きだから? とは僕はずっと思っていたのだが、今夜、ミルキーに会ったので質問してみたのだった。
「あたしはあんな奴は大嫌いだよ」
「大嫌いだったら近寄らなきゃいいじゃん」
「むかつくんだもん」
「むかつく奴に近づいたら、むかつくだけだろ」
「あいつをこてんぱんにしてやりたいんだ」
「どうやって? なんかしたのか?」
「なんにもしてないよ」
 目が泳いでいるところを見ると、僕の知らないなにかをしたとも考えられる。こいつは本当に乾さんが嫌いなのか、実は好きなのか。
「おまえだってあたしを嫌いじゃないの? なのに近づいてきたじゃない」
「僕はミルキーは嫌いじゃないよ。抱いてくれたっていいんだよ」
「あたしが哲司を抱くんだね……ったってすることは同じ?」
「同じだろうけど、気分的なものだよ」
 ふーむ、と考えていたミルキーは、ややあってから言った。
「あんたとケイさんってひとの話は聞いたけど、彼氏との間に波風を立てたがる奴なんだってね。あんたがあたしと寝たって聞いたら、ケイさんが怒るんだろ。そのために使われるなんてやだよ」
 図星だ。ミルキーにもまっとうな感覚はあるのだと、僕は妙に感心していた。


 こっちはまちがいなく乾さんに恋してる。ミルキーはややこしい奴なので、僕の発想外みたいなところがあるのだが、千鶴だったら意外と、僕に近いところがあるのかもしれない。
 たいていの男は女を手荒には扱わない。僕だったら気安く張り飛ばしてくれるケイさんは、女には絶対に暴力をふるわないと言う。乾さんだって僕だったら叩いたくせに、千鶴には優しくて優しくて、お嬢さま扱いをする。
 うらやましいといえばうらやましいけれど、僕は女になりたくはないのだから、仕方ないのだろう。女に暴力をふるう男は僕だって嫌いだ。僕はやらなくもないけど、非力な僕だったら、女とだって腕力は似たようなものだからいいのだ。
「似たようなものじゃないぞ」
 今夜はミュージシャンたちのたまり場、「フライド・バタフライ」に乾さんと千鶴と三人でいる。乾さんと千鶴は仕事帰りだそうで、疲れたのか、千鶴は乾さんの肩にもたれてうつらうつらしている。乾さんは僕に言った。
「通常、男は女の腕力と比較すると、一.五倍の力があるんだそうだ。身体が大きくて力の強い田野倉さんだの桜田さんだの、本橋だのシゲだのだったら、千鶴と比較したら二倍の腕力があるんじゃないかな」
「乾さんは?」
「俺は女の一.五倍ぐらいだろ。俺は平均的な腕力値だよ」
「ふーん、そっかな。そんで、僕は?」
「おまえだって一.二倍か一.三倍はあるよ。千鶴の腕とおまえの腕を比べてみろよ。腕相撲でもしてみるか」
「そんなのしんどいからしたくないけど、乾さんは並よりも力はあるでしょ」
「どうしてそう思う?」
「だってさ」
 乾さんは時々、千鶴を抱っこして運んでいく。僕もケイさんに、ふざけてるみたいに抱き上げられてベッドに投げ飛ばされたりはした。抱き上げられて叩かれてから、表に放り出されたこともある。
 だから、ケイさんは力が強いのを知っている。僕の背丈は普通の女よりは高いし、体重だって女よりはあるのだろうけど、千鶴は僕よりも重いのでは? そう言ってみると、乾さんは僕をじろりっと睨んだ。
「千鶴がおまえよりも重いなんてはずはないだろ」
「あとで抱っこして較べてみたら?」
「較べなくてもわかるよ。千鶴の腕や脚には筋肉はないけど、おまえにはあるだろ」
「ギターの練習で腕には筋肉がついてるかな。でも、千鶴のそことかこことか……特にケツは絶対に僕よりも重いよ」
「まったく失礼な奴だな。ケツだけで体重は決まらないんだよ。いて……う、千鶴、寝てたんじゃなかったのか」
 目を覚ましたのか、最初から聞いていたのか、千鶴が乾さんの腕をつねっていた。
「みんな千鶴のお尻が大きいっていうんだよね」
「おっぱいも大きいからいいんじゃない?」
 僕が言うと、千鶴は乾さんの腰に抱きついて甘え声を出した。
「哲司だったらどう思うのかな、あれ」
「あれはまだ秘密だから、他言無用だよ」
「はい。でもね……」
「でもね、じゃないだろ。秘密は秘密。言ったらいけないんだ。わかったね?」
「だーって……」
「だってだなんて口答えする子は……」
「きゃああ、いやいや」
 勝手にいちゃついてて下さい、って言うしかない。乾さんは千鶴を叱っているつもりかもしれないが、僕にはいちゃついているとしか見えない。ハチミツ入りコンデンスミルクみたいな甘い口調は、乾さんが女の子にしか向けないものなのだろう。
「あっちやこっちでさ、乾さんと顔の見えない女の子の写真がどうとかって言ってるんだよ。タブーNO.3の秘密のポスターってあるんだってね。その話?」
「哲司は見てないの?」
「ジュンとキリコのだったら見たけど、ケイさんも秘密のほうは見てないって言ってたよ。えっちなポスターなんだって?」
「その話だったらしていい、乾さん?」
「あれは多少はいいだろ」
 他にも秘密があるらしいのだが、千鶴がしてくれるポスターの話を聞いた。
「このごろ流行りの女の子、お尻の小さな女の子、って歌があるよね。でも、ああいうポスターはお尻の大きな女の子のほうが、絵的に綺麗だって言われたよ。ね、乾さん?」
「大きいってだけではなくて、形がいいからね、千鶴のは」
「監督さんもそう言ってくれて、千鶴のバックを強調しようって話になったの。顔を映さなかったらお尻だって」
「そりゃまあ、そうだよ。千鶴の尻はキュートだもんな」
「乾さんのえっちえっち」
「だから言ったろ。俺はえっちだよ」
 話を聞いていると僕の目の前にもその絵が浮かんでくる。
 キャミソールドレスを着た千鶴が、乾さんの片腕に抱かれて立っている。立っているとはいっても、身体をほとんど男の腕に預けている。乾さんが千鶴のドレスの裾を高々とまくり上げる。千鶴の腰を覆ったちっちゃな布地が半ば引き下ろされ、白くて丸い尻が半ばあらわになる。
 そんなポーズでの写真もあったのだそうだ。千鶴の脚は片方が蹴り上げられていて、乾さんの脚はその脚の抵抗を封じ込めようとしている。
 それって普通の性的欲望を持つ男には、扇情的、官能的に見える写真なのだろうか。話していた千鶴がとろっとした目をしていたから、女が見てもそうなのだろうか。色っぽいんだろうな、とは僕も思うのだが。
「千鶴が自分でスカートまくって、それでいいんじゃないの? まくってるところは映さないでしょ? なのに乾さんがまくるの?」
「なんでも、俺がスカートや下着に手をかけたほうが、臨場感ってのか劇的効果ってのか……そのポーズとなった千鶴の恥じらいや歓喜の表情ってのか、そういうのがちがうんだそうだな」
「ふううん、そうなんだね」
 スカートをまくられたりして、千鶴は嬉しかったのか。今も恥じらいの表情を浮かべていた。
「僕だったら……その脱がされてるほうは、僕がいいな」
 うげっと言いたそうな顔を乾さんがし、千鶴は言った。
「哲司がドレスを着てるの?」
「ドレスじゃないよ。長めのシャツなんてどう? シャツの裾をまくられて……」
「俺がおまえのトランクスを下ろすのか。ぞっとしないな。いや、ごめん」
「あやまらなくてもいいけど、そっかな。ぞっとしないかな」
 宙を見つめて想像していたらしい、千鶴も言った。
「哲司だったら綺麗な写真にならなくもないだろうけど、そんなのやだ」
「俺もやだよ、千鶴」
「千鶴がいい?」
「そりゃあそうだ。心はガキとはいえ、身体つきは大人の女性だろ。おまえのキュートな尻やら、綺麗な白い脚やらのほうがいいに決まってるよ。哲司、ごめんな」
 いちいちあやまられるとよけいにむかつくのだが、乾さんは礼儀のつもりなのだろうから、うなずいておいてやった。
 そんな写真、ケイさんと僕とでプロのカメラマンが撮ってくれないだろうか。ケイさんには拒否されそうだが、僕は恥ずかしくない。顔も映してほしい。そんなポスターが街中に氾濫したら、この美少年は誰? って話題になって、僕にも俳優へのオファーが来たりして?
 俳優になんかなりたくはないけど、ギタリストへの道も見えてくるかもしれない。ケイさんには断られるんだったら、と僕は、千鶴といちゃついている男の顔を見据えた。
「乾さん、お願いしてみて」
「なにをだよ」
「その相手役を僕に代えて、別のポスターを撮ってほしいって」
「俺はそれは……悪いけど……」
「駄目。そんなのいやっ」
「おまえに聞いてねえんだよ。千鶴は黙ってろ」
「こら、哲司、千鶴にそんな口をきくな」
「きゃああ、もっと叱ってやって」
 嬉しそうに言って、千鶴は乾さんの味方をする。ここで千鶴と喧嘩になったら、乾さんに叩かれるのは僕だろう。この間は千鶴と喧嘩をしていたら、ケイさんがあらわれて、あのときにも僕が叩かれた。あとで三沢さんが言っていたところによると、千鶴は金子さんにあやしてもらっていたそうだから、不公平すぎる。
 世の中は女に得なようにできていて、不平等なものなのだろう。特に男であって男でもないような、僕みたいな人種には生きづらい。成人したらよけいだろうな、とも思うのだった。
「言ってみただけだから、駄目だっていいんだけどさ。じゃ、話を戻していい?」
「なんの話だった?」
「千鶴が重いって話? 哲司よりは体重は少ないよ」
「何キロ?」
「言ってあげない」
「そしたら乾さん、抱っこして較べてみてよ」
「駄目っ!!」
 女の子ってのはどうして、こうも体重にこだわるんだろう。あのミルキーでさえも、こんなの食べると太るだとか言っていた。
「だからなんなのよ。哲司、なにが言いたいのよ」
「いや、だからさ、千鶴はケツが重いから重いだろうに、ああやって軽々と抱き上げる乾さんは、普通の男よりも力はあるって話だよ。重たい千鶴を抱いて歩けるのは、力のある男だからだもんね。僕だったらよろめいて倒れるよ。できたとしてもしたくないけどさ」
 うっ、むかっ、と千鶴は呟いていて、乾さんは言った。
「そのへんで口を閉じろ。殴られたいのか」
「……またそれ」
「乾さんが千鶴のために、哲司を叱ってくれると感激」
「ああ、このくらいだったらいつだってお役に立つよ。千鶴、泣くな」
「泣かないからね、抱っこ」
「抱いてるじゃないか」
 泣き真似ってのは僕も得意だが、ある種の男以外は、僕の涙には心を動かされてくれない。男の涙にこよない嫌悪を抱き、泣くと殴るぞ、と怒るヒデさんみたいな奴もいる。女の子は、特に千鶴みたいな可愛い女の子は、本当に本当に得だ。
「あのさ、乾さん、モモクリのクリってのも泣き虫なんだろ」
「知ってるのか」
「話は聞いたよ。ケイさんがモモクリと仕事をしたんだって。ちょっときびしいことを言ったら、クリがべそをかいたってさ」
 短気で怒りっぽいケイさんのことだから、殴ってやりたくなったにちがいない。ケイさんは僕が泣くと、時によってはあやしてもくれるのだが、あれは僕が恋人だからだ。クリだったら怒鳴って蹴飛ばして殴って追い出したかったのだろうと思えるが、仕事だから耐えたはずだ。
「乾さんの前でクリが泣いたこともあるの?」
「知られてるんだったら言うけど、あるよ」
「殴ったことはないの?」
「軽くだったらあるな。おまえの横っ面を軽く張った程度にね」
「乾さんも男の子だったらぶつの? 千鶴もぶたれたけど……」
「あれとそれとは次元からしてちがうよ」
 あれれ? 乾さんは千鶴をぶったのか? 次元がちがうってことは……追求する気にはならなかったけど、そしたら千鶴はぴいぴいにゃーにゃー泣いて、乾さんに抱っこされてよーしよしよしって? 僕にはそっちがうらやましい。
 僕の好きな男がみんな、僕を好きになってくれたらいいのに。恋人はケイさんでいいから、浮気用だとか遊んでくれるひとだとか、歌ってくれるひとだとか、ケイさんの留守にかまってくれるひとだとか、用途に応じた男がほしい。
 そしたら女なんかいなくてもいい。僕は女とはセックスしなくてもいいのだから、本質的にはゲイなのだろう。
 千鶴を抱いて低い声でフォレストシンガーズの歌を歌っている乾さんを見て、僕は思う。彼の用途はなんだろ? 僕専用のジュークボックス? だけどこのジュークボックスは、時々僕に説教する。ほっぺたを叩いたりもする。ケイさんの次のポジションの、きびしくて優しい恋人でもいいのにな……乾さんもバイだったらいいのにな。
 

2・忠弘

 約二十年前にシンガーソングライターとしてデビューしてから、十年ほどはまったく売れなかった。おまえには作詞作曲の能力がないのだと言われ、事務所がヒットソングを飛ばしているソングライターに曲を依頼してくれても、売れなかった。
 このままではCDを出せなくなる、と言われていたころに、ドラマに出た。俺は歌手なんだから、ドラマになんか出たくない、と言わなくてよかった。あのドラマのおかげで桜田忠弘は、歌も演技もできる奴だと認知されるようになったのだ。
 歌の世界にも役者の世界にも、お世話になった人間が多数いる。俺を虐げた奴もいるが、売れているといわれるようになったら、そいつらもおもねってくるようになった。いやな思い出は忘れて、世話になったほうを思い出す。
 多数の人たちに世話になったおかげで、俺はここまで来られたのだから、後続の若い奴らの世話をしてやろうと思う。四十代になった俺は、ヒット曲を出せるシンガーたちの間では年上のほうだし、流行りのドラマのメインキャストの中でも年上のほうで、周囲は大部分が年下なのだ。
「おっはようっす」
 テレビの生放送歌番組「ベストヒットジャパン」の楽屋にいると、大城ジュンが入ってきた。彼はもとアイドルで、歌を歌っていたのだから、役者の仕事がメインになっていてもCDを出している。歌はあまり売れないようだが、今回は新曲キャンペーンのために出演するらしい。
「ああ、おはよう」
「エイト、挨拶しろよ」
 ジュンに言われて、彼にくっついていた少年が前に出てきた。
「俺の事務所からデビューする、鈴木瑛斗。エイトマンってなんだったかな……なんだか知らないけど、エイトだから八の字のついた衣装を着せるんだって、社長が言ってたよ。センスが腐ってるよね」
 ぼやいているジュンの前に立った少年が、頬を紅潮させて言った。
「忠弘さん? 僕、ファンなんです。握手して下さいっ」
「あ、ああ」
「アホか、おまえは。挨拶ってそういうんじゃねえんだよ」
「いいからさ。エイトくんはまだ気分はアマチュアなんだろ」
 胸に大きく八の字が輝く、白いジャンプスーツを着たエイトと握手をしてから、俺はジュンに向き直った。
「ジュンは知ってたっけな。キリコの彼氏の話って聞いたか?」
「キリコは俺にはつんつんしてるから、共演したって話はたいしてしてねえよ。キリコって男がいるのか」
「いないはずないだろ」
「そりゃそうだけどね」
 女優のカリコ・キリコと、ここにいる大城ジュンは「タブーNO.3」という映画で共演していた。撮影はとうにクランクアップしているのだが、公開日は未定とされている。未定ではなくてそうやってファンの期待を高まらせ、焦らしているのだろうが。
 昔から世話になっているミュージシャンが、キリコの彼氏だ。その彼に言わせると、キリコの男は俺ひとりじゃねえだろ、となるのだが、俺はそこまでは知らない。キリコの彼氏と俺が親しいからこそ、キリコは俺とも親しく口をきいてくれる。
 先だって、俺は「タブーNO.3」のレアポスターについて、フォレストシンガーズの本橋真次郎から聞かされた。俺は映画の情報を知る立場にいないのだが、キリコからも聞き出して、レアポスターについて調べてみた。
 本橋にはキリコとジュンを紹介し、それからもポスターについて知り合いに尋ねてみたのは、謎の女優に興味があったからだ。
「おまえは見たんだろ、そのポスター」
 あのときにはジュンとは映画の話もせず、それからは会っていなかったので、訊いてみた。
「キリコは機嫌が悪かったけど、おまえはどうなんだ?」
「こら、エイト、桜田さんの私物をさわるな。おまえはおとなしくしてろ」
 同じ事務所の後輩だというわけで、ジュンはエイトを一喝した。エイトは楽屋の隅にちんまりとすわり、ジュンは言った。
「機嫌が悪いってのは、主演のキリコと俺じゃなくて、あのポスターが評判になってるからだろ。女優ってナルシストだもんな」
「おまえもだろ」
「俺もそうかもしれないけどさ、桜田さんはレアのほうは見たの?」
「キリコがキリコの彼氏に言われて、もらってきたんだ。俺も見せてもらったよ」
「どんなの?」
「普通の抱擁シーンだったけど、他にもあるんだろ」
「俺は見たってひとの話を聞いたんだけどさ」
 女の服が破れてて、片方のおっぱいが露出してて、男の手が揉んでて……などと、ジュンは嘘か本当かわからない話をする。エイトがうしろでごくっと唾を飲む音が聞こえた。
「エイトっていくつだ?」
「十六。こいつには刺激の強い話だな。エイト、耳をふさいでろ」
 先輩に命じられて、美少年が素直に従う。今夜の出演は男はこの三人だけなので、楽屋に他の人間は入ってこないはずだ。なのだから、ジュンは人の耳も憚らずに言った。
「あれってさ、見た女の意見によると、こうなんだよ」
 力で、腕ずくで、女を意のままに支配しようとする男。かといって男は偉丈夫だとか、巨漢だとかではない。一見は優男。乾隆也なのだから、そうだろうとは俺にも納得できる。
 ソフトにではあっても、女を征服し屈服させようとしている男。その男に唯々諾々とではなく、その実、幸せな気持ちで屈する女。彼女は彼を愛しているからこそ、力で服従させられるのが嬉しい。どことなし、SMの香りが漂うのだそうだ。
「そんなことを言う女って誰だよ? ジュンの彼女か?」
「彼女かどうかはどうでもいいんだけどさ、そいつ、わりと考えすぎる奴だから」
「俺が見たのはそんなふうでもなかったけど、ものによったらそうなのかな。そういうのってどんなだろ。見たいな」
「俺は別に見たくはないけどさ」
「おまえもむかつくのか?」
 主役のかたわれとしては、脇役のポスターが評判になるのは癪なのだろうか。俺だったらどうだろう? 腹が立つかもしれない。
「むかつくってか……俺は……」
「おまえは乾を知ってる?」
「会ったことはあるよ。三沢幸生と乾隆也と、この間は本橋にも会ったよな。なんてーのか……あいつらは好きではないけど、もっと深く知りたくなるってのかな。エイトなんかはフォレストシンガーズに預けて、鍛えてもらうといいと思うんだ。桜田さん、ポンって知ってる?」
 ラヴラヴボーイズのポンだったら知っている。うなずくと、ジュンは言った。
「あいつ、本名は洋介っていうんだけど、ラヴラヴを解散してシンガーソングライターになりたいって言って、本橋さんに弟子入りしてたらしいんだよな。フォレストシンガーズが売れちまったもんだから、かまってもらえなくなって、それからなんだかんだとあって、今はアクション俳優養成スクールにいるらしいんだ。この間、イベントの裏方の仕事をしてるポンに会って、本橋さんの話なんかも聞いたんだよ。フォレストシンガーズも忙しいみたいだから無理だろうけど、エイトもポンみたいにしてもらったらいいだろうな、なんてね」
「おまえの言い方だと、本橋っていい奴だな、って感じ?」
「いい奴だか悪い奴だかなんて知らねえけど、モモクリにだってあんなふうだろ。事務所の後輩ってのは弟みたいなものなのかなとは思ったんだ」
「だからエイトに?」
「エイト……こいつは……なんで社長は俺にこんなガキを押しつけるんだよ。こら、寝るな」
 居眠りをしていたらしいエイトは、ぱっと目を開けた。
「寝てないよ。だけど、退屈なんだもん。フォレストシンガーズの話じゃなくて、ポスターの話をしてよ。支配とか征服とかじゃなくて……」
「女優の胸の形とか?」
「うんうん。ジュンさん……見たんでしょ?」
「俺は見てねえっての。あのな、エイト」
 今どきのアイドルは、必ずしも優等生ではなくてもいい。多少はエッチな話題も、悪さやいたずらをしたと言っても許される。だが、なにごとも程度問題であり、悪すぎると嫌われる。そこらへんをわきまえろ、と先輩が後輩に説教し、後輩も神妙な顔をして聞いている。
 露悪趣味というか、事務所の方針というか、ワルっぽい香りで売っているジュンも、これからという後輩にはこんな説教をするのが大変に可笑しい。説教はすんだ様子で、ジュンがエイトの耳に口を寄せる。女の胸の話をしてやっているのか、エイトはもぞもぞと身体を動かしていた。


 収集した情報によると、レアポスターは多種類あるらしい。ポスター自体も収集したいのだが、街の中に貼ってあるものをさえ俺は見ていない。よほど数が少ないのか、俺の手元にあるのは、キリコの彼氏がくれたカラーコピーの一枚のみ。あれはオーソドックスな抱擁シーンだ。
 前を向いてカメラを見つめる乾が、女を抱きしめて髪に顎を乗せている。乾の片手は女の背中にあって、女の顔は見えていない。男女ともに上半身のショットである。
 他の写真はどんななんだろう。本橋には俺も見たと言ったが、実はキリコに聞いただけで、見ていない。キリコが言うには、女優の顔は隠されているので、強調されているのはバックスタイルだそうだが、中には胸元を強調して、男の手が彼女の乳房を包んでいると示唆しているふうなのもあるらしい。
「おや、ミルキー?」
 仕事がすむと眠くなって、眠気覚ましのためにも色っぽい写真のことを考えつつ、駐車場に行く。俺の車の近くに、ミルキーウェイがいた。彼女も今夜はテレビで共演していたのだった。
「……どうした?」
「あたし、免許を持ってないんだよね。車はあそこにあるんだけど、運転してくれる奴が誰もいないの。マネージャーもいなくなっちまったよ。用があるときにはいないんだから」
「送っていこうか。車は置いていけばいいじゃないか」
「そだね」
 ありがとうともお世話になりますとも言わず、ミルキーは俺の車に乗ってきた。
 遊び好きの軽い女だと、彼女の評判はそうなっている。すこし前にフォレストシンガーズの五人と仕事をし、そのあとで酒になったときには、旧友の編曲家である田野倉ケイも同席し、そこでミルキーの話題となった。
 そのうちの数人が、ミルキーの名前に変な反応を示し、田野倉も言っていた。あの女はやめたほうがいいぜ、だった。
 やめたほうがいいと言われても、結婚しようってわけでもあるまいに、寝るだけだったらいいだろ。ここで会ったのはいいチャンス。さりげなくなにげなく口説けないかと考えていたので、眠気は消えてしまっていた。
「ミルキーはフォレストシンガーズは知ってるんだよね」
「知ってるよ。あいつらって大嫌いだ」
「そうなのか。わけがあって?」
「わけなんかないんだけど、特に乾隆也って嫌いだな。なんなの、あいつ?」
「なんなのかは、俺はよくは知らないけどね」
 本橋と飲んだときには、彼が乾の話をしていた。
「乾は行儀の悪い奴だとか、心得がなってない奴だとかを見ると、叱りたくなるらしいんですよね。俺だったら失礼なガキを見るとぶん殴りたくなるけど、乾は口で説教したがる。教育してやろうと思う。それでいて、そういう奴らに説教したあとでは、あーあ、また口はばったいことを言っちまったよ、になるらしくて。ああいうまがりくねった頭の持ち主と、単純な俺とがよくも長くつきあってきたものだと思いますよ。性格がちがいすぎるのがいいんですかね」
 長くつきあってきている本橋の観察眼は正しいのであろうし、俺も乾とは少々だったら触れ合った。乾隆也のその性格は、嫌う者には嫌われると思うが、女が彼を嫌う場合は、別感情だとも考えられる。なにかあったのかと、ミルキーに探りを入れた。
「なんにもないけど、生理的に嫌いってのか」
「女が生理的に嫌いな男ってのは、腹が出てるとか脂ぎってるとか、髪が薄いとか歯が出てるとか? 乾は見た目は爽やかタイプだろ」
「顔は不細工だよ」
 美青年でもないだろうが、不細工でもないはずだが、女の見る目はちがうのか。ミルキーはよほどの美形好みなのか。
「桜田さん、あんたも女を軽く見てるだろ」
「そんなことはないよ」
「乾って奴もそうなんだろうけど、女は男の外見で生理的に嫌いだとか言う、軽薄な頭しか持ってないと思ってるんだ。乾隆也は不細工だけど、外見が生理的にいやだとは言ってないよ。あの中身が大嫌いなんだから」
「中身が大嫌いってほどに知ってるのか?」
「ちょっとは知ってるけど、たくさんなんて知りたくないの」
「……俺にはわからないけど」
「わからなくてもいいよ。桜田さんのマンションに行く? ホテル?」
 そのつもりだったのならば、俺は拒絶する気はない。車をシティホテルに回した。
 細くて小さくて綺麗な若い身体。奔放に反応するミルキーは遊び慣れているふうではあったが、どこかしら寂しげにも思えた。抱き合っている女が寂しげに見えるとは、男の傲慢だと言われるのだろうか。ミルキーが寂しいのだとしても、俺にはどうにもしてやれないのに。


 今日はテレビで杉内ニーナさんと共演となった。
 フォレストシンガーズの所属事務所、オフィス・ヤマザキはシンガーを数組擁しているのだが、テレビ出演を重んじる事務所ではない。大ベテランシンガーであり、俺よりも年上のニーナさんも、テレビにはめったと出ない。今夜は特別なのだそうだ。
「もったいぶってるんでもないけど、社長の知り合いの方に頼まれたのよ。私もテレビの空気に久しぶりに浸りたくなったの。桜田さん、帰りにデートしない?」
 謹んでお誘いを受けたのだから、今夜はニーナさんを送っていくことになった。
「タブーNO.3のポスター? 私は見てないのよ。乾くんは事前に社長に相談したんだから、社長はもちろんそんなポスターがあるとは知ってて、なのに、どんなのかは知らないらしいのよね。色気があるらしい、乾の奴……とか言ってて、私にははっきり話してくれないのよ。あなたは見たの?」
「うちにカラーコピーだったらありますよ。見にきますか」
「そうやって口説いてくれてるんだったら嬉しいわ。引かないでね」
「引いてませんよ。あなたさえよろしいんでしたら、ポスターを見たあとで……」
「嬉しいわぁ」
 この年の女となると、戯言で嬉しいなどと言う。ニーナさんとだって拒絶する気はないが、彼女には男がいるはずで、それでも彼女がいいならばベッドでおつきあいさせてもらうが、そこはなりゆきにまかせよう。
 車で我が家までお連れ申し上げて、俺の部屋に入っていった。ポスターを見せると、ニーナさんはため息まじりに言った。
「綺麗じゃないの。女の子の顔は見えないけど、身体が綺麗よね。乾くんのこの目つきはセクシーだな。色っぽくはあるけど普通じゃない?」
「これはね」
「もっとすごいのもあるの?」
「あるらしいですよ。見たいですか」
「……どうなんだろ」
 そんな顔をして悩むのは、ここにいる男が乾だからでしょ? 俺がそう言うと、ニーナさんは少女みたいな表情になった。
「私はフォレストシンガーズがデビューしたころから知ってるわ。社長が売れない彼らについて嘆いたり、本橋くんはどうで、乾くんはこうで、って性格分析したりしていたのも聞いてた。彼らのうちの三人ほどに、同じエピソードをふくらませて嘘話にして混乱させたりもしたの。その主役は乾くんだったな」
「どんな話ですか」
「私が乾くんに恋してるって話」
「ほお、そうだったんだ」
「ほとんどジョークだったけど、私が若かったら、乾くんに恋していたかもよ」
「今だって似合わなくもありませんよ」
 そうよね、と真顔で言ってから、ニーナさんはぷっと吹いた。
「冗談はさておき、そうはいっても、私は彼らとは濃い交流関係なんてないから、よくは知らないのよ。彼らのマネージャーで、私のためにも働いてくれた、本橋くんの奥さんになってる美江子ちゃん。彼女のことすらよくは知らないんだから、乾くんとなるともっと知らないな」
「あいつを嫌う女性ってのもいるんですか」
「……いるかもね。あの性格は、嫌うひとには相当に嫌われるかもしれない。私は年上だし、大先輩だからって敬意を払ってくれてるけど、年下だったりするとかなり見下ろしてものを言うんだもの。男の子だとひっぱたいたりもするし、女の子にだってがんっと叱るし。あんな怖いひとは嫌い、って泣いてる男の子だとかも見たわよ」
「やっぱり人は、いろんな顔を持ってるんだな」
「そりゃそうよね」
「一杯、飲りますか」
 好きになったわけでもなくて、抱き合っただけにすぎない女が、嫌いだと言う男。それが本心なのかどうかも知らないが、乾隆也って奴の評判が種々あるのも当然なのだろう。俺のことだって、さまざまにほうぼうで噂されているのだろう。
 ワインを開けて乾杯し、ポスターの話をしていた。乾くんの目つきが素敵、などとニーナさんは言い、あの女の子は誰だろ、顔が見たい、と俺が言い、ニーナさんは俺の肩に頬を寄せた。
「あたしもあんな写真、撮ってみたいわ。桜田さん、お相手してくれる?」
「喜んで」
「桜田さんは乾くん以上にセクシーだろうけど、顔のない私の……なんて言われるんだろ」
「……この女性は桜田忠弘の母親か……いえ、嘘です……うっ、すみません。嘘です」
 黒と銀のネイルアートをほどこした爪が、俺の手の甲に食い込んできている。俺はその手を取って口づけた。
「ベッドに参りましょうか。あなたの肌を艶めかせてあげたいな」
「ええ。忠弘さん、愛してるわ」
「愛して下さってるんですか。ありがとう」
「愛してはいるけど、私は盛りをすぎた果物よ。熟れすぎ熟女でもいいの?」
 熟れすぎとはうまい言いようだ、笑いたいのをこらえて芝居をした。
「しかし、あなたには彼氏がいるんでしょう? やめなさい。俺に惚れるなんてやめなさい」
「……そうね……」
 しばし熱を帯びたまなざしで俺を見つめてから、ニーナさんはまたまたぷーっと吹き出した。
「さすがに役者だね。迫真の演技だわ。楽しかった。じゃあね」
「タクシーを呼びますよ」
「いいの。外に出てタクシーを捜しがてら、風に吹かれて酔いを醒ますわ。あなたとのひとときの恋の余韻も覚ましたいの」
「……ニーナさんも役者ができますね。近く共演したいですよ」
「そうね。オファーを待ってるわ」
 ふらふらっと出ていこうとするニーナさんの腰を抱き寄せて、俺は囁いた。
「いけません。タクシーが来るまでは俺の腕の中にいて」
 彼女とて有名人なのだし、夜も更けてきているのだから、力のありそうな身体つきをしているとはいえ、女性がひとりで外をうろついていてはいけない。ひったくりにでも遭ったら大事だし、レイプ魔だって絶対に目をつけないとも限らない。熟れすぎ気味の香りの熟女だって魅力的だ。
「あなたに男がいないんだったら、ベッドにさらっていきたかったけど、諦めるよ」
 囁いてみると、ニーナさんは少女のように赤くなってうつむいた。が、その肩が震えている。笑いをこらえているのにちがいなかった。


3・真次郎

 どこかから子供っぽい声が聞こえる。子供というか、少年の声だ。声の出所を探して歩いていってみると、小柄な少年がいて、春日弥生さんと向き合っていた。
「うるせえな、ばばあ」
「そらあたしはばばあやけどね、あんたは子供でしょうが」
「子供じゃねえよ」
「ったって、未成年でしょ。お酒なんか飲んだらあかんでしょ」
「缶チューハイなんか酒じゃねえっての。ばばあはうるせえんだよ」
 あらっ、本橋さんっ、と言いたげに、弥生さんが俺を見上げる。俺はガキの背後から歩み寄って、服の背中をつかみ上げてぶら下げた。
 昔、どこかでこんなことをした気がする。一度はアイドルの少年に……他にも近い行動はしているが、アイドル少年のサスペンダーをつかんで吊り上げたのを思い出す。こいつもアイドルだろうか。以前にはアイドルの頭や顔を叩いた。軽くだったのだが、そいつのマネージャーが血相を変えていたのだから、殴るのはやめよう。
「こら、生意気なガキが。この方をどなただと思ってるんだ」
「どなたかなんて知らないし、関係ねーよっ!!」
「関係なくないだろうが。酒を飲んで叱られて、ばばあだと?」
「まあまあ、本橋さん、そのへんでね」
 止められたので、ガキをフロアに降ろした。
 局の廊下の奥まったあたり、ビールやチューハイやソフトドリンクの自動販売機の置いてあるエリアだ。未成年だってここだったら酒も買える。こいつが何歳だかは知らないが、この前でチューハイを飲んでいる彼を見かけて、弥生さんが注意したのだろう。
 体格は章くらいか。整った顔も反抗的なところも、若いころの章に似ていなくもない。悔しそうに俺を睨み上げるそいつが何者なのか、弥生さんが話してくれた。
「アイドルシンガーのエイトくんっていうんやて。もうじきCDデビューするらしいから、ラジオ局に挨拶回りしてるんやそうよ。マネージャーさんはいたはらへんの?」
 ふんっという態度のエイトの顎をつかんで、弥生さんのほうを向かせた。
「いてえなっ!! やめろよっ!! てめえはなにものなんだよっ!!」
「痛いほどの力は入れてないだろ。この方はだな……」
「てめえは誰なんだよ」
「このお兄さんは……」
 弥生さんが言ってくれようとしたのだが、隙を窺っていたのか、エイトは彼女の話も聞かずに逃げ出した。追おうとするよりも早く、エイトの悲鳴が聞こえた。
「うわっ!!」
「声は聞こえてたよ。俺たちのリーダーがいるのかな。おや、本橋さん、奇遇ですな」
 ガキを肩にかついだ乾があらわれて、弥生さんと俺を見て片手を上げた。細い坊やなのだから当然ではあろうが、乾は力が強くなったのか。よろめきもせずに歩いてきて、弥生さんに一礼してからガキに向かって言った。
「おまえは彼女と彼とに叱られてたんじゃないのか。そういえばおまえ、酒の匂いがするぞ。仕事前なんじゃないのか。どうなんだ」
「知らねえよっ」
「反抗的な坊やだね。誰かを思い出すな。それはともかく、まずはごめんなさいをしろ。しないのか」
「しねえよっ」
「そうか。じゃあ、これだな」
 手を振り上げて、乾がにやりとする。エイトは悲鳴を上げた。
「やだっ。降ろしてよっ」
「ここにはもうひとり、怖いお兄さんがいるんだから、逃げようったって無駄だぞ」
 しっかり脅してから、乾はガキをどさっとフロアに降ろした。エイトは思い切りぶんむくれている。乾が彼の頭を押さえつけた。
「ごめんなさいと言え」
「……ごめんなさい」
「心がこもってないけど、弥生さん、これでいいですか」
「ええんやけどね」
 苦笑いの弥生さんが、俺の予測にほぼ沿った事情を話してくれた。ふてくされっぱなしのエイトは逃げたそうだったが、乾が横に立っているのだし、俺もいるのだから諦めた様子でいる。ふむふむと聞いていた乾が言った。
「エイト、おまえ、弥生さんになにか言っただろ?」
「ばばあって? だって、ばばあじゃん。うるせえな、ばばあ、って言ったよ」
 乾の眉がぴくっとし、エイトを抱え上げた。かなりの力を込めてエイトの尻をひっぱたいた乾を見て、俺は言った。
「そっか。俺もそうすりゃよかったな」
「なんてことを言うんだ。俺だってガキのころには実の祖母には言ったけど、言ったら張り飛ばされたぞ。もう一度あやまれってのも……」
「もうええよ。乾くん」
「弥生さんは体罰は反対ですか」
「お尻のひとつふたつやったらええけど、エイトくんは小さい子供でもないのに……」
「ガキ以下ですよ。めーっだぞ」
 小さな小さな子供を叱る調子で言って、乾はもう一発、エイトを叩いた。それからフロアに降ろす。泣いたら怒鳴りつけてやろうかと思ったのだが、泣きはせずに、エイトは三人の顔を見比べていた。
「弥生さんって……あの……」
「このお兄さんたちの話はしてなかったね。フォレストシンガーズの本橋さんと乾さん」
「あ、そうなんだ。あのさ、弥生さんって本橋さんや乾さんのお母さん?」
「それはないでしょ。私はそれほどの年でも……あるけど、お母さんとはちがうよ」
「だったらどうして、弥生さんをばばあって言ったら怒られるの?」
「大人の女性に対する礼儀を知らないからだ。わかってないんだったらもっと教えてやろうか」
 ガキが相手だと時にはずいぶんときびしい乾が、威厳さえもが漂う口調で言う。弥生さんが苦笑いして乾を制した。
「もうええからね。あんまり叩いたりしたらあかんよ。乾さんって、お父さんみたい。パパぁ、とかって、弥生ちゃん、甘えてもええ?」
「いえ、あの……」
 気性が幸生に似ているといえなくもない弥生さんは、こうして場を和ませようとしているのか。今度は乾が苦笑いになり、不思議そうに大人たちを見ていたエイトが、その乾に抱きついた。
「うん?」
「乾さんってかっこいい。好きになっていい?」
「俺はおまえを叩いたのにか?」
「……それは関係ないってか、関係なくないのか、僕にはわからないんだけど、この間……ジュンさんが言ってたよ」
 子供っぽくぎこちなく、訥々としたエイトの説明によると、彼は大城ジュンの所属事務所の後輩なのだそうだ。ジュンは麻田洋介とは顔なじみだったのだそうで、同じアイドル出身なのだから、親しくしていたのだろう。
 洋介が俺の弟子になったとジュンに話し、ジュンはその話を桜田忠弘さんにしていて、エイトが横で聞いていたらしい。
「ジュンさんは言うんだ。エイトもポンみたいに、フォレストシンガーズのひとたちに預けて鍛えてもらったらいいんだって。僕はそうされたいな。駄目?」
「そんなの。俺たちにだって勝手に決められないよ。それにさ、時間的に無理だろうな」
「そうしてほしいな」
「無理を言うんじゃないよ」
 所属事務所の思惑とか、俺たちの仕事とかもあるから、安易に言える問題ではない。俺はそもそもごめんこうむりたい。これこれこうで簡単にはできないと、乾はエイトに言い聞かせている。
 こんなガキと話していると、思い出す奴は何人もいる。乾も俺とは別の少年を思い出しているのか。学生時代の後輩、イベントで会ったアイドルグループの少年、麻田洋介、龍や雄心、社長の息子の数馬。消息も聞かなくなった奴も、身近にいる奴もいる。
 通りすがりの奴にだって、なにかしらあって乾が叱りつけたり、ひっぱたいたりした少年はいる。そうされた少年は、乾を大嫌いだと言ったり、心酔したりした。
 女の子には態度が異なる乾ではあるが、時には説教したりもしている。そうして乾に恋をした女もいるのか。エイトは乾に恋をしたのではないだろうが、兄貴のように慕ったのか。そういう男だって何人もいて、酒巻や幸生もそうなのだ。
 相手が年下の男だったら、頭に来るとぼかっとやってしまう俺とはちがって、乾は相手を叩くとしても深く考えてやっているからなのか。俺にはできない芸当だし、俺は俺だからいいのだし、ガキに慕われたくはないし、女に恋されても困るし。
 さきほどだって、俺が殴るのはやめようと決めたのに、乾がエイトをひっぱたいて、それで慕われている。彼と俺との差はいずこにあるのか。見た目の差も加味しているのだろうか。


 本日はラジオ番組「FSのトワイライトビートボックス」、乾隆也と本橋真次郎の夕べであった。ゲストは春日弥生さんで、楽しくトークさせていただいた。仕事が終わって、三人で飲みにいこうと相談がまとまって、タクシー乗り場へと歩いていった。
「乾さーん」
 だだだっと走ってきたのはエイトで、乾の腰に抱きついた。
「どこに行くの? 僕も連れてって」
「……酒の席なんだから、ガキは連れていけないんだ。帰りなさい」
「あたしもお酒は苦手やから、お酒の席でなくてもええんよ。カラオケにしよか」
「弥生さんはウーロン茶でつきあってくれるとおっしゃったじゃありませんか」
「そうやった?」
 年齢は知らないのだが、弥生さんは俺のおふくろと同年輩か、やや年上なのかもしれない。乾の母上は俺の母よりも若いので、とわ子さんよりは弥生さんのほうが年上だろう。そのお年であっても女は女。意地悪なところがあって、乾が困っているのを見て楽しんでいる。
 ひっぱたくぞ、離れろ、と乾に脅されても離れないエイトを見やって、弥生さんはくすくす笑っていたのだが、乾に助け舟を出してくれた。
「エイトくんのマネージャーさん? ここここ。来て」
 呼ばれて走ってきたのは若い男で、エイトを乾から引き剥がした。
「すみませんっ。エイトくん、行くよ」
「やだぁ」
「やだじゃないでしょ。えと、春日さん、本橋さん、乾さん、まことに申し訳ございません。私がエイトには懇々と言い聞かせておきますので、許してやって下さい」
 マネージャー氏はエイトを羽交い絞めにしてそう言い、頭を下げた。
「さきほどもエイトが春日さんに無礼な口をききましたのだそうで、それで乾さんに叱られて叩かれたと申しておりましたが、今後ともエイトには私の行き届きませんところを……」
「はーい、よろしくね」
 うるさくなってきたようで、弥生さんが軽く言って先に立っていく。乾と俺も弥生さんに続く。エイトはマネージャーに抱きすくめられてじたばたしていたようだが、彼は大柄だから、エイトにはふりほどけないであろう。安心してタクシーを止めた。
 弥生さんが案内してくれたのは、彼女の行きつけのバーの個室だった。酒を飲まない弥生さんがバーとは、不思議ではあったのだが、なぜここに俺たちを連れてきたのかといえば、このせいだったのだ。
「ほら、これ」
 店の従業員らしき女性が、弥生さんになにかを手渡す。丸めたものはポスターか。乾はイタッ! というような顔をし、俺は身を乗り出した。
「ここのオーナーさんは、映画関係者とのつきあいが深いそうなんよね。このポスターはたった一枚きりで、彼女だけが持ってるらしいんよ。乾さんはもちろん知ってるよね。私もはじめて見るんやけど、楽しみやわぁ」
「本橋にはばれちまったか。しかし、おまえ、彼女を知ってるか?」
 たった一度だけ、俺は「タブーNO.3」のレアポスターを目にしている。あのポスターには女の顔は写っていなかった。他にもあると聞いているポスターも、すべてが女の顔は秘されていると聞いている。幸生やヒデが見たものも、女の顔は見えなかったと言っていた。
「彼女なんですね、オーナーさんは。写真のスタッフと深い関係の方ですか。写真監督の奥さまだとか? 教えて下さらないんだったらいいんですが」
 が、ここで広げられたポスターには、女の顔が写っている。弥生さんに問いかけている乾の声を聞きながら、俺はポスターを食い入るように見た。
 鮮やかなブルーのシャツの前をはだけた乾が、その胸に女を抱いている。女は乾の顔を陶然と見上げている。この目が恋する女のまなざし以外のなんだというんだ、といった風情だが、女優だったらこんな顔は演技でできるのだろうか。
 淡いブルーの長いドレスを着た女は、男の腕に身をゆだねている。乾は顔を傾けて女になにごとか囁きかけているように見える。女の顔は鮮明ではないし、カメラ目線でもないのだが、見たことのある顔だ。誰だったか。有名な女優ではないようにも思えた。
「この女の子、佐田さんの姪っ子ちゃんやないの」
「弥生さんはごぞんじなんですか」
「お会いしたことはあるよ。乾さんはタブーNO.3に出演してるんでしょ。彼女も?」
「俺は出してもらってるんですけど、部外秘になってますので、まだ言えません。彼女も出てはいますが、マル秘ですので」
「そしたら聞けへんけど、彼女、乾さんを好きなんやね」
「芝居ですよ」
 佐田さんとは、ケーブルテレビのディレクターか。乾にニュースキャスターをやってほしいと言っていた中年男だ。彼の姪? そんな話も聞いたことはあるような。
「あ、あの女の子か」
 ようやく思い当たった。
 近頃はフォレストシンガーズは個別仕事が多くて、ある時刻に誰がどこでどんな仕事をしているのか、俺が掌握していない場合もある。俺は俺でクラシック系の仕事の打ち合わせをすませ、仕事の関係者たちとメシを食いにいった店に、乾と女の子がいた。
 小柄で若くて、くちびるが厚めのトランジスタグラマー。トランジスタグラマーと言ったら桜田さんに死語だと笑われたのだが、適切な形容ではないか。
 あのときは乾にも連れがいて、俺にもいたから声はかけなかった。ちらちらっと見ただけなので、乾と彼女がどんな関係なのかもわからなかったし、まして、ポスターの女の子とは結びつけもしなかった。けれど、思い出せば彼女の体型はポスターの女の子と合致する。
 今、俺の目の前にあるポスターの女の子も、トランジスタグラマーの色気のある美人だ。彼女は映画でも乾と共演したのか。恋仲になって結婚って話には……と俺が想像していると、弥生さんが乾に質問していた。
「千鶴ちゃんやったね。若いでしょ?」
「十九です」
「乾さんから見たらお嬢ちゃんやね」
「そうですよ。彼女から見たら俺は中年のオヤジでしょ」
「十九の女の子が大人の男性に憧れるってのは、よくある話よ」
「憧れてもらえるほどのかっこいいオヤジになりたいですね」
 口にはしないが、乾は最近、かっこよくなった気がする。乾は昔から着こなしがいいの、ソフィスティケートされているのと言われていて、メンズファッション雑誌のモデルのような仕事をしたこともあるのだ。
 その乾は、若いころよりも中年が近い現在のほうが、かっこよさを増しているように思える。美江子も言っていた。
「年を重ねてくると男のほうが得だよね。年を取って美しさが増していく女は少ないけど、男にはたまにいるじゃない? 渋さが加わるせいもあって、乾くんなんかはその典型よ」
「俺は?」
「本橋くんは若々しいから、渋さはまだかな」
 褒めてくれたのだと考えておいたものだが、乾の話なのだった。
 中年が近くなってきた三十代半ば。昭和の時代だったら三十代半ばの男は、社会的にもおっさんで、家庭では二、三人の子供を持つ父で、一家の大黒柱だったのだろう。うちの親父だってそうだったのだが、フォレストシンガーズではそうなっているのはシゲだけだ。
 重みや貫禄はないにせよ、年齢ゆえの渋みは加わってきているだろう。そこに加えて乾は、若い女の子に恋されて、男のセックスアピールや艶を加えてきているのでは? 男の子に慕われてもうらやましくはないが、女に恋をされているのは、うらやましくなくはない。
 俺は今さら女に恋をされても応えてやれないが、乾だったら応えられるではないか。十九とは若すぎるとはいえ、一年も待てば彼女は成人になる。佐田千鶴という名の彼女は、女優としては有名ではないのだろうが、雰囲気はある。俺にはなんと言えばいいのかは不明の、女優としての香りのようなものも漂わせていた。
「乾さんは彼女のことは?」
「妹のように可愛いですよ。俺はいつもの癖を出してますよ」
「癖?」
「説教癖です」
「ああ、そっか」
 ふたりして笑っている。千鶴って女の子も、乾に説教されて慕うようになったのか。俺には詳しい事情はさっぱりだが、女心ってものも結婚していてさえもさっぱりなのだから、どんなふうに彼女が乾を慕うようになったのだとしてもかまわない。
 映画で共演したり、ポスターでこんなふうに共演したりして、結婚する俳優カップルの話はよく聞く。乾と千鶴はそうなるのかもしれない。弥生さんがタクシーを呼んで先に帰っていってから、俺は言った。
「千鶴って子に会わせろよ」
「うん、近いうちに……みんなに紹介するよ。香川がさ……」
「香川って自主映画研究会の?」
 大学の後輩で、昨年にはフォレストシンガーズのアニメDVDを作った奴だ。最初に見せられた試作品は無用な色気過多だったので、美江子やみんなの意見も聞いて駄目出しをして、第一巻は完成している。香川がまたアニメを? と思ったら、そうではなかった。
「香川が実写の映画を撮りたいと言って、千鶴と俺を使いたいって言うんだ。俺は長時間拘束されたくないし、俺の仕事は歌だろ。そう言って断ったんだけど、短いものを試験的に撮りたいと言われて、千鶴にも乗せられたからやってみたんだよ。そいつが完成したら、みんなに見てもらいたいな」
「色っぽいやつか」
「みたいだね」
 他人ごとのように言っているが、乾はポスターでも色っぽいのは得意であるらしい。俺には乾の色気なんてかけらも感じ取れないのだが、弥生さんは言っていた、乾さんってセクシーやわぁ。
 そう言われたときの乾の面がにやけていたので、蹴飛ばしてやって蹴飛ばし返されて、やめなさいよ、子供やあるまいし、と弥生さんに叱られた。三十代半ばの男は中年に近くもあり、ガキっぽさも残していて、それで尋常なのだろう。
 乾の色っぽさなんかはどうでもいいというか、気持ち悪いのだが、短編映画で動いている千鶴だったら見たい。フォレストシンガーズの五人プラスヒデで見るのか。色っぽい映画なのであれば、美江子は連れていかないでおこう。

END
 
 
 
 




 

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~ Comment ~

こんばんは。今日はここを読ませて頂きました。

タブーのポスターが本当に目に浮かんでくるような
描写はすごいです。
乾さんの顔は自分で勝手に好きな顔を想像してもいいのでしょうか^^;

ミルキーちゃんも今回は今までの印象とはちょっと違ってきて、面白かったです。

美月さんへ

ありがとうございます。

乾くんって最初の設定では、全然顔はたいしたことなかったはずなんですよね。
だけど、彼を好きな女の子から見るとかっこいいってか……まあ、三十代になって渋い大人の魅力が出てきたと解釈してやって下さい。

顔はもう、美月さんのお好きに想像してやって下さいね。
forest singersカテに、去年描いていただいたフォレストシンガーズのイラストもありますが、見ていただけました?
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