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小説17(公園にてⅡ)

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フォレストシンガーズストーリィ・17

 「公園にてⅡ」

1

どうしたわけだかもの思いに耽っているシゲと、ふんふん鼻歌を歌っている幸生を交互に横目で見やりつつ、俺は空想を形にしようと努力していた。昔から数え切れないほどにやってきている公園である。
「突風が吹くんだな。ものすげえ勢いの風だ。華奢な女の子が歩いてて、その風に吹っ飛ばされる。俺はたまたま近くを歩いてて、両腕を広げて彼女を抱きとめる。彼女は俺の腕の中で俺を見上げて、ありがとう、って微笑む。俺も微笑み返して、いや、どういたしまして、お嬢さん、大丈夫ですか? ってさ、そこから恋がはじまる場合もあるんだ」
 先刻、俺がそう言ったら幸生に見抜かれた。
「なに、それ? リーダーの経験談ですか。ガラじゃないなぁ。乾さんじゃあるまいし」
 そうだ、乾の妄想だと認めたら、リーダーだとどんな妄想になるの? と幸生に聞き返され、頭を悩ませている真っ最中なのだった。幸生の鼻歌が本物の歌になっていきかけている。シゲは思いに浸っていて聞いていないようだが、俺には聞こえる。妨害電波のごとく耳障りだった。
「おまえがうるさいから、頭に浮かんだ空想が形になりつつあるってのに、がっちゃーん、とぱかりに粉々になって破片と化して消えてしまうんだよ。おまえはいっときでも黙ってられないのか、幸生」
「はい、黙っていられません」
「……知ってるけどな。うん、こんなのはどうだ?」
「なになに?」
 ガラのよくない男にからまれてる美人を……と言いかけると、幸生はちっちっ舌を鳴らして指を振った。
「そこにもっとガラの悪い男があらわれたら、美人は警察に通報しますよ」
「もっとガラの悪い男ってのは誰だ」
「知ってるくせにぃ。リーダーの頭ってそっち方向にしか回らないんですか。乾さんのも月並みと言えなくもないけど、リーダーのパターンよりはましです。そういう事態が起きたとしたら、リーダーが彼女を助けようと大奮戦して、悪党どもをばったばったとなぎ倒す。そのうち喧嘩に熱が入ってきて、美人はそっちのけになってしまう。気づいたら悪党どももリーダーも一網打尽にされて、気がついたらブタ箱の中ってオチだったりして」
 わははーっ、と笑う幸生の声も耳に入っていない様子で、シゲは考え込んでいる。なにを考えてるんだ、こいつは? と凝視してもシゲは顔を上げない。俺はベンチから立ち上がった。
「おっと、タンマ。俺はリーダーといっしょに逮捕されたくないよ」
「おまえは大人になってから……っつうか、大人だとは思えないが、二十歳はすぎてるんだから成人男子ではあるわけだな、おまえも」
「はい、成人です。俺は大人の男です」
「成人男子である以上は……よし、教えてやる」
「なにを? 頭の中で恋愛話のひとつも作り上げられないようじゃ、作詞もできませんよ。いやだなぁ、リーダーってば。目が怖い。なにを教えてやるって言ってんのかわかってきたよ。いりませんから」
 二十二歳にもなって犬っころみたいな顔しやがって、俺に説教するとは片腹痛いってんだよ。作詞を持ち出されるといっそう痛いではないか。一歩引きそうになったのをもちこたえて、俺は言った。
「俺のガラじゃねえんだろうが。俺はガラが悪いんだろうが。そんな俺にふさわしいのはこっちだ。幸生、教えてやるからかかってこい」
「いりませんってば。リーダーに喧嘩作法を教えてもらったりしたら、俺は明日、足腰立たなくなりますよ」
「つべこべ言ってんじゃない。おまえだって夜中にデートしたりするんだろ。おまえは酒巻ほど弱々しい男じゃないだろ。彼女といるときに変な奴にからまれたら泣くのか、おまえは」
「泣きはしないつもりですけど、なんでそこで酒巻が出てくるの? 章じゃなくて?」
「酒巻は章以下だからだ」
 言えてるかも、と呟いてから、幸生は記憶をたどるように言った。
「酒巻かぁ。俺よりひとつ年下の合唱部の後輩ですよね。あの美江子さんがなにを血迷ったのか、あんなガキとつきあってたんですよね。俺は耳を疑いましたよ。んでね、いつだったかな、俺、口走っちゃって乾さんに猛烈に怒られたんです」
「乾に?」
 デビュー前から章は乾にたびたび怒られていた。俺も章を怒鳴りつけたりはよくしたし、殴ったこともあるのだが、幸生はそんな場を和ませる役目で、乾が幸生に怒ったとは初耳だった。
「なにを口走ったんだ?」
「酒巻って男として機能するのかなぁ、って……失言でした。美江子さんもいる場所でだったから、美江子さんの目がこうなって……わかるでしょ?」
「わかる」
 幸生の目は山田美江子の半分程度の迫力しかたたえていなかったが、山田がどんな目をしたのかは想像がついた。
「憤懣やるかたないっての? 怖かったぁ。美江子さんに殴られるんじゃないかって思いましたよ。後悔先に立たずってやつで、言っちまったんだから、殴られてもしようがないかぁ、ってね。まだしも美江子さんに殴られたほうがよかったよ。なんたって美江子さんのほうが、乾さんより力は弱いだろうし……」
「乾に殴られたのか?」
「そ。目から火花が飛び散って、たちまち眩暈でくらくら、メシも食えず、ってあれ?」
 後半は「スモーキンブギ」のワンフレーズであるが、言うと脱線しそうなので、俺はつっこんだ。
「ビンタを食ったってのか、乾に?」
「そうですよ。あの乾さんの平素はほがらかな高い声が、地を這う低い響きになって、なんてことを言うんだ、おまえは、ミエちゃんにあやまれ!! ってね。泣きそうになりました」
「本当か、それは」
 大げさに言ってんじゃないのか、と俺は思ったのだが、幸生は生真面目に続けた。
「本当ですよ。だから俺、土下座したんだもん。美江子さんのほうがびっくりしちゃって、乾くん、そんなに怒らなくてもいいでしょ、幸生くんのほっぺが真っ赤になっちゃって、かわいそうにねぇ……って、俺を抱き寄せてキスしてくれたりなんかして」
「幸生……」
「妬いてます?」
「なんで俺が妬くんだっ」
「怒ってる。なんで俺は知らないんだ? でしょ? 美江子さんから聞いてないでしょ?」
「聞いてない」
「当然じゃん。俺の即興による作り話です」
 だろうとは思ったのだが、がっくりした。
「ね、リーダー、このくらいは即座に作れなくちゃ……とととと、タンマってばぁ」
「この野郎、驚かせるな。幸生、覚悟はいいんだろうな」
「わーん、やだよぉ」
 じりじりとあとずさりしている幸生は、小声で言った。
「半分くらいは実話なんですよ。男として機能……とまで言いかけたら、乾さんに口を押さえられて、そこで黙ったんです。その実話をアレンジしたんですよ。美江子さんにキスなんかしてもらってませんから、リーダー、怒らないで」
「そんなことはどうでもいいんだ。だからつまり、おまえは酒巻ほど弱っちい男じゃないだろ。だからだな……」
「あら、シゲさんが正気に戻った?」
 身構えている俺と、逃げようとしている幸生を、シゲがほげっと見ていた。俺はいささか焦って言った。
「だからな、喧嘩ってものはだな……」
 作詞はやるけれど、俺の場合は即興が効かない。長時間かけて練り上げないと詞は書けない。曲も作れない。乾に対抗して恋愛ストーリイをこしらえてみようとしたものの、やはり俺には無理だった。だから俺は俺らしく、幸生に喧嘩のやり方を教えてやろうとしたのに、幸生とシゲのふたりがかりでごまかされてしまった。
 腕相撲だの遊びのキックボクシングだの相撲だのならシゲとは勝負できる。だが、喧嘩の実演を幸生に見せてやろうとそそのかしても乗ってこなかった。幸生なんかははなはだ歯ごたえもないだろうが、シゲとなら面白かったであろうに、残念だ。無理強いはよくないので俺も諦めた。
 なんで本橋さんは喧嘩なんか好きなんですか? シゲは素朴な顔をして尋ね、そんなことより、本橋さんの恋愛空想はどうなったんですか、と蒸し返し、忘れさせようと思ったのに再び、俺は頭を悩ます羽目になった。
 実話をアレンジしたと幸生は言っていた。あやうくだまされるところだった。俺も実話をアレンジして話そうか。最近、恋人と呼んでもいい女ができたのだが、上手にアレンジなんかできっこない。ルミと俺の仲のきっかけはなんだったっけ? と考えていると、またもや幸生の声に妨害された。
「シーゲさん、デュエットしようよ」
 こいつの声は俺の思考の邪魔をする。声も発想もふるまいも奇矯だし、乾とはちがったふうにねじくれているので、俺はじきに匙を投げたくなる。どうにか言い返したら疲れる。幸生とやり合うと心底疲れるので、今も幸生を止めるのも、恋愛話を練るのも匙を投げて、幸生とシゲのやりとりを聞いていた。
「本橋さんは一生懸命に恋愛のきっかけストーリィを練ってるんだよね。乾さんほどそのたぐいの空想力はないみたいだから、大変なんでしょ。その間に俺とデュエットしようよ。シゲさんの大好きな歌はなに?」
「歌はなんでも好きだよ。おまえとデュエットすんのか……そうだな。童謡なんか歌ってみようか?」
「童謡なんかつまんないよ。ダンスミュージックがいい。シゲさん、踊ろうよ」
「……踊る? 勘弁してくれ」
「マイケル・ジャクソンのナンバーを歌って踊ろう。いい? 行くよ」
「踊るのはおまえがやれ」
 英語が苦手の幸生は、マイケル・ジャクソンの「スリラー」にちゃらんぽらんな日本語の歌詞をつけて歌い出した。俺はもと歌を口ずさみ、幸生はブレイクダンスをやっている。シゲはぼーっと見ていた。
「なに、あれ? 馬鹿みたーい」
 きゃはははっ、と女の子の笑い声がして、男の声も聞こえてきた。
「こんな時間に男三人で公園でダンスしてるなんて、寂しい奴らだな。おまえは近づくなよ」
「そうだよね。踊ってる子、猿みたい」
 猿? と幸生がしょぼくれてみせた。猿か、犬よりも似つかわしい。
「僕は子じゃありませんよぉ。僕らは寂しい男でもありませんよぉ。シゲさんもなんとか言ってよ」
「おまえは子じゃなくて猿なのか」
「シゲさんまで……ひどいわっ」
 男女の笑い声が消えると、公園が静まった。帰ろうか、と立ち上がると、笑われてまでやってらんないよ、と幸生も賛成したものだから、結局、俺は恋愛話をしないですんで安堵したのだった。


 先日、社長から紹介されたグループがいる。我々フォレストシンガーズもデビュー間もない新人だが、彼らも同様だ。ただいま、うちのプロダクションでは社長が新人発掘に力を入れているらしい。
「きみらよりすこし早くデビューしたフォレストシンガーズだよ。仲良くやってくれ」
 男がふたり、女がふたりのロックバンドであろうか。彼らのグループ名は「ジャパンダックス」という。ロックバンドだと知って章が興味を持って聴いてみたのだそうだが、あんなのロックじゃないよ、と言っていた。章の認識ではロックとは「ハードロック」をさすのだし、俺はまだ彼らの音楽を聴いていないので、なんともコメントのしようはない。その男女グループは、社長の台詞を聞いてひそひそ話しをしていた。
「リーダーの本橋、乾、本庄、三沢、木村だ。こっちは本名は名乗ってないんだよ。昨今の流行りなのかね。右からルッチ、ターコ、シブ、ゴン」
 背丈は四人が同じくらいで、ルッチとターコが女。まあまあのルックスをしている。シブとゴンが男。シブは相当な肥満体で、ゴンもシブほどではないにしろ太っている。シブとゴンとは、名前に似合った体格だと思えた。まあ、男どもは女の子たちの引き立て役なのだろう。
「フォレストシンガーズ? まただっさい名前だね」
 初対面だというのに、俺たちはきちんと挨拶もしたというのに、顎で返事をするような態度だったそいつらのうちの、シブがせせら笑うように言った。
「なんだってそんな名前?」
「ほっとけ。おまえらのジャパンダックスだって……」
 北京ダックのもじりか、他人のグループ名を笑える義理か、おまえらはお笑い芸人グループかよ、と言いそうになったところに、乾が割って入ってきた。
「仲良くやれって社長もおっしゃってるよ、リーダー。喧嘩腰はやめようね」
「そんならおまえが喋れ」
「仰せの通りに致しましょう。きみたちは俺たちと同年輩だよね。音楽のジャンルはちがうけど、新人同士、切磋琢磨してがんばりましょう」
「せっさたくまってなに? 変な奴」
 ルッチが言い、四人してけらけら笑う。俺はまたしても腹が立ったのだが、乾が目配せしている。おまえはなるべく黙ってろ、と言いたいらしいので、俺は他の三人に言った。
「話はおまえがしておいてくれ。シゲ、幸生、章、出よう」
 あとは乾にまかせて出ていく俺たちを、社長が見ていた。本橋とこいつらは合いそうにないか、と社長の口が動き、その通り、と俺がうなずくと、社長は苦笑いして首を振っていた。事務所の外に出ると、幸生が俺の顔を覗き込んだ。
「なんとなくこう、あいつらって感じよくないですよね。のっけからああだもんね」
「あいつらの対処は乾と幸生に一任する。俺は関わりたくない。あいつらは不愉快だ」
「乾さんと俺だったら、一任じゃなくて二任」
「一でも二でもいいんだよ。いちいちやかましいんだ」
「シャレ?」
「うるせえって言ってんだろ。黙れ」
「じゃあ、ジャパンダックスと喋るときも黙ってますよ」
「……黙ってられるんだったら黙ってろ」
 うーん、できるだろうか、と幸生は悩んでいる。事務所の中を覗いてみると、乾はジャパンダックスの連中と話していた。声までは聞こえないが、さしもの乾も機嫌がよくないと見える。なんの話をしているのか、むこうが嘲笑的な態度を崩さないのだから無理もない。社長も外に出てきて言った。
「あれはどうもな、木村の同類ってのか、反逆精神こそロックだ、ってのか、木村?」
「あんなのはロックじゃありません。あいつらの音楽がロックだなんて言ったら、世に出られないアマチュアロッカーたちが泣きますよ」
「そういうものか。木村は彼らの歌を聴いたのか」
「聴きましたよ。なーにがロックだよ。ロックだなんてちゃんちゃらおかしいってんだよ。なにがロックだ。あんなののなにがロックだーっ」
 おーい、章、鎮まれ、鎮まれぇ、と幸生が言っているのを無視して、章は怒っていた。
「ロックってのはね……俺の考えるロックってのはあんなんじゃないんです。あんなのはポップスですよ」
「ポップスよりロックのほうが上等なのか」
 社長に問われて、章はうつむいた。
「そうは言いませんけど……いいです。俺もあんな奴らとは関わりたくない。リーダーはあいつらが嫌いですよね。シゲさんはもともと話すのは得意じゃないし、人当たりのいい乾さんと幸生にまかせるってのは俺も賛成ですよ。そっか、人当たりがいい……ね。乾さんはよその奴らにだとそうだよな」
「章、なにをぶつくさ言ってんの? よその奴らっていうか、どうでもいい奴にはああなんだよ、乾さんは」
「幸生、なにが言いたいんだ?」
「つまりそういうこと」
「……つまりこういうことだろ」
 ほとんど口をきいていなかったシゲが発言した。
「あいつらとは表面だけのつきあいでいいけど、おまえは乾さんの……」
「可愛い後輩だからね。つまり、可愛がってもらってるってわけだよ。章ちゃん、よかったね」
「よくねえよ」
 なにか言いかけたシゲの言葉を横取りして、幸生は納得している。乾となにかあったのか、章は納得していないようで、社長には話がよく見えていないようで、まあまあ、とにかく仲良くしてくれよ、などと言っている。そうしていると乾も事務所から出てきた。
「お待たせ。行こうか」
「あいつらとなにを話してたんだ?」
「別に……いや、しかし、笑えるな」
 なんの話をしてたんだ、と重ねて尋ねると、乾はくっくと笑いながら言った。
「歌を歌ってるだけって楽でいいよなぁ、我々は楽器も演奏しなくちゃいけないんだから大変なんだぜ、だってさ。あげくの果ては、ルックスもよくないとこの世界は売れないよな、とも言ってたよ。おまえらの心配してんのか、って訊き返したかったんだけど、まあ、そうだろうね、と答えた。そしたら……どうやら俺たちの心配をしてくれていたらしい。ありがたい話だね。よそのグループのルックスの心配してる暇があったら……大人げないけど言いたい」
 一拍置いて乾は言った。
「女の子たちはともかく、そこの男ふたり、てめえらにだけは俺たちの顔や姿について言及されたくねえんだよ」
 まったくだ、大賛成、おおいに同感、乾、もっと言え、ってなものだったのだが、まあまあ、まあまあ、と社長が困惑顔をしているので、とりあえずそれ以上言うのはやめておいた。乾のこの、乾らしからぬ台詞がすべてを物語ってくれているのだから、俺たちが付け加える言葉などない。幸生もなにも言わず、うんうんとうなずいていた。


2

 オフィス・ヤマザキ。社長の姓をつけたなんの変哲もない名であるから、その名を聞いただけではなんの会社かもわからないだろう。我々の所属プロダクションである。
 ちっぽけな事務所なのでミュージシャンの数も少ない。その中でもっともスターなのは、杉内ニーナだ。ベテランソウルシンガーの彼女は、全国でのライヴをメインとして活動している。したがって一般的知名度は高くないのだが、熱狂的ファンがついているのだ。ニーナを筆頭にうちは実力派シンガーをそろえてるんだ、と社長はいばって言っていた。
「だからな、私は儲けは度外視してるんだよ。実力はあっても知名度が低い。そんなシンガーたちの力になろうと日夜努力しているんだ。その努力が実を結び、このたび、オフィス・ヤマザキ主催のコンサートを開催することとなった。本橋、きみらの本格的初ステージだぞ」
 恩着せがましく言う社長に、五人そろって深々と頭を下げた。なーにが儲けは度外視だよ、ってなものではあるのだが、初ステージと聞いて仲間たちの目も輝いていた。
 中心となるのはニーナさんである。新人のフォレストシンガーズとジャパンダックスは前座といった形で、それぞれの持ち歌、及びコラボ曲を歌う。初ステージはきわめて喜ばしいけれど、あいつらとコラボだって? 目の前が暗くなってきそうなのだが、そんなことを言っている場合ではない。
「あいつらとは関わりたくないと俺は言ったけど……」
 社長の激励の言葉を神妙に聞いてから、俺は仲間たちを呼び集めた。
「そうも言ってられなくなったな。一曲だけの辛抱だ。耐えてつとめよう」
「俺の視界がぼやけてきそうだ」
「乾さんが司会をやるんですか」
「幸生、黙ってろ」
 くちばしを突っ込んできた幸生の頭をぐいっと押しのけて、乾が言った。
「社長だっておまえの気性も、あいつらとは合わないってのもよくよく承知してるだろうに、まあ、しかし、やるしかないんだな。本橋、切れるなよ」
「切れない、まかせとけ」
 どうだか、といった疑惑のまなざしで俺を見た乾の危惧は、ジャパンダックスとの打ち合わせしょっぱなから的中した。まずはコラボ曲になにを選ぶかで衝突したのだった。
「有名な曲のコピーなんかやってらんないよ。あたしたちのオリジナルにしようよ」
 口火はターコが切り、彼らは賛成した。俺がぐぐっと衝動を抑えていると、乾が言った。
「きみたちと俺たちは平等の立場だよ。きみたちに従うのは簡単だけど、それでは承服できないな。二曲やれるんだったらきみたちと俺たちのオリジナルを一曲ずつで決まりだろうけど、一曲だけなんだ。オリジナルは自分たちのまかせられたステージでやることにして、コラボ曲はどちらのオリジナルでもない曲がいいと思う」
「そんなのやだね」
 ターコが言った。
「だいたいからしてさ、あたしたちはあんたらとなんかやりたくないんだよ。社長命令だからしようがないけど、なんであんたらみたいなもっさりしたのとやらなきゃいけないの? あんたらってコーラスグループなんだろ? あたしたちはロックなの。全然ちがうじゃん。あたしたちの演奏であんたらが歌うみたいな? そんなのあつかましい」
 そうだそうだ、とルッチも言った。
「ロックがこわれちゃうよ。なんの音楽だかわかんなくなっちゃうよ。あたしたちはかっこよく決めてんのに、あんたらが入ってきたら台無しだもんね。雰囲気がいきなりださくなるよ」
「だからせめて、俺たちのオリジナルってわけね。妥協案だよ。それでいいじゃん、乾?」
 したり顔でシブが言い、俺はひたすら無言でいた。なにか言うと噴火しそうなのは必定だ。乾にまかせよう。
「フォレストシンガーズって名前からしてださいんだよね。まるっきり今ふうじゃないんだから。若いのになんで、おじさんでも歌えるような歌を歌ってるの? 若者はロックだよ」
「ターコ、タコ」
 怒らないように俺は黙っているというのに、章がかりかりした表情で言った。ターコ、タコ? とターコの眉が吊り上がり、章を睨み返した。
「なんだよ、あんた、文句あんの?」
「ターコってタコを引き伸ばした名前か。タコらしい台詞だな」
「なんだって?」
「なにがロックだよ。ちゃらちゃらしたアイドルポップスじゃないか。ロックはポップスより上だと言うつもりは俺にもないけど、そんなら俺たちを見下げるな。おまえらのどこがかっこいいんだ。俺たちのどこがイモでださいんだ」
「章、落ち着いてね。イモだとまでは言ってないよ、彼女も」
「じゃかましいんだよ、幸生は。イモでももっさりでも同じだ。おまえらの演奏なんかなぁ……」
「ストップ、章」
 乾が両手を広げて章を止めた。
「おまえの気持ちはわかるけど、それ以上言うな。あとでおまえの心情は聞いてやる。俺たちは彼らと仕事をしないといけないんだ。最初から喧嘩をしてどうする。リーダーを見習え」
 わかっているらしい、俺が必死で我慢しているのを。章は乾と俺を見比べて、わかりました、と呟いた。さてと、と乾はターコに向き直った。
「後輩の失礼な言動は俺から詫びさせてもらいます。すみません」
「……後輩? あんたらってそういうところもださいんだよね。ね、ゴン、あんたもなんか言いなよ」
「こいつらは俺たちとはちがう世界に生きてんだよ。価値観がちがうっての? いいじゃん。今回だけなんだし、そのうちには俺たちは売れて、こいつらなんか消えてくって」
「そうだね、お情けでやってやる?」
「……取り消してもらおうか」
 いつになく口数の少なめだった幸生が目を見張り、乾を見つめた。シゲが無口なのは毎度のことだが、あるいは俺と同様、口をきくと怒りが噴出しそうで黙っていたのかもしれない。章も俺も乾を見つめた。乾の細めた目に鋭い光がかすめた。
「お情けだ? 俺たちはきみたちにそんなふうに言われる筋合いはない。きみらがたとえはるか雲の上にいる存在の大スターだったとしても、お情けと言われてへらへらはしてられないんだよ。どちらが売れて、どちらが消えていくかは現段階では不明だけど、俺たちの気持ちはきみたちと同じだ。いつか成功する。いつかは売れる。同じ志を持つ者を貶めて楽しいのか」
 口調は静かだったが、乾の目の中には青い炎が見えていた。ジャパンダックスの面々は一瞬たじろぎ、全員で顔を見合わせてから、ルッチが言った。
「ジョークじゃん。そんなんでマジに怒るからださいって言われるんだよ」
「ジョークですか。まあいいでしょう。怒ったつもりはなかったけど、俺も未熟者でね、未熟者同士仲良くやろう」
「しようがないよね。社長がやれって言うんだもん」
 ターコも言い、しょうがねえ、しようがねえ、と男ふたりも口をそろえた。そのあとも彼らの冷笑的態度は変わらなかったのだが、多少は歩み寄りを見せた。話し合いの結果、コラボ曲はビートルズと決定した。「イエローサブマリン」だ。
 ジャパンダックスはターコがドラム、ルッチがベース、ゴンがギター、シブがキーボードという編成である。ヴォーカリストは特定されていず、曲によって誰かがソロを取ったり、コーラスで歌ったりする。うちは実力者をそろえていると社長が標榜するだけあって、歌も演奏もそれなりのものだった。
 とにもかくにもコラボ曲も決まり、ともに練習もした。我々自身の練習にも力が入って、明日は本番という日、俺は現在の彼女、ルミに電話をかけた。
「ごめんな、このところ忙しくて会えなくて」
「忙しいのはいいことだよね。明日のライヴ、楽しみだな」
「俺らはちょっとしか出ないんだよ。最初はジャパンダックス。あいつらのステージが終わったら、フォレストシンガーズとジャパンダックスとのコラボ。そのあとが俺たち。あとはステージのラストに全員集合して、このライヴのためにニーナさんが作った歌をみんなで歌う。そんな感じだな」
 友達といっしょに行くからね、と言っていたルミには、チケットを二枚プレゼントしていた。ルミは俺のアパート近くの、CDショップにつとめている。半年ほど前に彼女がCDショップの店員として働き出したころに、俺は彼女に目を留めた。
「この店の正社員?」
 レジにいた彼女に、俺はCDを買うついでのふりをして声をかけた。
「最近だよね、見かけるようになったのは」
「はい、この春に高校を卒業して、ここに就職したんです」
 すると十八か。俺より六つも年下だ。年下すぎるかもな、とは思ったのだが、十八と二十四ならつきあってもおかしくはないだろう。もとから足しげく通っていたショップなので、それからもちょくちょく行っても不自然ではないはずだ。熱心に仕事をしている彼女も、客や店の仲間と笑っている彼女も魅力的だった。
 待ち伏せしたわけではないのだが、何度か顔を合わせてすこしは話もするようになったころに、仕事帰りの彼女と街角で出会った。こんなチャンスを逃す手はない。俺は彼女をお茶に誘った。彼女はためらいがちにうなずき、コーヒーショップで向き合った。俺より十センチほど低いだろうか。女としては長身のスタイルに、あどけない笑顔が愛らしい。
「えーと、本橋真次郎です」
 名乗ると、彼女もルミです、と名乗った。
「ルミちゃんか。俺はまだなにをやってるか話してなかったよね。シンガーの卵なんだ」
「卵?」
「デビューのあてはないんだけど、近くコンテストがある。そのときにはきっと……」
「そうなんですね。本橋さん、がんばって」
「きみが俺のそばにいてくれたら、もっともっとがんばれるんだけどな」
「え?」
 恥じらいと戸惑いの浮かんだ表情が、たまらなく可愛かった。そのときには返事はくれなかったのだが、自宅の電話番号を教えてくれた。ルミは地元の出身で、親元で暮らしている。独り暮らしの女の子のように気軽に電話はしにくいのだが、それでも何度か電話をかけて二度目のデートにこぎつけた。そのときにはフォレストシンガーズのメジャーデビューが決まっていて、俺は勇んで報告した。
「そうなんだ。おめでとうございます」
「ありがとう。こないだの、考えてくれた?」
「……私なんか、プロの歌手になろうっていう本橋さんとは……私は高卒だし」
「学歴なんかなんの関係もないだろ。俺はきみ自身が好きなんだよ。だからつきあってほしいんだ。海のものとも山のものともつかない俺だけど、きみが俺とつきあってくれたら、俺はいっそう張り切るよ。きみのためにも成功してみせる。ルミちゃん、俺の彼女になってくれ」
「私でいいの?」
「きみがいいんだ」
 こっくりした彼女の手を握り締めて、ありがとう、と再び言った。
 あれから俺の自由時間が減って、ルミとデートする機会も減っている。忙しいのはいいことだよね、と言ってくれる彼女に感謝していた。
「ジャパンダックスって奴らがさ……」
 コラボ曲の打ち合わせの際のいきさつを話すと、ルミは明るい声で笑った。
「ロッカーってああいうもんかね。章もいつでも反抗的だけど、あいつらは常識もなんにもないんだ。章の奴が真っ先に切れて、あとで俺たちみんなで話したときには、あいつ、泣きかけてたよ」
 すみません、とうなだれている章の肩を叩いた乾に、章はすがりつくように言ったのだった。
「俺は乾さんみたいにうまく言えなかったけど、胸の中に真っ黒な雲がむくむく湧き上がってきて、黙ってなんかいられなくなったんです。なんだってあんな奴らにああまで……幸生、おまえはよくも黙ってられたよな」
「あいつらに言われる筋合いはないけど、俺ら、ド新人だもんね。今後もああいう罵詈讒謗を浴びる恐れは少なからずあるわけ。そう思って今後の訓練してたんだ」
「大物だな、おまえは」
 シゲも言った。
「俺は本橋さんが怒り出すんじゃないかと気が気じゃありませんでしたよ。乾さんも怒ってたみたいだけど、さすがですね。うまくおさめてくれたもんです」
「乾にまかせて正解だったな」
 そんな話をしてから、俺はルミに言った。
「これでも俺はリーダーなんだけど、怒りっぽいってのは社会人失格だもんな。これからも……罵詈讒謗かぁ、忍耐力も鍛えなくちゃな」
 怒りやすさをなだめる薬ってのはないもんか? と尋ねると、漢方薬でも飲んでみる? と言って、ルミも真面目に考え込んでいた。


かつてコンテストで緊張しすぎて失敗した経験が幾度かある。はじめてのライヴで失敗してはいけないと思うと、よけいに失敗しそうで胸がどきついていた。アマチュア時代にもステージには立ったけれど、プロのシンガーズとしてのライヴは正真正銘の初体験だ。トップに出たジャパンダックスは度胸はあるようで、肥満体のシブは愛嬌があるといえなくもないルックスと軽妙なMCで、観客を笑わせていた。
「では、次の曲はビートルズをやります。イエローサブマリンでーす」
 おい、こら、なにか忘れてないか? 曲紹介の前に紹介すべき俺たちがいるだろ? 僕たちと同時期にデビューした、フォレストシンガーズでーす、とやる予定じゃないのか。俺たちはしばし立ちすくんでいたのだが、曲がはじまってしまった。俺はえ? え? という顔をしている仲間たちを促して、ステージに出ていった。
「なに、あんたら? 邪魔だよ。引っ込んでな」
 露骨にいやな顔をしてルッチが言い、ターコも言った。
「あんたら誰? どこから来たの? インディズのひとたち? なにしに来たの?」
「はいはい、部外者は引っ込んでてね」
 てめえら、こういうつもりだったのか。当初の予定をぶっこわしてまで、俺たちを部外者扱いするつもりなのか。俺は思わず手を出し、にやにやしているシブの胸倉をつかみ上げようとした。
「おいたはそのへんでね、シブくん」
 言いながら、横合いから伸びてきた乾の手が、俺の手をやんわり押し留めた。乾はあくまでもにこやかな微笑みをたたえていて、俺もはっと気づいて客席に向かって言った。
「はじめまして、みなさま。フォレストシンガーズです。なにやら手違いがあった模様ですが、改めまして「イエローサブマリン」です。お聴き下さい」
「ジャパンダックスのみなさん、準備OK?」
 幸生も常のままの軽い調子で言い、ジャパンダックスの面々も渋々といったふうにうなずいて、演奏がはじまった。が、事前の打ち合わせとキーがちがう。やけに低い。演奏はジャパンダックスがメイン、歌は我々がメインと決まっていたから、いやがらせに出たのだろうか。章のハイトーンヴォイスで歌い出す予定が、章の声がうまく演奏に乗らなかった。すると、ターコがドラムを叩く手を止めて、スティックを空中回転させた。
「どうしたのぉ? 下手くそだねぇ」
「やってらんないね。あんたら、素人?」
「ここはプロのミュージシャンが立つステージだよ。出だしからつまずいてちゃどうしようもないじゃん」
「出直してくる?」
 口々に言う奴らを、章がくちびるを噛んで睨みつけている。客席がざわめいている。ジャパンダックスはせせら笑っている。章が今にもわめき出しそうに感じられて、むしろ俺の気持ちが冷静になった。
「すみません。僕らは初のステージなもので、かなり上がってます。みっともないところをお見せしてしまいました。平にご容赦を……」
 五人そろって客席に頭を下げると、俺のうしろに立っているゴンが舌打ちした。俺は目で章に言った。キーが高くても低くても、合わせて歌え。おまえがちゃんと歌い出したら、俺たちはおまえの歌に合わせる。いやがらせなんかに負けるな。おまえの歌はそんなレベルじゃない。章、頼む。
 章がこくっとうなずき、マイクを持ち直した。乾がシゲと幸生にうなずきかけている。以心伝心が通じたと信じよう。じゃあ、テイク2ね、今度はまちがえるなよ、と憎々しくも言ったシブが、ジャパンダックスの面々に合図した。再びはじまった前奏はやたらにキーが高かったのだが、これなら章は大丈夫だ。章は低い声は出しづらい声質をしているのだが、高いほうなら果てもない。上限もないと俺には思える。事実、章はなめらかに超ハイトーンヴォイスを喉からほとばしらせた。
 二度も失敗したら、実際に引っ込まなくてはならないところだった。聴衆にもこの一幕の意味のわかるひとはいるだろうが、普通はフォレストシンガーズが失敗したのだと思い込む。大恥をかかせるつもりのいやがらせ……おまえたちはそこまで下劣な奴らだったのか、とは思っていたが、とにもかくにもコラボ曲は成功した。
 そこで挨拶をして、ジャパンダックスが引っ込む。あとはフォレストシンガーズのステージとなるはずだった。なのに、奴らはステージから立ち去らない。
「フォレストシンガーズの歌はなに? 演奏してあげるから歌いなよ」
「あんたらだけじゃ見てらんないからね。手伝ってあげる」
 ルッチとターコが言ってくすくす笑っている。シブとゴンも下卑た笑みを浮かべている。俺はキーボードのシブに歩み寄った。
「ご協力に感謝したいところだけど、俺たちの歌はア・カペラなんだよ。伴奏はいらない。ご苦労さん、俺たちの歌をゆっくり聴いてくれ」
「……耳が腐ったらどうしてくれんの?」
「いつまでもぐだぐだ言ってんじゃねえんだよ。引っ込め」
 うっ、と乾が呻いたのが聞こえたのだが、俺はシブの耳元で言い、客席には見えないのを確認してから、奴の太い脚を蹴飛ばした。
「これ以上俺を怒らせると……どうなっても知らねえぞ。とっとと全員引っ込め」
 顔はにこやかに、声に最大限の恫喝の響きを込めてなおも耳元で言うと、シブは凍りついたようになってがくがくうなずいた。
「わかったから……」
「わかってくれましたか。では、みなさま、ジャパンダックスに盛大な拍手をお願いします」
 一種のパフォーマンスだとでも受け取ってくれたのか、客席からは好意的な拍手が沸き起こった。
 再度ステージに並んで立つと、俺のとなりにいる乾が苦笑いを向けた。そのとなりでは幸生が、やれやれ、どうなることかと思った、といった表情をしている。そのとなりのシゲがほっと息を吐き、そのまたとなりの章が言った。
「ちょっとばかりごたごたしましたけど、改めましてはじめまして。先ごろデビューしたばかりのフォレストシンガーズです。ここからは僕たちのオリジナル曲を歌わせていただきます。では、リーダー、メンバー紹介」
「OK!! ただいまの発言は木村章、我らが誇る超高音ヴォイスの持ち主です。木村の右は本庄繁之、我らがベースヴォーカリスト。本庄の右は三沢幸生、可愛らしさが売りだと本人は申しておりますが、可愛いのは声だけでして……その右、乾隆也。うるわしの高音の持ち主だと自負しております。木村、三沢、乾は、我々のコーラスのテナーパート担当です。どのような声を出すのかはじっくりお聴き下さい」
「そして、我らがリーダー、中低音の魅力、本橋真次郎です」
 乾が俺の紹介をし、幸生が茶々を入れた。
「低音の魅力って古い言い回しかも」
「古くても事実でしょ、幸生くん?」
「はい、その通り。ではでは、我々のデビューシングルを歌います。「あなたがここにいるだけで」。本橋真次郎の中低音の魅力をご存分にお楽しみ下さいませーっ!!」
 章とは異質なハイトーンヴォイスを幸生が響かせ、乾が指を鳴らしてリズムを取る。シゲのベースヴォイスも低く低くリズムを刻んでいく。邪魔な奴らがいなくなって、ようやく我々も快調に歌えるようになった。
 オフィス・ヤマザキ主催ライヴだからこそなのかもしれないが、無名の新人にもあたたかい声援と拍手が寄せられた。どうなることかと思ったのは俺もなのだが、初のステージは順調に進んでいった。そのうちには、客席にルミがいないかとそれとなく目をやる余裕も出てきて、目に落ち着きがないよ、と乾にこっそり怒られたりもしたのだった。


3

 むろん社長は気づいていた。すべてのステージが終了すると、社長がジャパンダックスの面々を呼んで説教していたらしい。俺は俺で乾に説教された。
「あのまんまだったらおまえ、シブの胸倉つかんで投げ飛ばすか、ぶっ飛ばすかしてただろ。お客さまの前でなんという真似をするんだ。それでもおまえはリーダーか」
「……あんな重たそうな奴だって、怒ったリーダーにかかったらものの数でもないもんね。乾さんが止めなかったら、あいつは大怪我してましたよ。シブのためにはよかったよかった」
 幸生は言い、シゲも言った。
「あんな奴がどうなろうと知ったこっちゃないけど、本橋さん、切れないって言ってたのに……」
 章は言った。
「怒るのが当たり前ですよ。俺だって必死も必死で我慢してたんだから。あんなときにも冷静でいられる乾さんの頭ん中ってどうなってるんですか」
「仕事の際にかっかしててどうするんだよ。本橋もだけど、章、おまえもだぞ。激情に駆られて周囲が見えなくなったらおしまいだ。しかし、章、おまえはよくやった。問題は本橋だ、おまえだ。反省してるのか」
「……してるよ。殴ってもいいぞ」
「またそれか。ここでおまえを殴ったら、俺もおまえと同類になっちまうよ」
「やらないのか」
「やらない」
 なんだ、つまらん、と呟いたら、幸生がまん丸な目をして尋ねた。
「リーダーったら、乾さんにばちーんってやられたいんですか。リーダーって変態だった?」
「馬鹿たれ。そういう意味じゃねえんだよ」
「だったらどういう意味?」
「うるせえ。いちいち説明してられるか。そんならいい。あいつらは社長にまかせて、打ち上げをやるって言ってたろ。俺たちもそこに行こう」
 ライヴがおこなわれたホールから徒歩で行ける距離に、ニーナさん行きつけの無国籍料理と酒の店がある。打ち上げはその店でというわけで、俺たちも外に出た。ホールは公園のど真ん中にあって、公園を突っ切ると近道になる。夜も更けた公園を五人で歩いていると、砂場のあたりに四人の男女がいるのが見えた。肥満体と準肥満体の男たち、背が高くてやせた女たち。俺たちは咄嗟にものかげに身をひそめた。
「だからさ、むかつくのは乾じゃん」
「そうだよね。なんなの、あいつ、超むかつく」
「あいつのせいだよな、面白くなりそうだったのにパーになっちまったのは」
「ライバルはさっさとつぶしておくに限るんだけど、ま、いいんじゃねえの。あんなの、ライバルにもならないよ」
「歌はけっこううまいけどね」
「あたしらのほうがうまいよ」
「そりゃ当然だけど」
 社長に説教されていたはずなのに、懲りていないと見える。四人はうろんな会話を続けていた。
「あたしらのほうが売れるって決まってるはずだけど、むかつくなぁ。あいつらをもっとこてんぱんにしてやりたい」
「ルッチ、おまえ、なんでそうあいつらに敵対心を抱くわけ?」
「だって、むかつくんだよ。さっきのだって失敗だったじゃん。あいつら、慌ててたのは最初だけで、てめえらのステージになったらイキイキしてやがんの。ニーナのおばちゃんも言ってたよ。フォレストシンガーズの歌って素敵ねぇ、だって。あたしらの歌は? って訊いたら、あなたたちの歌は若者向きでしょ、私には理解できない、なんて言ってさ」
「おばちゃんにはわからなくてもいいよ」
「そうだけど、あのキーの高さについてこられちゃお手上げだけど……なんかすっげえむかつくっ」
「あたしもむかつく。あたしは章って奴にもむかつく」
「ターコ、タコ、ってか。うまいこと言うな」
 なんだとぉ? とターコに睨まれたシブは、いやいや、とはぐらかした。ルッチとターコの区別はつきにくいが、男たちは特徴的なルックスをしていてわかりやすい。外灯に照らされた四人の姿が浮かび上がっていて、俺たちは動き出せずに聞き耳を立てていた。
「仕返ししてやりたいな。章って気が弱いらしいじゃん? あいつを使ってどうにかできない? 誘拐して人質にしちゃうとか」
「ターコ、そりゃ犯罪だ。あんなのだったら誘拐するのは簡単だろうけど、警察沙汰になったらやばいだろ」
「そうだね。警察沙汰にならない程度の仕返し? なんかない?」
 仕返ししたいのはこっちだ、と怒鳴り込んでいきたかったのだが、ともかく黙って聞いていた。
「それだったらやっぱ女だろ。あいつらにも女はいるんだろうから、女にさ……」
「あいつらの彼女? そんなの知らないじゃん。女ったらあいつらのマネージャーがいるよね。山田美江子っていったっけ。山田も新米だから、マネージャー修行中なんだよね。フォレストシンガーズのマネージャーもやって、修行もしてる。なんか利口ぶったやな女。眼鏡がきらきらっなんてしちゃってんの」
 利口ぶるための小道具ではなくて、眼鏡をかけていてもいなくても、あいつは頭がいいんだ、と俺は声に出さずに言い返していた。
「なんでも、山田って女はあいつらの昔からの友達らしいぞ。あいつら、仲いいもんな。山田も含めて仲がいいだろ。山田になにかしたら、あいつらも吠え面かくんじゃねえかな」
「なんかってなに? やっちゃうの?」
「やってもいいかな。役得役得」
「お、俺もやりてえ」
「いいかもね。やっちゃえよ」
 嘆かわしい、とシゲが唸った。
「男が言うのも最悪だけど、女がああいうことを言うんですか。俺はむかむかしてきましたよ。本橋さん、乾さん、どうするんですか」
「まさかとは思うけど、そんなことをしたらぶっ殺してやる」
「おい、乾、物騒な発言は……」
「ミエちゃんは関係ないじゃないか。俺にむかつくんだったら俺になにかすればいい。ああいう愚劣な奴らは許せないよ」
「同感だけどな」
「誘拐は犯罪だけど、それは犯罪ではないと言うつもりか。許せない。どうしたもんか……ちょっと待て、考える」
 腕組みをして乾は考えはじめ、幸生が言った。
「美江子さんが狙われるなんてことになったら、交替でボディガードするしかないでしょ? 章と俺はふたりでひと組にして下さいね。章、がんばろう」
「うん、そうなったら俺もがんばるけど、そうなる前に防がなくちゃ。でしょ、乾さん?」
「なにが仕返しだ。逆恨みしやがって。どっちが先に仕掛けてきたんだよ。防ぐか……どうやって防ぐ? 警察に言うにしたって、そんなことは言ってないととぼけられたら……」
「録音しておくんでしたね」
 ぽつりと章が言った。
「そしたら証拠になったのに」
「……録音か。使えるな。章、ありがとう」
「乾さん、どうするんですか。録音はしてませんよ」
 それでもいいんだ、と乾は言った。
「行ってくるよ」
「おい、乾、ひとりでか」
「ひとりのほうがいい。もしも俺が危機に陥ったら、リーダー、シゲ、そのときには頼りにしてるよ」
 大丈夫? と幸生が不安げに見上げているのに片手を上げてみせて、乾が奴らに歩み寄っていった。残された四人は固唾を飲んで見守り、乾の足音を耳にしたらしきむこうの四人は一斉にぎくっとした。乾は彼らのそばにすわり、世間話でもしているかのような調子で話しかけている。その声も俺たちの耳に届いてきた。
「打ち上げに行かないのか」
「……そんなもん、つまんねえから行かない」
 答えているのはルッチで、あとの三人は不気味に沈黙していた。
「つきあいってのも大切なんだけどね。いやなら無理にとは言わないよ。それにしてもきみたちは、俺たちをずいぶんとライバル視してるわけ? 歌のジャンルがちがうんだから、そんなに牙を剥かなくてもいいだろうに」
「うぬぼれるんじゃねえよ、誰がてめえらなんか」
「うぬぼれか。それは失礼。安心したよ。ところで……」
 乾はジャケットのポケットを叩いた
「歌の練習のために持ち歩いてる録音機が、変な会話を拾ったんだよ。誰が話してるのかと思ったら、きみたちだったんだね。聞いてみる?」
「録音? ええ? さっきの? 嘘だ」
「嘘だと思うんだったら聞かせてあげようか」
 ポケットからちらりと見せたのは、録音機ではなくてウォークマンであるはずだが、奴らはだまされた様子で狼狽した。乾は俺たちにも見える角度でにやりとしてみせた。
「聞きたくはないでしょ。おのれの馬鹿さ加減を確認したくないよな。動かぬ証拠があるんだから、きみらがなにかしたら警察に訴え出るよ。そのつもりで。きみたちは有名なロックバンドになりたいんだろ? そんなことをして棒に振ってもいいのかどうか、ちょっと考えたらわかるよね。根っからの馬鹿じゃないんだもんな。そういうわけだし、打ち上げにも顔を出しておいたほうがいいよ。いっしょに行こうか、さあ、立って立って」
 気圧されたように四人は次々に立ち上がり、乾に従って歩き出した。乾はさりげなく振り向いて、とりあえず成功、とでも言いたげに笑顔を見せた。


 あれもこれも公園だった。別々の公園ではあるけれど、デビュー前にもデビュー後も、公園ではさまざまな事件が起きた。今夜はデビュー前のほうだ。俺のアパート近くの公園のベンチに、山田とふたりですわっていた。ジャパンダックスは乾の計略にだまくらかされて、うろんなたくらみは断念したはずだ。しかし、念のために山田の身辺には気を配っている必要がある。
「本橋くん、彼女ができたんじゃないの?」
 呑気にも山田が尋ね、俺はぎょっとした。
「なんでわかるんだ」
「図星? なんとなくわかるんだな。長年のつきあいのせいかしらね。本橋くんって彼女ができると、そこはかとなく変わってくるんだもん。そこはかとなく、としか言えない。どこがどうとは言えないんだけど、女の勘ってやつかもしれない」
「参ったよ。おまえもそういうところは女なんだから」
「そういうところ以外は?」
「半分は男だろうが」
「そうかもしれないね。ほら、アニマとかアニムスとかってあるじゃない。男の中には女がいて、女の中には男がいるの。幸生くんの中のアニマはユキちゃん」
 アニマやアニムスは破壊の可能性を秘めているとなにかで読んだ覚えがある。幸生の中のアニマがあいつの心を破壊しなければいいのだが、とは考えすぎだろうか。
「本橋くんにはアニマはいないの?」
「いない」
「私の中にはアニムスがいるんだよ。名前をつけてあげようかな」
「ややこしい話に持っていくな」
 そうだね、と笑って、山田は話題を引き戻した。
「どんなひと?」
「彼女か。おまえは?」
「ごまかしてる。私は今は仕事に夢中だから、恋なんかしてる余裕はないのよ。本橋くんたちだって無我夢中だろうけど、恋は歌うためにも作詞作曲のためにも役立つものね。私の仕事には恋は邪魔になるから、当分はお預けにしておく」
「……そっか」
 こいつのほうこそごまかしているのかもしれないが、恋はしていないと言われると、なぜだか安心してしまうのだった。学生時代から互いの恋に干渉してはやきもきして、何故そうなるのかはさっぱりわからなくて……
「俺は男なんだぞ、ってつっぱってて疲れない?」
 俺にはアニマなんていないんだ、と言ったせいか、話題が微妙に変化していた。
「乾くんにもそんな気分はあるみたいだし、シゲくんは無意識的にそう。章くんもそうでしょ。だからこそ言うんだよ。俺は男らしくなりたい、って。幸生くんも言うよね。男のくせにだらしねえの、って。中でも本橋くんは特にじゃない。疲れるんじゃないの? 無理してない?」
 無理はしているのかもしれないが、俺は考えもまとまらないままに応じた。
「肩の力を抜いて楽になれ、なんて言うよな。男だ男だって肩肘張ってないで、男だって弱音を吐いたり、泣いたりしてもいいんだ、我慢しすぎるとぽきっと折れる、だとかな。だけど、俺はそうしてたいんだよ。つっぱってこそ男だろ。俺はてめえでそうしたくてやってるんだ。他人にとやかく言われる筋合いはない」
「男でもあるし、みんなのリーダーでもあるんだし、だよね」
「そうだ。それが俺の生き甲斐ってのかな……」
「がんばってね」
「がんばるさ。笑ってるな。おまえがなんと言おうと、俺は俺だ。変わる気もない」
「いいわよ、本橋くんはそれで」
「……馬鹿にされてる気もする」
「してないよぉ」
 してないよと言ってるくせに、あきらかに馬鹿にして笑っている。笑いたかったら笑え。俺は俺だ。無理しているのも俺だ。丸ごとひっくるめて俺なんだから。
「やっぱり育ちってあるんだね。人類の歴史もあるんだよね」
「育ちはいいけど、人類の歴史まで持ち出すなっての。おまえはそうやって理屈っぽいから、だな」
「だからもてないの?」
「いや……」
 もてなくはない。山田の恋愛遍歴もいくつかは知っている。俺の恋愛についてもいくつかは知られているのだから、ごまかさずに話そうと決めた。ルミとの恋をいくらか話すと、山田はふむふむと聞いていた。
「だけどな、彼女は言うんだよ」
 やっとデビューしたばかりの俺たちなのに、プロのシンガーになった本橋さんは、どんどん遠いひとになっていくような気がする、とルミは言った。
「この間のライヴには来てくれてたようだけど、友達とってのがさ……男じゃないのかと疑心暗鬼になっちまって……」
「彼女を信じられないの?」
「俺が惚れた女なんだから、他の男も惚れたとしても……」
「けっこう嫉妬深いんだよね、本橋くんは」
「そんなことはない」
 いいや、そんなことはある。俺は独占欲が強いのかもしれない。そうは言わずに俺は頭を抱えた。
「恋人なんだから信じなさい。本橋くんだってこんな仕事をしてたら、派手な女性と知り合う機会はたくさんあるでしょ? 彼女だって心配してるかもしれないよ。だからこそ言うのかもしれない。華やかな職業についた彼が、私から離れていってしまう。気持ちはわかるな」
「俺なんかのどこが華やかだよ。おまえは半分男なんだろ。認めたじゃないか。そんな奴に女心がわかるのか」
「あんたよりはわかるに決まってるじゃないの」
 そりゃあそうだろうが、そこから例によって口論となり、山田はぷいっと立ち上がった。
「帰る」
「帰れ」
「ついてこないで」
「ついて行ってるんじゃねえんだよ。俺も帰るんだ。駅は同じだろ」
「先に行けばいいでしょ。そっちのほうが足は速いんだから」
「そうか。そうするよ」
 早足で山田を追い抜かしてから気づいた。これでは意味がないではないか。俺には山田を住まいまで送り届ける義務があるのだ。ジャパンダックスは全面降伏したわけではないのかもしれないのだから。
「なんで戻ってくるの?」
「うるせえんだよ。おまえがおかしな奴らにからまれたりしたら寝覚めがよくねえだろ。送ってってやるよ」
「いらない」
「この意地っ張り。たまには素直にしろ」
「あんたこそ」
 ふんっだ、と山田はそっぽを向く。実に実に可愛くない奴である。
「だいたいねぇ、そうそうおかしな奴になんかからまれないよ。まだまだ日本は治安もいいんだし、どこにでもここにでも不埒な男がころがってたりはしないの。本橋くん、期待してない? そんなのが出てきたら喧嘩ができて嬉しいんじゃないの?」
「馬鹿か、おまえは。そんな期待はしてねえよ」
「……ねぇ、あそこに恋人たちがいるよ」
 ふいに立ち止まった山田が、木立のむこうを指さした。
「いい雰囲気だね。あれ? 本橋くん、どうしたの?」
「どうもしてねえよ。あれは恋人同士か」
「どう見てもそんな感じだよ」
「そうか。だったらいいよ……山田、俺、ふられたらしい」
「え? 本橋くん、あのひとがそう? そんな偶然ってあるの?」
 あってもなんら不思議はない。ここは俺のアパートにも、ルミの自宅にも近いのだ。木立に隠れて甘いムードでいるカップルは見ないようにつとめつつ、俺は山田を促して歩き出した。
「なるようになるだろ。自然消滅かもな」
「……いいの、それで?」
「慣れてるよ。しかし、なんだってこういつもいつも長続きしないんだ。俺が悪いのか」
「……さあ、私にはなんとも……」
 気の毒そうな、それでいて若干楽しそうに見えなくもない表情で、山田は俺を見返した。楽しそうに見えるなんてのは俺の邪推だろう。山田はそこまで根性が悪くはないはずだ。
 このところはルミとはデートもしていなかった。彼女はけなげにも文句もつけなかったが、俺のほうからつきあってほしいと言っておいて、多忙を口実に電話で話すだけだった。そんな女を独占できる道理はない。俺が恋した女なのだから、他の男が恋をする可能性もおおいにあるのだ。
 詳しい事情など知りたくもない。俺だって……俺だって……恋よりも仕事が大切だ。強がっておくしかないではないか。それに、ルミが俺の彼女だと知ったら、あいつらがおかしなたくらみのターゲットをルミに変更する恐れもある。うん、そうだ、別れたほうがいいんだ、と自身に言い聞かせていると、山田がしんみりと俺を見上げて言った。
「元気出してね、本橋くん、私がついてるよ」
「おまえなんかがついててくれたって……」
 なんにもないよりはちょびっとましって程度か。女っケゼロよりは、半分男でも半分は女なんだからいいか、と考えておくことにした。こうして早番、俺の恋はまたしても終わるのだろう。それでもまた恋をするのか。男とは……いや、俺とは、であろうか。因果な生きものであるらしい。冬が近づきつつある公園の空気に、俺の吐息が白い靄になって流れていった。
 
END
 
 


 

 
  
 





 

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~ Comment ~

ううむ…

すみません、最後に浮かんだ感慨を一言。
皆さん、恋愛のサイクル早いな~

fateのキャラが変態度に比例して一途過ぎるのかなぁ。
いや、重すぎるんであろう。
というか、真ちゃんにしても乾くんにしても、ともかくモテる、ってことだよな。
っていうか、こういう恋愛観が普通であり、一般的だよな~ と大変しみじみいたしました。

『よその奴らっていうか、どうでもいい奴にはああなんだよ、乾さんは』
↑おお! これ、fateとおんなじだぁ! と思いました。
そうなんですよ~、奥さん(だから、誰(--;)!
fateはすごく好きな相手と、まったくどうでも良いやつには機嫌良いです。
その区別は、別に本人が分かる必要ありません。
強いて言えば、fateの方から関わらない相手は、超! どうでも良いやつか、軽蔑している相手です。
まぁ、だから、サイト上では成立しない。
関わりたくなかったら、fateはすでに関わってないから。
一般的に、道端で見かけても、絶対にfateからは近づかない場合、むしろ、見なかった振りをされたら、実は嫌われているんだ、と理解してくれ給え。
(いつ、誰がそんなシチュエイションになるんだ(--;)

ああ、どうでもいいことを…

今回は幸生くんが全開モードで楽しかったわ~
そして、真ちゃんが語りに入ると、ものすごく音楽的な話題、そして、フォレスト・シンガーズというグループそのものに関わる話題になるんだと知りました。(今更…)
やはり、彼はリーダーであり、むしろ、他のメンバーのように雑多なことに関心がいかない、根っから歌が大好きで、それ以外はとりあえずあまり考えていない! 感じだからなんだろう。

美江子さんと真ちゃんって、いつか絶対パートナーになりそうなのに…と実は当初から思っていたfateであった。

fateさん、毎度ありがとうございます

恋愛サイクル、早いですね。
まー、なんていうか、章とシゲは両極端例外なのですけど、美江子も含めて他の彼らは恋愛が長続きしない。でも、じきに次が見つかるんだから、もてるってことでしょうかね。

書いてるこちらはなにかにつけて醒めていたりしますので、恋愛体質の人は不思議です。シゲの気分に同感ですね。

サイトでは興味ない相手はひたすら無視ですよね。
興味あっても怖そうというか、気後れして関わりづらい方……館長さんだとかもいらっしゃいますが。

公園にて、あたりを書いていたころには、正直、キャラがまだ確定していないかもしれません。最近はもう、乾くんはこう、シゲはこう、と確立してるんですけどね。

シンちゃんは恋よりも、女よりも仕事、その傾向はあります。
そしてそして、シンちゃん&美江子ってお似合いですか? 乾くんではなく?

数少ない読者さまたちにアンケートを取ってみたいです。フォレストシンガーズの中では誰が美江子とカップルになって似合うと思いますか? なんてね。

ちょいと恋愛論を…

ほえぇ??
美江子さんと乾くん?
おおお、なんてことだ、まったく考えなかった!!
なんか、乾くんはメンバー以外、まったく別の人と、というイメージでした。
美江子さんと真ちゃんって、こうラブラブにはならないけど、仕事でも人生でもパートナー的に良いのかな、と思ってたんですな。
同じ方向を見て、一緒に歩いていく感じ。
結局、恋愛期間よりその後の人生の方が長いんだから。
で、乾くんは、真ちゃんよりは恋愛に置く比重が高そうに感じました。
のめり込みはしないけど、ある程度尽くし尽くされる…ような。
だから、美江子さんみたいにさばさばした女性より、女を感じさせる相手が良いのかな、と。
実際、出てきた相手がそんなタイプだったような。
まぁ、勝手な感想ですが(^^;
幸生くんには、どんな子が良いんでしょうなぁ。
大人の女性か、一緒に楽しめる相手かはたまた妹みたいなタイプか。

そういえば、執筆中に他作家さま(まぁ、つまり読者さまですが)に感想コメントいただいたりすると、たまにはっとして、それが物語の中に入ったりします。
それって、プロには出来ないことで、得した気分です(^^)
現在、『花籠』3 を描きながら、2にいただいた乳酸菌さんのコメントに、ちょっと胸を突かれました~
っていうか、描いてる本人気付けよってことでしたが(^^;

fateさん、本当にそうですよね

はじめに。
fc2小説とのリンク、私もなんか変だと思っていたのです。
貼り直しました。これで他の方も行けますか?

いやぁ、tome館長さんは私のことも「女王さま」とお呼びになりまして、私はSですけど(精神的に)怖いので、やっぱり逃げます。

それはそれとしまして、たしかに、読者さまのご指摘で気づくことってありますよね。

fateさんの書いて下さった、うちの息子たちとうちの娘の今後の関係……本当にそうかもしれないなぁと、著者があまり気づいていなかったことを気づかせていただきました。

幸生にお似合いの女性……私も思いつきませんので……幸生はもしかしたら……てんてんてん。

小説サイト、早速お邪魔いたしました(^^)

ちなみに、館長が女王さまと言っているのは
「鬼さん、こちら」の感想欄の瑠寧さんです。
ご心配なく。

はじめまして

こんにちは。
この前コメントでお話させていただいた「みちびき」です。
ブログもお邪魔させていただきました。 
すごいですね!

fateさん、両方でありがとうございます

アドバイスいただきましたおかけさまで、リンク貼れていたようですよね。

むこうにも書きましたが、館長さんが「あかね女王さま」なんて書いておられるのは、ご自身のブログの「地下牢」のコメント欄です。

私もまあ、本気で怖がっているわけでもなくて、fateさんのブログの「閑話休題」などは思い切り笑わせていただいてますが、あそこに入っていくのは怖いかなぁ、と、ジョークまじりに思っているわけなのでした。

みちびきさん、いらっしゃいませ

おいでいただいてありがとうございます。
数だけはたくさんたくさんありますので、お暇なときにでもちょこっと読んでいただけると嬉しいです。

またぜひ、いらして下さいね。

すみません、何回も…

行ってみました、館長のブログ。
まったく館長ときたら…(^^;

小説サイトの『地下牢』感想欄では、fateと館長がトラブルに巻き込まれて、fateがキレた経緯が残っていて、ちょっと感慨深かったです。

かつまさんの「Mirror Mirror」も館長の『地下牢』のスピンオフみたいな感じです。
誹謗中傷コメントをしていたある人物が、嫌がらせで『地下牢』を自分流に書いて掲載したりしていたことに対して、かつまさんがお怒りになって描かれた世界だったらしいです。

キレて、小説サイトを撤退したfateに対して、館長とかつまさんがいつもいろいろ励ましてくださり、fateは結局、向こうにも戻ることが出来ました。
そういうことがあって、お二人には感謝してもし切れないのです。

だからこその、『閑話休題』です(^^)
お二人への‘感謝’‘敬意’です。
まぁ、今となってはマジで楽しんでいるだけですが~(^^;

fateさん、そんないきさつが……

そうだったのですね。

最近になって館長さんが「地下牢」をアップされていたので、アンサーストーリィみたいな感じかな? と思って、コメントしたのでした。

FC2小説サイトにもいろんな方がいらっしゃるのでしょうけど、どこの世界でも同じかな。
私も覚悟を決めて、これからも書いていきます(笑)

NoTitle

嫌い好きが簡単であればいいんですけどね。
そういうのが難しいのが大人というもので。
納得と理解は違うもので、嫌いだけど理解するというのも必要であったりするので、その辺の境界がネックになったりするんですかね。

LandMさんへ

いつもありがとうございます。

フツーに考えれば子どもは、嫌いなものは嫌い!! と言えますが(最近の子どもは空気読めとか言われますから、昔ほど単純でもないかもしれませんが)、大人は「もの言えばくちびる寒し」ですよね。

嫌いだけれど理解する、なにごとであれ、他人の価値観を認めてその上で理論するのが大人だともいえますね。
むずかしいことですけどね。
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

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