茜いろの森

□ 番外編 □

FS超ショートストーリィ・四季のうた・真次郎「夏の真」

フォレストシンガーズ

四季のうた

「夏の真」

 脚が四本、砂浜に並んでいる。
 ごつごつしたおのれの脚と並んでいるのは、すらっと長い綺麗な脚。彼女は一般的な意味での美人ではないと真次郎は思う。プロポーションも背が高すぎて細すぎると思うが、着こなしは素晴らしくいい。脚もまっすぐで美しく、さすがモデル、なのだろうとは思えた。

 モデルなんか趣味じゃないのにな。
 シンガーとモデルのカップルなんてありふれすぎてて、恥かしいくらいなのにな。
 でも、彼女がモデルだから好きになったのではなくて。
 好き……好きは好きだけど、ただそれだけで、それよりも。

「なんかちょっと疲れたね。戻らない?」
「そうだな。行こうか」

 ホテルに戻ったら水着をはずしてシャワーを浴びて、それからそれから……それからすることが、俺のいちばんしたいこと。そこに真実なんかあるんだろうか。

 真実の「真」は真次郎の真。俺の名前の中に「真」はあるんだから、俺の想いや行為の中にもあるのかどうかなんて、考えるのはやめておこう。

 陽が翳りはじめている中、長身の彼女の肩を抱いて砂浜を歩いていく。真次郎のしたいこと、彼女もしたがっているはずのこと。それだって「真実」なのはまちがいない。

SHIN/25/END


 







スポンサーサイト

*    *    *

Information

Date:2017/07/18
Trackback:0
Comment:0
Thema:ショート・ストーリー
Janre:小説・文学

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする

Trackback

TrackbackUrl:http://quianred.blog99.fc2.com/tb.php/1828-55dc0ba4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)