番外編

FS超ショートストーリィ・四季のうた・繁之「夏の間」

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フォレストシンガーズ

超ショートストーリィ・四季のうた

「夏の間」

 
 一瞬の沈黙、しらじらーっとした間。
 シラケ鳥飛んでいく……なんて歌があったなぁと、繁之はその場の気まずい空気の中で考えていた。KYなんて言葉もあるよな。俺はこの場の気まずい空気ってやつは読めているけど、KYの「空気」は別の意味なのかな。

 仕事でやってきた夏の海岸。仕事とはいえ若い男女が集まっているのだから、プライベートタイムにはみんなで飲んで食べて騒ごうか、ということになる。

 フォレストシンガーズの仲間たちは、繁之から見ればみんなもてる男だ。次から次へと恋をして、彼女を作っている。そうすることには苦悩もあるのだろうが、そんな苦悩だったら俺もしてみたいよ、である。

 ……これなんだな、俺がもてない理由のひとつは。
 もてない理由はひとつではないだろうが、この白々しい空気を繁之ひとりでは打破できないから、女性を引きつけられないというのはまちがいなくありそうだ。

 理由がわかったからといってどうすることもできず。
 
「ああ、そうそう、それでね……ね、乾さん、この間さ……」
「ん? ああ、そうだった」
「あ、あれですよね。ねぇ、こんな話知ってる?」
「昔々、あるところに……」
「リーダーったら、ちがいますってばっ」

 口火を切ったのは幸生、隆也が振りに乗っかり、章も即座に反応する。「この話」の意味はわかっていないのかもしれないが、真次郎も反応して女の子たちが盛り上がる。

 たったひとり、話題に入っていくこともできなくて、繁之の周りだけ空気がちがっているような。間、間、間だらけみたいな……。

SHIGE/25/END






 


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