企画もの

第二部完了記念webラジオふう(文字のみ)春

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夜
フォレストシンガーズストーリィ

第二部完了記念

「FSのトワイライトビートボックス・幸生篇」
   「年年歳歳」



 洛陽城東 桃李の花

 飛び来たり飛び去つて誰が家にか落つる 

 洛陽の女児は 顔色を惜しみ

 行くゆく落花に逢ひて長歎息す

 今年(こんねん)花落ちて顔色改まり
   
 明年花開いて復た誰(たれ)か在る

 已(すで)に見る松柏の摧かれて薪(たきぎ)と為るを

 更に聞く桑田の変じて海と成るを 

 古人 復た洛城の東に無く
   
 今人 還た対す 落花の風
   
 年年歳歳 花相似たり

 歳歳年年 人同じからず

 言(げん)を寄す 全盛の紅顔子

 応(まさ)に憐れむべし 半死の白頭翁

 此の翁白頭 真に憐れむべし

 伊(こ)れ昔 紅顔の美少年

 公子王孫 芳樹の下(もと)

 清歌妙舞す 落花の前

 光禄の池台に 錦繍を開き
  
 将軍の楼閣に 神仙を画(えが)く

 一朝病(やまい)に臥して相(あい)識る無し
   
 三春の行楽 誰(た)が辺(ほとり)にか在る

 宛転たる蛾眉 能く幾時ぞ

 須臾(しゅゆ)にして 鶴髪乱れて糸の如し

 但(ただ)看る 古来歌舞の地

 惟(ただ)黄昏(こうこん)鳥雀の悲しむ有るのみ

 * * * * * * *

 うーっうーっうううう、眠い。寝そう……こんなところで寝ると遭難するぞぉ~、ってか。
 あーっと、いやいや、ひとりで気持ちよさそうに、俺には意味もわからない漢詩を朗読している乾さんは放っておきましょう。放っておいてはいけないのでしたら、バックグラウンドヴォイス、バックグラウンドポエムってやつになってもらいましょう。
 夕刻のひととき、みなさま、いかがおすごしでしょうか。三沢幸生でございます。
 このたび、我らがママ、もしくはおばさん、もしくは著者、もしくは……などなどの呼び名を持つ「茜いろの森」のブログ主がブログにアップした小説の第二部が終了致しました。
 それを記念しまして、WEB上文字だけラジオ番組、「FSのトワイライトビートボックス」を、乾隆也と三沢幸生ペアでお送りすることとあいなりました。ママったら、やっぱり僕ちゃんが好きなのね。
「年齢差もありすぎるしさ、あなたは一応は人妻でしょ。俺に惚れちゃいけないぜ。あなたが不幸になるだけだぜ」
 近くにママもいるのですが……ってーか、以下略なのですが、返事はしないつもりでいるようです。乾さんも自己世界に浸っているようですので、とりあえず僕ちゃんが単独で番組を進めて参ります。乾さんったらいい声だわぁ。ほんと、寝そう。
 いえ、寝てはいけませんね。
 この詩は中国唐代の詩人「劉 廷芝」の作で、「代 悲 白 頭 翁 (白頭を悲しむ翁に代わる)」
というタイトルなのだそうです。僕ちゃんは歌詞は書けるけど詩は書けません。まして漢詩となると脳みそが拒絶反応を起こしますので、詳しい説明は不可能です。
 「代悲白頭翁」の原作はこんなんだそうです。原作っていうのかどうか知らないけど、堅いことは言いっこなしね。


 年年歳歳花相似  

 歳歳年年人不同   

 寄言全盛紅顔子   

 應憐半死白頭翁   
 
 此翁白頭眞可憐   
 
 伊昔紅顔美少年   

 公子王孫芳樹下   

 歌妙舞落花前   
 
 光祿池臺開錦?←この文字、出ないのですよ。  

 將軍樓閣畫神仙   

 一朝臥病無相識   

 三春行樂在誰邊   

 宛轉蛾眉能幾時   

 須臾鶴髪亂如絲   
 
 但看古來歌舞地   

 惟有黄昏鳥雀悲  

 * * * * * * * *

 あわあわ、ますますわっけわかんねー。頭がぴちくりぴっ。俺のさえずりみたいになっちゃうじゃん。勘弁してちょうだいよ、乾さん、隆也さんってば、タカちゃんってば。
 ……聞こえていないようですので、勝手に話を進めます。
 しかし、話ってなんの話? 漢詩の話なんてやだよ。小説の話? ママが書いた俺たちの小説? ふむふむ、そっちだったらユキちゃんにおまかせ。 
 時はうつろう。年年歳歳同じ花は咲けど、人は刻一刻と変わっていくと、ママの小説はそんなにご大層なテーマを持っているってわけではなくて、書いているうちに、うん、そうだよね、というか、うんうん、そうやんね、となったのだそうですが、まあ、そういうテーマであると言っても過言とまでは言えないと。
 歯切れがよくないね。ユキちゃんらしくもなく?
 だってさ、本当はあれでしょ? 趣味に走っただけでしょ? 音楽と若い男が書きたかっただけでしょ? 現実逃避の最大手段が小説書きなんでしょ?
 よく知ってるね、って? そりゃそうじゃん。俺はある意味、ママの分身なのですよ。ママの分身か……深く考えると気持ちがわる……嘘です。気持ちいいです。快感です。快感の旋律はフォレストシンガーズのハーモニー。開巻の戦慄は、小説を開くと背筋がぞぞぞ。怪漢の線率は、怪しいおとこが、以下意味不明。
 閑話休題。
 ですからつまり、ママは退屈な日常から逃避して、ひととき、妄想の世界の中でたわむれたいと。長年小説を書いてきた理由の最大なものがそれなのです。そうして特に好きなミュージシャンってものが書きたいと。
 昔はロックバンドばかり書いていたママが、ある日ふと、男性ヴォーカルグループってものを書きたくなった。かつては友人関係の男たちを書く場合が多かったのですが、今回は先輩後輩関係にしようかなと。
 それって、新選組がベースにあるんですよね。無意識的なのでしょうけど、たぶんそれが根底にあって、一時書いていた新選組テイストっていうか、そういうものがあらわれ出てきたのです。
 もちろん、激動の幕末を剣に生きた男たちと、かたや、一応は平和な平成の時代を歌に生きている男たちとでは、根本的にまるっきりちがう。そこらあたりはよくよくわかっているのですが、ママの妄想の中では一部分、近かったりするのですよ。
 どこが? どこが近い? とお怒りの諸兄、怒らないで下さいませ。あくまで、ママの頭の中だけの話ですから。
 学生時代からの仲間たちだったヴォーカルグループが書きたいと、ぼけっと考えていたママの頭の中には、すでに「アキラ」という名の男が住みついていました。ママの昔からのキャラの女性ギタリストの加西チカの昔なじみ、アキラ。彼が使えるとなって、そこからフォレストシンガーズストーリィが動き出したのです。
 章が真っ先に誕生したってのは俺としては不満だけど、二番目は誰? 覚えてない? 俺でしょ? 俺だよ、絶対に。
 俺ってことにしておきます。で、あとの三人と美江子さんも続々と生まれ出てきたのですね。生まれいづる悩み、なんちゃって。そうなんですよ。悩みってのも出てくるのですよ、まがりなりにも執筆ってやつをしていますとね。
 それから続々続々、ぞろぞろと、アリの行列のごとき他のキャラたちも誕生してきました。ヒデさん以下何人もの先輩たちが、アリとはなんだ? と抗議していますが、この際無視します。アリだからムシ、あわわわ、また脱線するよぉ。
 再び閑話休題。
 いっとう最初に完成したストーリィは、第三部にあります章主役の物語です。いっとう最初の設定から、徐々にストーリィが変移していきました。
 そもそもは三人称、章の視点で書かれていたその短編が、過去のストーリィを書いているうちに辻褄が合わなくなっていき、三度、四度と加筆訂正されて、この後出てきます。最初の設定からして、彼女と彼はね……そうだったのか。
 そうしていくつもいくつもの物語ができていきました。第三部までで本編が百編を数えます。番外編もありますし、第四部もありますので、ひとつずつは短編とはいえ、かなりの巨編になったのかな。そういう根気だけはあるんだよね、ママ。
 つまり、俺が言いたいのは、乾さんが朗読している漢詩の次の部分です。フォレストシンガーズストーリィはつまるところ、これがテーマだと、結果的にはそうなったのでした。
 めでたしめでたし。かな?
 乾さんはまだ自身の美声に酔っているようでありますので、この部分、もっとも重要なフレーズを彼と俺と朗読でデュエットして、しめくくりの言葉に代えさせていただきます。
 ご拝読、ありがとうございました。でーは、最後に、乾隆也と三沢幸生のデュエットもお楽しみ下さいませ。

 年年歳歳 花相似たり

 歳歳年年 人同じからず

 


第三部に続く

 


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