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FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/5

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FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/5


水はまだ冷たいかな? 夕方になってきているから、気温も下がってきている。ためらいはあったが、せせらぎに足を浸してみた。

 意外に冷たくはない。
 じゃあ、ちょっと泳ごうか。

「実松、泳ぐような季節じゃないんじゃないか?」
「ああ、乾さん、一緒に泳ぎません?」
「風邪をひく……ってこともないかな」

 呆れたような顔をして、乾隆也が笑っている。

 実松弾が大阪から上京して入学した大学の、サークルの先輩だ。一年年上の合唱部の実力者。
 美男子というわけでもないのだが、すっきりした容貌で背は高めで細身で、弾自身とはルックスが大違い。弾とは仲のいい同級生の小笠原英彦も隆也のタイプだが、性格はそれぞれにちがっていて面白い。

「あ、つばめや!!」
「……うん」

 サークルの有志でやってきた、初夏の川べりで、ふたりはそろって空を見上げた。弾はぽかんと口を開けてつばめに見とれ、隆也は短歌を口ずさんだ。

「つばくらめ空飛びわれは水泳ぐ一つ夕焼けの色に染まりて」馬場あき子

 こんなシーンでこんな短歌を即座に思い出すとは、そこもやっぱり俺とはおおちがいやなぁ。片耳で隆也が口にする短歌を聴きながら、弾の目は夕焼けいろの空を行くつばめを追い続けていた。

DAN/18/END


KIMG0167.jpg

弾のふるさと、大阪





 
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~ Comment ~

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今は温暖化ですからねえ。。。
5月でも十分泳げますからね。
サーフィンやっている人は冬でもやっていますからね。

しかし、ふと短歌が思いつくほど文才はないなあ。。。
(-_-メ)

LandMさんへ

いつもありがとうございます。

温暖化って豪雪を呼んだりもするらしいですね。
豪雨も時々あるし、異常気象はたいへんに困ります。
また台風も来るのてせしょうね、いやだなぁ。
災害が起きませんように。

雨の短歌ってのも探してみようかな。
さみだれや、集めてはやし、最上川、くらいだったら思いつきます。
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