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FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/2

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2017/2月 超ショートストーリィ

 ほんわりと外が明るいのは、雪景色になっているからだ。冬は夜になるのが早いが、幸生たちが仕事をしている間に雪が積もって白夜みたいになっている。寝る気にもなれなくて、幸生は外に出ていった。

「うわー……」

 空を見上げると感嘆の声がほとばしる。
 下は真っ白な雪。雪の中にはユキオがいて、ブルーブラックの空には星がいっぱい。濃紺と銀いろだけで絵が描けそうな気もした。

「よーし、雪だるまを作ろう。雪だるまってユキちゃんの分身なんだよ。雪だるまって英語ではスノウマンだっけ? だるまってのは日本語か。英語の国には達磨さんっていないんだよな。だけど、スノウマンだったら雪男じゃん? スノウユキってのはどう? ユキは幸生のユキ、ユキは日本語でも英語でもユキだもんね、世界共通語として、雪だるまはスノウユキっての、広めようよ。ね、星さんたち?」

 夜空でまたたく無数の星たちが、それ、いいね、賛成、賛成!! と同意してくれていた。

「ねっ、いいでしょう? そしたら、星さんたちってのは地球のどこにでも行けるんでしょ? 行けるってか、行ってるわけじゃなくてそこにいるわけだけど、地球のどこでも見下ろせるんでしょ。アルファベットで、SNOW YUKI こんな星座を形作って地球全土にアピールしてよ。きっと広まるよ、雪だるまはスノウユキ」

 うんうん、そうしよう、と星たちが応じてくれた。

「沖縄の子どもに、雪ってどんなの? って訊かれたことがあってね、ユキは俺だよって言って笑われた。雪を見たことのない地球人ってけっこういるんだろうな。俺の作った雪だるま……じゃなくて、スノウユキ、見せてあげたいな。星さんたち、世界中に発信して。ほらほら、こんなに大きな雪玉!! スノウユキの素!!」

 一生懸命に雪だるまを作っている幸生の耳に、仲間たちの声が届いてきた。

「妙にうるさいと思ったら……」
「うるさくはないんだけど、こう、なんてか、きらきらっとしたお喋りが聞こえてきてましたよね」
「雪は物音を吸い込むと言うけど。幸生と星たちが喋ってるんだもんな。そりゃあ賑やかだよな」
「乾さん、こういうときにぴったりの短歌はありますか?」
「……ん、そうだな」

 うんうん、ほんと、ぴったり、と幸生も納得した。

「雪だるま 星のおしゃべり ぺちゃくちゃと」
 松本たかし


END
 
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NoTitle

私の地域じゃ、今年度は雪は積もらなかったですね。
まあ、雪が積もっても困るのですが。
子どもの頃はよかった。
純粋に、雪を楽しめた。
小説をよんでそう思いました。
(-.-)

LandMさんへ

いつもありがとうございます。

うちのあたりも積雪はなかったです。
たまにちらつきましたけど、例年、積もるほど降るのは年に一度あるかないか。
三月に積もることがあるかもしれませんね。

子どものころにはほんとに、雪が降ると嬉しかったなぁ。
雪国の子どもは雪なんてうんざりなんでしょうかね。
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