茜いろの森

□ forestsingers □

FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/1

2017/1 超ショートストーリィ


 新年度の初仕事、新米シンガーズにとっては元日早々仕事があるということがめでたい。
 顔を合わせたフォレストシンガーズあと四人とも、マネージャーの美江子さんとも、社長とも、事務所の事務員さんとも、それから、仕事先の人々とも。

 おめでとう、おめでとう、と言い合って。

 年賀状なんてものを出す習慣はないが、去年の暮れには故郷の母にだけ出した。

「デビューが決まったよ」
 
 挨拶の他にはそれくらいしか書いていなくて、正月のどこがめでたいんだよ、みたいなことも書いた、章らしくおめでたいのに機嫌が悪いね、と母に笑われそうな賀状だった。

「乾さん、なんで正月がめでたいんですか」
「ふむ」

 改めて問い質すと、乾さんは得意のやつで応じてくれた。

「門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし」

 それ、誰の俳句? 俳句じゃなくて短歌だ、一般的に一休さんだとされているが、定かではないらしい。
 と、幸生と乾さんが言い合っているが、そんなことはどうでもいい。

 俳句なのか短歌なのかもどうでもいいけど、なんだか生まれてはじめて、そういうのに共感した感じ。
 そうだよな、ひとつ年を取るってことは、一歩死に近づくってこと。この短歌がそう言いたいのだとはわかる。新しい年を迎えたのはめでたくて、だからってめでたいばかりじゃなくて。

 我々のデビュー二年目も、そんなふうになるんだろうか。

AKIRA/22歳/END

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大阪名物冬の御堂筋イルミネーション。















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Date:2017/01/10
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Thema:ショート・ストーリー
Janre:小説・文学

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