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FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2016/7

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フォレストシンガーズ

2016/7 俳句、短歌超ショートストーリィ

どこの国にもイベントというものはあるはずだが、七夕まつりは東洋特有なのか。

「いや、北欧やギリシャあたりにもあるらしいよ」
「ヨーロッパの七夕かぁ。乾くん、その話し、して」
「うろ覚えだけどね……では、美江子さん、聴いて下さい」

 売れないころにもフォレストシンガーズには、各地でのイベントに参加するという仕事があった。今回も七夕イベントで歌う仕事なのだが、昔は歌わせてもらえなくて、お笑いタレントみたいなことをしたよな、歌わせてもらえるようになったのは進歩だよ、と章くんが言っていた。

 お笑いタレントみたいな仕事でも、それなりに楽しくなかった? との質問には、章くんが一番、いやぁな顔をして首を横に振った。

 そうなのね、章くんは耐えていたんだね、お疲れさま。
 乾くんはけっこう楽しんでた? 質問はせずに、七夕伝説の話をしてくれる乾くんの横顔を見ていた。大人になったよねぇ。乾くんって若いころよりもかっこよくなったよ、とは言ってあげないけど。

「遠い昔、フィンランドにズラミスとサラミという仲むつまじい夫婦が暮らしていました。
 ふたりは死んでから、別々に天に昇っていき、それぞれ別々の星になりました。

 そのふたつの星は相当に離れていて、会うことさえもかなわない。
 あんなに愛し合っていたのに、なんとかして会えないだろうか。

 どうにかして会うために、ふたりは空の星屑を集めて橋を作りました。
 何年も何年も何年も、星屑をすくって集め、すくって集め、千年もたってようやく、星の橋ができあがりました。
 そう、それが天の川」

 ほら、あそこ、と乾くんが夜空を指さす。今夜は珍しく晴れていて、このあたりの夜は暗いので天の川が見える。きらきらと星の橋、フィンランドではあれは川ではなくて橋なのね。

「乾くん、シャワーを浴びてきた?」
「あ、わかる? きちんと髪を乾かしてなかったからね」

 ちょっぴり照れているような乾くんに、私からもお返し。これはいつもは乾くんの十八番だけれど、私もたまには披露しますわ。今の乾くんにぴったりのこの俳句を。

「七夕や髪ぬれしまま人に逢ふ」橋本多佳子


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地上の川
隆也のふるさと、金沢の浅野川です。







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NoTitle

七夕ですね。
・・・といっても、もう過ぎてしまったのか。
織姫と彦星が出会える日・・・ということにもなりますけど。
最近は天の川とかも見てないし。
星も見ていないなあ・・・とちょっと実感。

LandMさんへ

いつもありがとうございます。

七夕は梅雨どきで曇天や雨天の夜が多いですが、今年はこっちは晴れていました。
でも、大阪では天の川は見られませんね。
枚方市に「天の川」がありますが。

ずーっと前にどこかの海辺で、夜空の天の川を見たことがあります。
あのとき隣にいた男性はどうしているかなぁ。
って、ただの同僚で、他にも男女が何人もいたんですけどね。
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