番外編

FS超ショートストーリィ・四季の歌・章「夏の汗」

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FS超ショートストーリィ・四季のうた

「夏の汗」

 暑いからいやだ!!
 夏なんだから暑いのは当たり前!! ってか、まだ暑いってほどでもないだろ。爽やかな初夏じゃないか。

 陽に灼けるのはいやだ!!
 おまえは女か。健康的なブロンズいろはかっこいい男の証だよ。

 熱中症になったらどうするんだよ。
 そんなもん、精神力で吹き飛ばせ。

 汗をかくからいやだ!!
 なに言ってんだよ。汗をかくのはいい気持ちじゃないか。

 文句をつけてもことごとく反論される。理路整然とした反論じゃなくて、精神論ばっかり。いやなものはいやなんだよ。俺は野球なんかしたくないんだよ。

「章、行くぞ!!」
「シゲ、かついで連れてこい」
「そうしましょうか」

 うわわっ!! かつがれるのはもっといやだっ!! 
 慌ててグラウンドへと走り出す俺を見て、みんなが笑っている。幸生と章は外野。フォレストシンガーズが野球の試合をやるとなるとそう決まっている。あーあ、いやだなぁ。野球なんかやるくらいだったら、エアコンの効いた部屋で作曲していたいよ。

「章、行ったぞーっ!!」
「さぼってんじゃねえんだぞっ!!」
「ライト!! 捕れ!!」

 草野球だと外野にはあまりボールが飛んでこないので、ただただいやだいやだとばかり嘆いていたら、みんなの声で我に返った。俺が守っていたポジションよりもすこし左にそれて、ボールを追って走る。汗がしたたってきらめく。その瞬間だけは俺だって、ボールをキャッチすることだけを考えているのだった。

END


 




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~ Comment ~

NoTitle

またじんわりと暑い季節がやってきましたね。
私はこの5~6月のじんわりと暑い湿気のある気候が大好きですね。
私が6月生まれというのもありますけど、
この時期はとても大切にして、
雨季をテーマにした小説をよく書いております。

LandMさんへ

コメントありがとうございます。
六月生まれでいらっしゃるのですね。
で、じんわり暑いのがお好きと。

私は冬のほうが好きで、暑いのは大嫌いです。
一年は五月までで終わったらいいのに、と思ってますので、これからはもう一年の余生ですね。

雨をテーマにした小説を書くのは好きですけど。

その瞬間だけは俺だって、ボールをキャッチすることだけを考えているのだった

身体を動かすって魔法のようですな。
頭でいろいろ考えていると狂いそうになることも、煮詰まってどうにもならなくなっているときも、とりあえず身体を動かして、その『瞬間」だけ、必死に全神経を集中させると、新たな展望が、突然開けてきたりもします。
運動は、朱鷺も苦手ですか~(^^;

朱鷺さんへ

コメントありがとうございます。
近頃ツィッターも放置しっぱなしで、ご無沙汰していてすみません。

スポーツは私も苦手です。
夏に汗をかくのも大の苦手。梅雨から夏がもっとも嫌いです。
でも、煮詰まっているときには頭じゃなくて身体を動かすっていうのは、ほんとに正解かもしれませんよね。

夏になったらプールに行こうっと。
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