ショートストーリィ

続・大海さんちのオリキャラオフ会/また一緒に遊ぼうにゃ~

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背後霊」の続編のようなものです。

大海彩洋さんの「コーヒーにスプーン一杯のミステリーを」に於ける企画。
また一緒に遊ぼうにゃ~

こちらに参加させていただいたショートストーリィの続編ですので、詳しくは「背後霊」をごらん下さいませ。

大海さん、マコトくん、それから、ちらほらっと出てきてもらっているゲストさまたち、ありがとうございました。
……こそこそっとアップします。

「花火の音は」

 図々しくも幸生が言った、あの双生児だとナギくんのほうが俺に似てるよね、と。小柄で華奢なところはたしかにそうだ。双生児のかたわれのミツグくんのほうは野性的な外見をしているから、幸生とは似ても似つかない。しかし、ナギくんは美少年、幸生は……とは、ポチは言わないでおいた。

「やっぱり花火は苦手だよ。僕は帰るから」
「帰るの? 俺をひとりぼっちにするつもり?」
「ユキちゃんだったらひとりでもへっちゃらでしょ」

 それにね、ひとりではないよ、とこっそり言って、ポチはびゅーんとテレポートして宮田のおじいちゃんのうちに帰ってきた。

 が、幸生を遠くから見てはいる。
 ひとりでもへっちゃらだとポチが言ったのは、幸生の性格だ。ポチの想像通り、誰とでもすぐに仲良くなる幸生は、北海道は浦河の牧場で馬のお世話をさせてもらいながら、大勢参加しているゲストと次々に親しくなっていっていた。

 ただ、マコトと幸生はポチの通訳を介さないと会話はできない。このたびの企画の主催猫であるマコトは、ゲストの接待をしなくてはいけないので忙しくて、幸生とばかり遊んではいられない。とはいえ、マコトは猫なのだから一日に何度も昼寝をする。マコトが眠ってしまうと、ポチは彼の夢の中に入っていった。

「たまおばあちゃんとはお話もしたんでしゅよ。ぼくとは猫同士だから、姿は見えなくてもなんとなくわかるんでしゅ。でも、人間にはたまおばあちゃんは見えていないみたいでしゅね」
「ナギくんには見えるんじゃないの?」
「ナギくんもなんとなーくって感じみたい。ぼくはナギくんともお話はできないから、聞いてないんだけどね」
「そうだね」

 和歌山に立ち寄って幸生がアルバイトをしていたすこし前に、近くの駅の名物猫、駅長たまが逝ってしまった。もっと早く来ればよかったな、と後悔していた幸生の気持ちを読んだのか、あるいは、幸生には魔法使い犬ポチの影響があらわれていて、たまの魂と共鳴したのか。

 明確な理由はたまにもポチにも不明だが、たまが幸生の肩に乗っかって北海道までついてきた。たまがそこにいるとはっきり理解したのはポチだけで、マコトとナギがぼんやり気づいた程度らしい。ナギは超能力を持っているようだが、ポチの魔法とは種類のちがうものらしい。

 なのだから、たまの魂は適当にそこらへんをふらついていて、マコトが時々その存在を察知するようだ。死んでしまった猫なのだから、人間たちにはたまがいると知らせないほうがいいのだろう。ひょっとしたらなんとなくは感じている人もいるのかもしれないが、霊魂なんてものはない、というのが人間の常識なのだから。

「マコトもたまも、花火って怖くないんだよね」
「ぼくは怖くないから、たまおばあちゃんも怖くはないんじゃないかにゃ。ポチはどうしてそんなに怖いの?」
「あの音がね……ううう、花火や雷の音を聴いてると、じっとしていられなくなっちゃうんだよ」

 マコトと花火の話をしていて、ポチはふと思いついた。
 このたびのイベントのクライマックスは花火大会だ。そのときに、魔法使いとしてできることをしよう。幻の花火を、猫が大好きなひとが多いはずの参加者たちに見せてあげよう。

「わーっ!! 綺麗だなぁ」
「静かになると聞こえる太鼓の音が、最高のB.G.Mになってるよな。かっこいいな、この音」
「かっこいいね。ミツルも叩かせてもらってくれば?」
「教えてもらってるんだけど、むずかしいんだぜ」

 当日、ポチは幸生の目を半分借りて、花火大会を見ていた。花火の音や太鼓の音は遠くにいるのだからシャットアウトできて、人々の会話だけをテレパシーでキャッチする。幸生はナギとミツルの双生児の近くにいるようで、彼らが話しているのも聞こえてきた。

「すごーい!!」
「最高っ!!」
「たーまやーっ!! かーぎやーっ!!」

 たまやー、というのは花火見物の際の掛け声だと、飼い主の宮田のおじいちゃんがポチに教えてくれた。よし、今だ!!

「うわーっ!!」
「え? えええ? 猫?」
「猫型花火だっ!!」

 夜空に光が猫の顔を描き出す。耳も髭も大きな丸い目も完璧に花火として表現されていて、猫の鳴き声までが聞こえてきた。

「あれ……三毛猫……」
「どこかで見たことあるよね。幸生さん、和歌山に行ったって言ってなかった?」
「うん、言ったよ」
「和歌山ったら……」
「そうだ。幸生さんが連れてきたんだよ」

 駅長たまだっ!! そうだ、たまだよっ!! と何人も何人もの人間の叫び声が、ポチにもリアルに聴こえてきたような気がした。

「幸生さんはお土産を買ってこなかったって言ってたけど……」
「最高のお土産を持ってきてくれたじゃんっ!!」
「……いや、あの……」

 ポチ、きみがやってるんだろ? と幸生が心で呟いているのが、ポチにもわかった。

「ほぉぉ、私はこんなんやねんな。ほぉぉ、私が花火になったんか。うんうん、これはええ冥土の土産ができたな。ポチ、ありがとう。おおお、たま、かっこええでっ!!」

 本猫たまの霊魂もご満悦のようだ。たまやーっ!! たまやーっ!!! と、「かぎや」はなくなって「たまや」一色の、人々の歓声が続いていた。

END

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~ Comment ~

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ももくりちゃんのお話読みに来たら、こっちの続編が!
(ももくりちゃんの絵もちょっとずつですが進めているんでもうちょっと待っててくださいね)

ナギくんにミツルくんまで登場している!
タマちゃん花火か!しかも声付き(笑)素敵なお土産ですね♪
たまやーとかぎやーに引っ掛けてるとはさすがあかねさん!発想力がすごいです( ´∀`)bグッ!
駅長たまちゃんもこのお話と同じように喜んでくれると思います(^_^)

私のとこでも先日花火大会があったのですが、ドラえもん花火(たぶんですが……私にはそう見えました!)が打ち上がったのをこのお話読んで思い出しました(笑)

たおるさんへ

わーい、モモクリも描いて下さっているのですね。
楽しみに待っています。

こちらもお読みいただいてありがとうございます。
こそこそっ、とか言いながら、コメントいただけるととーっても嬉しいです。

前のところにたおるさんが、たーまやー、と書いて下さって、あ、たまだ、と思ったところから、ここへつながりました。

ドラエモン花火ができるんだったら、三毛猫花火だってできますよね。
これはポチの魔法ですので、大海さんのイベントに参加なさったゲストの方にしか見えないんですけどね。

花火大会、今年も行けませんでした。
一度、神戸港の花火が見たいです。
ヒデも見たかな。

わは

花火大会記事もありがとうございます!
そうかぁ、たまの花火、それは素敵です。みんな楽しかったろうなぁ~
記事のランナップにアップしました。
あ、うちの方でも幸生くんに登場いただきました。また遊びに来てください(^^)

大海彩洋さんへ

こそこそっとと言いながら、コメントいただけて嬉しいです。
ありがとうございます。

最近、ネットの調子が良くなくて、よそさまのサイトにコメントがしにくいのですよね。特にFC2は相性がよくないようで、できたりできなかったりなのです。

ユキが大海さんのサイトに?!
嬉しいです。
ユキ、お行儀よくしてるかな?

このオフ会企画の小説ですか?
さっきちらっとは見せてもらったのですが、またじっくり読ませていただきにいきます。

拍手ありがとうございます

正続ともに、拍手下さった方に感謝です。
今後ともよろしくお願いします。

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