ショートストーリィ(花物語)

花物語2015/七月「夏の花」

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花物語2015

七月 「夏の花」

  戸口にあった花は、今朝はくちなしだった。昨日は朝顔、一昨日は鳳仙花、その前日はおしろいばな、そしてその前日はたちあおいの花。毎日どこからともなく届く花を、葵は押し花にして保存してある。花が届きはじめて十日になるのだった。

 壬生界隈へは北部の田舎から、花売りがよくやってくる。葵の家でも父の命日などにはささやかな花を買った。しかし、毎朝届く花は、花売りが売りにくるたぐいの花ではない。夏の庭先に咲く、いけ花にもふさわしくない花ばかりだ。

 誰かしら、花を届けてくれるのは。葵はひとりごちる。あの方であればどんなにいいだろう、と考えるが、そんなことがあるはずがないとも思う。そもそも彼にはそんな暇もなければ、そんな行為を思いつくような男でもない。

 そんな人ではないけれど、そうだったら嬉しいな、と葵は思う。たちあおいという、葵の名の入った花もあったではないか。最初の朝はすこししなびた紫陽花の一輪だった。二日目は月見草、三日目はてっせん。紫陽花はじきにしおれてしまったが、三日目あたりから葵は、花を捨てずに押し花にした。もしかしてあのひとが、とかすかな希望があったからだった。
 明日はなにかしら。葵はくちなしの芳香を吸い込み、家の中に入っていった。


 草むらでにぃと小さな鳴き声がした。仔猫? 葵は声の主を探して草の中に足を踏み入れた。仔猫の声にちがいない。ちいさなちいさな身体をした仔猫は草にうずもれてしまい、にわかには姿が見えないのだが、目をこらすとすこし先で草むらが音を立てた。

「にゃんこちゃん、にゃんこちゃん」
 にぃぃと声ばかりが聞こえる。素早い猫だ。ここかと思えばまたあちら、といったふうに、草の動きが移動する。

「どこにいるの」
「なにを探しておるんじゃ」

 聞き覚えのある声がして、むさくるしい身なりの男が葵に声をかけてきた。

「にゃんこか」
「あ、はい。そこらへんにいると思うんですけど」
「わしが探してやろうか」
「いえ、けっこうでございます」
「なら、一緒に探そうや」
「いえ、急ぎの用がありますので」

 たった今、猫を探しているのを見られたというのに、急ぎの用もないものである。だが、葵はこの男とは関わりたくなかった。
 十日ほど前、夕方に仕立物を依頼主に届け、夕食のために豆腐を買って帰ろうとした。今夜は冷奴と焼いた鯵。ごちそうだった。母が待っている。葵は買った豆腐を大切に持ち、急ぎ足で家路をたどっていた。そんな葵の前にふたりの男が通せんぼをしたのだ。

「うまそうじゃの。わしといっしょに食わんか」
「酒のつまみにしたいもんじゃな。娘さん、わしらと来んか。豆腐をつまみに飲もうぜよ」
 ときおり京でも聞く西のなまりのある、若いふたりの浪人ものだった。

「急いでおります。道をお開け下さい」
「ちっくとくらいええじゃろ」
「ちっくとつきおうちゃりや」

 夕暮れ近い道に人通りはなく、葵は困り果てた。腕ずくで来られては勝ち目がない。隙を見て走り出そうと決めたとき、別の男が割って入った。

「京の娘さんをからかうもんやないきに」

 ふたりの浪人と大差ない身なりの、同様に若い男だった。浪人たちは不服そうであったが、同郷でもあったのだろう。意外に素直に男に従い、舌打ちを残して歩み去った。

「あいつら、なんも悪気はないきに、こらえたってくれや」
「はあ、別に……あの、ありがとうございました」
「いやいや、礼には及ばん。わしは堀尾雄之進ちゅうんじゃが、あんたの名前は?」
「……葵と申します」

「きれいな娘さんじゃのう。帰って晩飯か。わしもあんたとメシを食いたいが、そんなこと言うたらさっきの奴らと同じになってしまう。気いつけて帰りや」
「はい、どうもありがとうございました」
 猫を探そうと言っているのは、そのときの男、堀尾であった。

「あ、ほら、あそこにおるぞ」
 べつだん彼には嫌悪を抱いてはいないが、葵は他の男とは誰であろうとも関わりたくないのである。自分のほうが夢中になってしまって、草むらをかきわけている堀尾をそこに残して、葵はさっさと逃げ出した。


 またたちあおいだった。そろそろネタがつきたのかと葵は笑う。が、今朝は花だけではなく、花とともにちいさな箱があった。箱がわずかに動いている。

「え?」
 そおっと箱の蓋を開けてみると、中からなにかが勢いよく飛び出してきた。
「あ、にゃんこちゃん!」

 飛び出した仔猫がだっと逃げる。葵は追いかける。ちいさいとはいえ、人間の足はとうてい猫にかなわない。相手はほんのちっぽけな身体をしているのだから、どこにでもぐりこめるだろう。葵はやがて諦め、きびすを返そうとした。かつおぶしか煮干でも持ってきて、えさで釣って呼んでみようかと思案する。

「葵さんだったな。にゃんこちゃんと呼んでいたね。あなたが探してるのはこの猫かな」
 ちいさな猫をふところに抱いた、やや小柄な武士が葵の前に立った。葵の名を知っている、ということは新選組の者か。葵にも見覚えはあるのだが、名前が出てこない。

「はい、あの、その猫ですけど」
「私はなぜか猫に好かれるんだよ。今も朝の散歩をしていたら、この猫が飛びついてきた。そうしたらあなたの声も聞こえた。あなたは斎藤くんの……なんというか、いい人というのかな。恋仲の葵さん、そうだね」
 恋仲などと面と向かって言われると、返事ができなくなる。

「私のことはごぞんじないかな。山南敬助です」
「あ、山南さま……いえ、お噂はかねがね……はじめまして、葵でございます」
「私はお見かけしたことはありますよ。だが、ほとんどはじめましてのようなものだな」

 新選組では斎藤を別格とすると、土方、沖田、山崎あたりとはわりあいに深く関わっている。以外の男たちはあまり知らないし、山南は名前こそ知っているものの、葵の感覚では初対面ようなものだ。

「猫を抱いてると暑いね。この猫はあなたの飼い猫というわけではないんだろう。飼い猫なら名前くらいつけてるはずだ」
「飼ってるわけではありませんけど」
「だったらなぜ探していた?」

「飼えればいいなあと。でも、うちではそんな余裕はありませんし」
「可愛い仔猫だが、新選組で飼うわけにもいかないな。では、離していいのかな」
「その前にすこし抱かせて下さい」
 山南の腕から葵の腕へ移された猫は、みぃぃと可憐な声を立てた。

「おなかがすいてるの? うちでなにかあげたいけど、居着かれると長屋のみなさんに怒られそうだし。それよりあんた、どうやって来たの? 誰かが連れてきたの?」
「なにかあったんですか」

 話しかけるのに熱が入って、山南の存在を一瞬忘れていた。葵ははっとして、この猫が今朝箱に入って戸口に置かれていたと話した。

「誰かが捨ててったのか」
「昨日、あっちの草むらで鳴いてたんです。あの猫だと思います。もともと野良猫のはずなんですけど、どうしてかうちに」
「野良猫をわざわざ箱に入れて、葵さんの家の前に置いていくとは、解せないな」

「そうですわね。誰がやったんでしょう」
「こんな話を私としていても仕方ないか。斎藤くんを呼んできてあげたいところだが、斎藤くんは十日ほど前から大坂に行ってるんだ。そろそろ帰ってくる時分だがね」

 では、花は斎藤ではない? 誰かに託すということも考えられるが、そこまでやるわけはないだろう。葵はがっくりし、別の男に思い当たった。

「昨日、猫を探していたとき、堀尾さまというご浪人さまが……」
「浪人? 長州者ではないだろうね」
「なんとかぜよ、だとか、なんとかじゃきに、というふうに話されてましたけど」
「すると土佐かな。言葉をちがうものにして、出身をごまかしているとも考えられるが」

 いつか斎藤が言っていた。山南さんって人は理屈っぽい。なんでも深く考える。土方さんと似たところもあって、だからあのふたりはうまく行かないのかもしれないな、と。
 今も猫に端を発した些細なことを、けっこう真剣に考えている。斎藤ではないとほぼ決定したので、葵は毎朝の花についても話した。

「花を……なんのまじないだろうか。しかし、あなたはとりたてて被害を受けているわけではないんだね」
「別に被害はございません」
「そうか、では、よく考えてみるよ」
「はい、失礼いたします」

 腕組みをした山南が歩み去り、葵は猫を抱いたまま引き返そうとした。

「やあ、葵さん、また会うたのぉ」
 堀尾だった。

「その猫、やっとつかまえたんじゃ。気に入ってくれたか」
「あなたさまだったのですか」
「ああ。そんなに大事そうに抱っこしてくれて、嬉しいぜよ。だんだんとわしの想いがあんたに伝わっとるんじゃのお」
「はあ……」
「花も気に入ってくれとるんじゃろ。毎朝大切そうにうちの中に持って入りよる」

 やはりこの男だったのか。どこで毎朝見ているのだ。葵の背筋がぞぞーっとした。それにあの花、いったいどうやって手に入れたのだろう。花の種類からすると、よその庭から失敬してきたのかもしれない。訊いてみる気も起きなかった。

「お返しします」
「猫をか。返されたら困る」
「私も困ります。うちでは飼えません」
「なにも照れんでもよかろ。わしはあのとき、あんたにひとめ惚れしたんじゃ。あんたもわしを想うてくれとると知って、わしは嬉しい。わしは果報もんじゃ」
「私はあなたさまを想ってなどおりません」
「またまた、照れのうてもえいと言うちょるじゃろうが」

 うちに帰ったら押し花をみんな捨てよう、と葵は決意したが、堀尾は猫を受け取らない。

「わしの真心のしるしじゃ。どうしても返すと言い張るんやったら、猫鍋にして食うてしまうぞ」
「そんなこと、やめて下さい」
 ぎゅっと抱きしめると、猫がむぎゅっというような声を出した。堀尾が満足げにうなずく。

「やっぱり可愛いんじゃろ。わしの真心のあかしやきにな」
「そういうわけではなくて」
「猫も可愛らしいが、あんたはもっと可愛いのぉ。どうじゃ、今朝は暇がありそうじゃき、わしとちっくと歩かんかね」

「そんな暇などございません」
「猫を追っかけとったじゃないか。そんな暇はあるんじゃろ。なんにもせんて。そういうことはじっくりのんびりやるもんじゃきに、わしは焦りも急ぎもせんよ。じっくりゆっくり仲良うなろう。わしの真心に十分に触れたら、あんたの中に育っとる恋心っちゅうやつが、こう、ほんわかとますます育って、もはやわしとは離れらんようになる。保証するぜよ」

 あんたの中に育っている恋心? この男にか。なにを言い出すのだ。この男、頭がおかしいのではなかろうか。だが、葵にははっきりとは言ってやれない。男に向かってぴしゃりときつい台詞を吐くなどと、そんな教育は受けていない。

「堀尾さまとおっしゃいましたね。なにか誤解されておられます」
「名前も覚えてくれたんか。堀尾やなんぞと他人行儀な呼び名はやめて、雄さまとでも呼んでくれんかの。わしも葵と呼んでええか」
「ですから、あの……」

 他人ではないか。雄さまだと? 葵だと? 葵は困惑のきわみになって、言葉が続けられなくなってしまった。
「照れとる姿もえいのお。な、葵、行こうや」
「やめて下さい」
 いい加減にしたらどうですか、と声がかかった。

「あんたもまあ、よくそれだけおのれの都合のいいように解釈できるものだな。娘さんは迷惑してるんだ。わからないのかね」
「あんた、誰ぞね?」
「新選組総長、山南敬助」
「新選組じゃと?」
 堀尾は一歩あとずさった。

「土佐のお方かな。土佐はべつだん我々と敵対しているわけではないが、あまりしつこくすると同行してもらうことになりますよ。あなたがまことに土佐の人なのかどうか、怪しいものでもあるし」
「わしは土佐の生まれじゃ。そんなこたあどうでもいいし、あんたにゃ関係ないじゃろうが」

「関係はある。この娘さんは、我々の仲間の許婚のようなものだ」
「嘘つけ」
「本当ですよ。葵さん、そうですな」
 許婚まではまだとうてい行っていないのだが、葵はうなずいた。

「嘘じゃ。葵はわしに惚れとるんじゃ」
「いったいなにをどうしたら、そんなふうに解釈できるんだろうな。私はいっそあんたのそのあつかましさがうらやましいよ。葵さんはあんたになどかけらも惚れてはおらん。葵さんが惚れてるのは私の仲間の新選組の男だ」
「葵、ほんまか」
「葵などと呼び捨てになさらないで下さい。山南さまのおっしゃることは本当です」

 ようやくはっきり口にしたのだが、堀尾は首をひねった。
「ほんならなんでじゃ。わしの届けた花をあんなに大事にうちの中に持って入ったやないか。頬ずりまでしとったくせに」
「それはあの、他の方が下さったのかと……」
 口ごもる葵の中途半端なひとことで、山南は察したらしい。

「許婚が届けてくれてると思ったんだ。あんたがくれたせいじゃない。頭を冷やしてよく考え直してみなさい」
「おかしいのぉ。わしが助けてやったときも、あんたはあんなに感謝してくれたのに」
 他の浪人にからまれていたのを助けてくれたのは事実だと葵が言うと、山南はうなずいた。

「普通、そういうところを助けてもらったら、嫌いな男でも娘さんは感謝するものだ。まったくあんたは、なんとも思い込みが激しいというか」
「はあ、そうなんか。わしに惚れとらんのか」
「はい」
 全然惚れてなどいません、との想いを込めて強く見返すと、堀尾はうなだれた。

「なーんじゃ。生きてるはりがのうなってしもた。けど、わしはあんたを可愛いと思うとる。その許婚とやらと別れたら、いつでもええからわしを訪ねてきとうせ。待っとるきに」
「そういうことはないはずだがね」
「ありません、そんなこと」
「まあそう言わんと」

 まだぶちぶち言いつつ、それでも堀尾は背を向けた。堀尾の姿が遠ざかると、山南は葵に微笑みかけた。

「始末の悪い男だ。だが、まあ、新選組の名は通用しそうだな」
「ありがとうございます」
「私はなにもしてないよ。そうか、花をね。斎藤くんはとうていそんなふるまいはしそうにないが」
「私もそうも思ったのですけど」

「もしや、とね。斎藤くんもたまにはそのくらい……いや、らしくないな。このことはやはり、斎藤くんには内緒かな」
「不愉快になるかもしれませんので」
「そうだね」

 じっと見つめられると、葵は居心地がよくない。温厚そうでいて、目の光は鋭い男だ。

「しかし、なんとなく憎めない男ではあるな」
「あの方がですか。私にはそうは……」
「そりゃあそうだ。今度もし奴がからんできたら、今度こそ斎藤くんにちゃんと告げなさい。斎藤くんなら私のような手ぬるい真似ではすみそうにないが、あまりにしつこいときは斎藤くんの手荒な手段も有効だよ」

「はい、そうします。でも、斎藤さまはそんなに手荒いふるまいをなさいますか」
「やると思うな。なんといってもあなたは、斎藤くんの大切な大切なひとなのだから」

 そんなにも大切に想われているとは、葵には実感が少ないのだが、心がぽわんとする言葉だった。

「送っていきましょうか」
「近いですから大丈夫です」
「いやいや、まだ奴がそこらをうろついているかもしれない。時に、その猫はどうします」
「どうしましょうか。うちは長屋ですから、飼うわけには参りません」
「なら、私が引き取りましょう。なんとかなるだろ」
「お願いしてもかまいませんか」
「ああ。あてはある」

 女のひとにでも預けて飼ってもらうのだろうか。詳しく訊くのははばかられるが、その方が猫を可愛がってくれるようにと祈りつつ、葵は仔猫を山南に手渡した。

「葵さんはご両親と暮らしておられるのか」
「父は先年みまかりました。母とふたり暮らしです」
 そんな話をしながら葵の住まいにたどりつくと、山南は手を上げた。
「では」
「本当にありがとうございました」

 新選組は狼だなどといわれているけれど、そうではない男が大半だと葵は知っている。あんなふうに知的で穏やかな山南も、狼のようには決して見えなかった。
 立ち去っていく山南を見送っていると、しばらく会っていない男の姿が見えた。旅支度の斎藤一と沖田総司が歩いてくる。葵は咄嗟にものかげに隠れた。

「山南さんがなんだってこんなところにいるんですか」
「ここは……」
「葵さんの住まいの近くですね。まさか葵さんになにか……」
「総司、なにを早まってる。なにもないよ。葵さんに猫をもらったんだ」

 ちいさな猫の鳴き声も聞こえた。
「なんで山南さんが葵に……」
「うわ、ちっちゃいな。可愛いな。俺にも抱かせて下さいよ」

 猫を沖田の腕に抱き取らせ、山南は微笑んだ。

「葵さんがこの猫を拾って、困ってるところに出くわしたんだ。飼うわけにもいかないと言うから、それでは私が引き取ろうと言った。それだけのことだよ。ところで斎藤くん、きみもたまには葵さんに花でも贈ったらどうかね」
「花ですか」
「ほら、むこうから花売りが来た。ちょうどいい。葵さんにはしばらく会っていないんだから、花を持って寄ってくるといい。総司、先に帰ろう」
「はあ、いいですけど、山南さん、なんか変だな。花ってのはまたどうして」

「娘さんは花が好きなものだ。花売りを見て思いついただけだよ」
「この猫、どうするんですか。屯所で飼えませんかね」
「そいつは無理だろ。心当たりを当たってみるよ」
「そうですかぁ。こら、ひっかくな」

 大原女と呼ばれる花売りであろうか。頭に籠をのせた中年の女から、怪訝そうにしながらも斎藤が花を買っている。首をかしげっぱなしの沖田を促して、山南は屯所のほうへと歩いていった。葵は大急ぎで家に引っ込む。

「朝早くからご無礼いたしますが」
 声と同時に戸を開けた。斎藤がむつっとしたまま花を差し出す。小菊の花束だった。

「いらっしゃいませ」
「今、そこに花売りがいた」
「私にですか」
「おまえ以外の誰に花なんぞ。花を買ったのなんかはじめてだよ。足がむずむずする」
「そんな、大げさな」

 抱きしめた花束に、葵は顔を寄せた。小菊には特に香りはないけれど、愛しくてたまらない。

「ありがとうございます。嬉しいです」
「うん、いいけどな。身支度もすんでるようだ。ちょっと歩くか。大坂からの帰りなんだが、すぐには戻らなくてもよさそうだ。おまえと朝の散歩なんて、めったにできないから」
「はい」

 花束を台所の水につけておいて、葵はいそいそと外に出た。こんなことでもなければ、斎藤が花をくれるなんて永遠にあり得なかっただろう。山南と、ついでに堀尾にもほんのちょっと感謝して、葵は夏の朝の光の中へ出ていった。

                                       
END

2004/8/21
という日付が残っていました。
新選組ばかり書いていた、そのころに書いたお話です。









 
 
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~ Comment ~

NoTitle

昔に描いた作品なんですかね。
新撰組に関する時代もの・・・になるのですかね。
ちょっと作風が違うものが垣間見れて新鮮な気持ちで読んでおりました。
(*^-^*)

LandMさんへ2

こんなのもお読み下さって、ありがとうございます。

そうです、十年以上前に書いたお話です。
このころは大河ドラマで「新選組!」をやっていたか、放映はその前の年でしたか。新選組好きの間では盛り上がっていました。

ここに出てくる山南さんは、堺雅人演じた山南敬助に似てます、我ながら。

新鮮だと言っていただけて嬉しいです。
「新選組」ですものね。(^o^)
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