BL小説家シリーズ

「おんなごころ」

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このシリーズにはBL小説家、桜庭しおんの小説がいきなり出てきます。
過激ってほどでもないかもしれませんが、嫌悪感を抱きそうな予感のある方はごらんにならないで下さいませね。


「 おんなごころ」

1

 この世界には実にいろんな奴がいるんだよな、と桜庭しおんは、目の前にいる少年と女を見つめた。長年この世界に身を置いているしおんとしては、今さら驚きもしないのだが、彼女たちが書いている異世界の住人めいた美少年を実際に目にするのは、なかなか珍しい体験だった。
「シルって呼んでね。ペンネームはシルヴィ・大塚っていうんだ」
「この子の本名はね」
「コータロー先生、言っちゃ駄目」
「いいじゃん。本名は銀二っていうの。大塚銀二」
「銀だからシルか」
 別にユニークでもないや、としおんは思うが、シルは真面目にうなずいた。
「だって、ぼくのイメージに合わないでしょ? 銀二なんてさ。シルのほうがぴったりだもん。コータロー先生もそう思わない?」
「うん、ぼくもそう思う」
「俺はどっちだっていいけどさ」
 字面ではどれが男でどれが女だかさっぱりわからない。昨今の若者は男も女も大差のない言葉づかいをするし、しおんの所属する世界に徘徊する若者はまた、名前までが性別不明なのである。
 むろんペンネームなのだが、コータローと名乗り、ぼくと自称する人物は女。俺と自称するしおんも女だ。シルと呼んでね、と可愛らしく小首をかしげたのが正真正銘の男。しおんの世界のアマチュア小説家には、男名前を使う女がやたらに多い。コータローの場合は彼女が愛するミュージシャン、浩太郎の名前をそっくり拝借していた。
 アマチュア時代にはしおんも、いくつものペンネームを遍歴した。しおんがこの世でもっとも愛しているミュージシャン、中根悠介の名をもじって、根来悠之介と名乗っていた時期もある。プロデビューしてからは名も売れたので、桜庭しおんに落ち着いているが、本名は死んでも口にしたくないのであった。
 プロになっても同人誌の世界から足を洗わない者も多く、しおんもまた同類だ。同人誌代表はずっと昔なじみの閨呪杏がつとめているが、気まぐれな彼女は同人誌の名前をころころ変える。今の中心誌は「遥かなる闇」といい、男性同性愛をテーマにしていた。テーマだけは永久不変なのだ。
 代表者の名前もまた凄まじく、「ねや・じゅあん」と読む。本職は堅気の主婦で子供までいるのだが、この世界には子持ちの主婦も少なくない。無関係の者からは異常な世界だと迫害され、愛好者には熱狂的に歓迎される。しおんたちが所属するのは、現在では「ボーイズ・ラヴ」とも呼ばれ、「耽美」とも称される一派であった。
「書いてきたのがあるんだろ。しおん先生に見せなよ」
「えー、読んでもらえるの。ぼく、恥ずかしいな」
 職業作家であるしおんは先生と呼ばれても普通であろうが、アマチュアであっても互いを先生と呼び合う。あるいは、さま付けで呼び合う。しおんもアマチュアのころからしおん先生、しおんさまと呼ばれて慣れっこになっているが、ばかばかしいので仲間のアマチュアにそんな呼び方はしない。
「これか」
 ごく短い作品だったので、しおんはワープロで書かれた短編にざっと目を通した。シルはわくわく見守っている様子だ。
「優しい闇がぼくを包む。優しい腕がぼくを包む。忍者修行でへとへとになったぼくは、愛する紫丸さまの腕の中で目を閉じた」
 そこまで読んでシルに質問した。
「むらさきまるって読むのか?」
「ゆかりまる」
「そういう特殊な読み方にはルビを振れ。基本だぜ」
「はい、わかりました」
 素直でよろしい、としおんはうなずいて、続きを読んだ。
「忍者ってしんどいよねぇ。けど、きみは自分で望んで忍者の国に来たんだろ。シルヴィ、弱音を吐いてはいけないよ」
「やーだ。声に出して読まれると照れちゃうよ」
「こら、シル、おまえは基本がなっちゃいねえんだ。台詞は鍵括弧でくくって改行する。それからこれはいつの時代だ」
「忍者が活躍してたのっていつごろ?」
「戦国時代かな」
「じゃあ、そのころ」
「じゃあ、そのころってなあ。そんな時代になんでシルヴィなんて名前なんだよ」
「だって、主役はぼくだもん」
「どうしてもシルヴィにしたいんだったら、ハーフって設定にでもしろよ」
「その手があるんだね。さすが、しおんさまはプロ」
 当たり前だ、と舌打ちして、しおんは声を出して読み続けた。
「疲れちゃった、紫丸さま、ぼくを抱いて。こう? もっと強く、あはん、うふん、……ああ、死ぬ」
「ああ、死ぬ、なんて書いてる?」
「俺が言ったんだ。こんなものを読んでると死ぬ。忍者修行はどうでもいいから、基本の修行をして出直してこい。あはん、うふん、やあん、の羅列で小説になるか」
「しおん先生はきびしいんだよ」
「コータロー、おまえもアホか。こんなものはきびしい以前の問題だ」
 あはん、うふん、が延々続き、はっはっとシルヴィの息が荒くなり、もっと抱いて、好きだ、が繰り返され、ああん、紫丸さまぁ、好き、で終わっていた。忍者の国が舞台である設定にはなんの意味もない。
 しおんの仲間たちの書く小説は、ここまでひどくはなくても近いものがほとんどだ。しおんがメインの仕事をしている「月光書房」のボーイズ・ラヴ専門誌では新人賞の公募をしており、しおんは編集者の命令で毎年応募作を読まされる。中にはしおんの仲間たちの名も見かけるのだが、おまえなぁ、こんなものしか書けないから、いつまでたってもくすぶってんだよ、と言いたくなる作品や、おまえはもう作家志望は断念しろ、地道にOLでもやってろ、と言いたくなる作品が大多数であった。
 新人賞に応募してくる作家の卵たちは、ボーイズ・ラヴでなくても大同小異なのかもしれないが、とりわけこの世界には駄作が蔓延している、と読むたび感じるしおんだった。
「コータロー先生。ぼくってそんなに下手?」
「いいんだよ。きみにはその顔がある。ぼくはきみのその顔だけでも、ぼくらの仲間になる価値があると信じてるんだ」
「そう言ってもらって嬉しい。ぼく、がんばる」
「そうだよ。シル、がんばってね」
 顔以外には値打ちがない、って言われてるんだぞ、と言ってやるのも虚しくなって、しおんは立ち上がった。
「俺は忙しいんだ。帰るぞ」
「またねー」
「しおん先生ってかっこいい。ぼく、恋しちゃいそう」
「シルはゲイじゃないの?」
「ちがうよ。ぼくは大人でかっこよくて、男らしい女のひとが好きなの。包容力っていうのかな。ぼくを思い切り甘えさせてくれて、思い切り可愛がってくれる年上のひとがいい。しおん先生はぴったりだよ」
「なんだ。ゲイじゃないのか。つまんない。シル、しおん先生は駄目だよ。カレシがいるの」
「しおん先生にカレシ? やだぁ。そんな俗っぽいのやだ」
「やだと言ってもね」
 脱力感はなはだしく、しおんはバイバイとも言わずに喫茶店を出た。なじんだ世界ではあるけれど、まさしく我々の仲間は変な奴ばかりだとしおんは思う。自身も変な奴の一員だと認めてはいるが、あいつらよりはよほどまともだとも思う。
 俗っぽいとでもなんとでも言え。おのれのちっぽけな国で自己完結して、膝を抱えて陶酔しているだけの毎日には飽き飽きしたんだ。俺はまともだぞ、としおんはひとりで力説していた。
「俺、まともだよな」
 あのふたりには言ってやらなかったが、今日のしおんはデートのついでにコータローにつきあってやったのだ。すっげえ美少年を連れてくよ、と言われて興味が湧いたせいもあるが、ついでがなければ出てこないところだった。その主な行事の相手、沢崎要が待ち合わせた別の喫茶店にやってきたので、しおんは早速訊いた。
「なんだ、だしぬけに」
「まともだと言え」
「言えればいいんだけど、俺と言うような女は絶対にまともじゃない」
「なんだとぉ」
「男に向かってなんだとお、も、まともな女の台詞じゃない」
「おまえは古いんだ」
「男をおまえと呼ぶ女も断じてまともじゃない」
「くそ、くそくそ。もういいよ。くそくそ、もまともじゃないと言いたいんだろ。ほっとけ」
「そんな女を好きな俺も、まともな男じゃないのかもな」
 ぐっと返答に詰まった。
「ま、いいか。悠介は元気?」
「悠介さんは変わりないけど、司の奴が変だ」
「どう変なんだ?」
 そもそもは要が警察官の服装で、しおんのマンションを訪ねてきたのがすべての発端だった。パトロール中だった現職警官の要が誰かに似ていると感じたのも道理。要は沢崎司の実の弟だったのである。沢崎司とは、しおんが熱愛する中根悠介のバンドのメンバーで、要に会うと、悠介は元気? と尋ねるのが挨拶がわりになっていた。
「彼女と別れかけてるらしい」
「へええ。野枝っつうんだよな。小樽にいる彼女だろ」
「そうだ。遠距離恋愛はつらいものがあるらしいよ」
「悠介なんかもっと遠距離じゃん。おまえの兄貴はどうでもいいから、悠介が彼女と別れりゃいいのにさ」
「悠介さんのほうは安泰だよ。しおん、おまえ、悠介さんが彼女と別れたらどうするんだよ」
「あたしじゃかわりにならない? なんて迫るとか」
 あたし、と口にすると冗談でも吐き気がする。悠介の口調を模倣してはじめたカンペキ男言葉が、今ではすっかりしおんの地になってしまっていた。
「おまえを悠介さんが相手にするかよ」
「やってみなきゃわかんねえよ」
「本気か」
「さあね」
 声が低くなり、顔つきが険しくなる要を見ているのが心地よい。妬いてる、妬いてる、と思うとぞくぞくする。
「俺は今でも悠介命だもん。タトゥでも入れようかな」
「俺を怒らせたいのか」
「うん」
「……おまえって奴は」
「俺って奴はこんな奴なんだよ。知らなかったのか」
「知ってる。知っていながら惚れた俺が馬鹿なんだ」
 もっと言って、と口に出せないしおんは、ますます要を苛めたくなるのだった。
「いつまで悠介さんにこだわるんだよ。あのひとは遠いひとだぞ」
「死ぬまでこだわる。俺の原点は悠介なんだ」
「原点は悠介さんでも、今は俺がいるってのに」
「それはそれだよ」
「しおん、はっきり言う。身も心も俺のものになってくれ」
 どきっとした。身も心も?
「おまえの言い方、古い。ださい」
「古くてもいい。俺は根の古い男なんだよ。なんだってそんな俺がそんなおまえに惚れたんだか、今でもよくわかってないけど、惚れてるのはまちがいない。俺はおまえのものになり、おまえは俺のものになる。いやなら帰ればいい」
「演歌みたいだ」
「なんだっていいんだよ。どっちだ?」
 帰る、と席を立てばこれっきりになるのだろうか。ほんとは俺だって……ためらってうなずけずにいるしおんの腕を、要が強引に引っ張った。


 男同士のベッドシーンなら数え切れないほど書いてきたけれど、自分がその女役になる日が来ようとは、しおんは想像もしてみなかった。いや、想像はしたけれど実を結ばなかった。俺、女だったんだよなぁ、と、しおんはベッドで今さらながら思う。
 長身で女っぽくない体型のしおんだが、胸のふくらみも腰のくびれも、すんなり伸びた腕も脚も、なだらかな曲線を描くボディラインのうしろ側も、本物の男とはまるでちがうのだ。しおんよりもさらに背が高く、鍛え上げた筋肉質の要の身体が、くちびるが腕が囁きが、しおんをどこか遠くへさらっていった。コータローやシルと会っていた時間の脱力感とは別種の脱力感が、しおんを包んでいる。
「なんて言えばいいんだろうな、こんなときは」
 なにも言わないで、と彼の口に指を当てる。空想ならできるけれど、実際の行為はしおんにはできない。ただ、黙っていた。
「寝たからって俺のものになったわけじゃない、とおまえだったら言うのか」
 ううん、とかぶりを振ってから、俺、女みたいだ、としおんはぼんやり思う。
「俺はおまえのもので、おまえは俺のもの。そうなったと思っていいのか」
 うん、とうなずいてしまう。
「よかった」
「でもさ、でもさ、俺、なんだかいやなんだ。俺は自分が女だなんて意識したくなかったんだよ。男でもないんだけど、女そのものになるのはいやだ」
「女なのにな。性同一性障害とかいうやつでもないのに、おまえの気持ちはわかりづらいよ」
「俺にもよくわかんない。これって、男と女じゃないか。おまえは男で俺は女だ。たしかにそうなんだけど、なんだかいやなんだ。くそ、俺は作家だってのに、うまく表現できねえよ」
「言いたいことはなんとなくわかるよ。おまえはそのままでいい。俺でもくそでも好きなように喋ればいい。実際にはまぎれもなく女なんだから、それだけでいいよ」
「ベッドでだけ女でいろって? そんなこと、できるんだろか」
「自然にそうなってたぜ」
「……ばかっ!」
 うわああ、女そのものだ。しおんの心が強烈に混乱する。男と抱き合ったそのあとで、男の言葉にばかっと叫び、叩いてやろうとした腕を引き寄せられて胸に抱かれ、胸の中でもがいてる俺。余裕で笑ってる要は男。男だ女だと拘泥する必要なんかない、とかつては思っていたけれど、こんなときはこだわってしまう。
「やだ」
「なにがやだなんだかわからないけど、俺はどうすればいいんだ」
「俺、気が狂う」
「女ってのは理解不能な部分が多いんだけど、おまえはまたとりわけ理解不能だよ。でも、しおん、俺はそんなおまえが好きだ」
「やだ」
「俺がおまえを好きなのがいやなのか」
「ちげぇよ。好きだからこそああしたんだろ」
「そうだよ。おまえも俺を好きだからこそ、ああしたんだろ」
「なのかな。そうなのかな」
「そうだ、決まってる」
「やだよ。気が狂うよ」
 俺って駄々こねてるみたい。しおんはホテルのベッドの軽い布団にもぐり込み、くぐもった声で言った。
「タバコ、くれよ」
 あれだけ書いてきたベッドシーンなど、かけらも参考にもならなかった。現実は現実で俺は女。受け入れるしかないのだろうか、と思いかけると心が反抗する。やだってば、やなんだよっ。
「布団から出て喫えよ。寝タバコは火事のもとだ」
「いいからくれって」
「出てきたらやるよ」
 筋肉質の腕が伸びてきて、しおんをベッドから軽々と引っ張り出す。ひょいとソファにすわらせたしおんの口に、要がタバコをくわえさせて火をつけた。
「プロポーションいいんだよな、おまえ」
 裸だった、と気づいたしおんは、そこらへんにあったシャツで身体を包んだ。着てしまってから要のシャツだとわかる。男の大きなシャツにくるまれた女。情事のあとの女そのもの。要はトランクスだけの姿で、裸身がひどく眩しい。
「ガリガリだもん、俺なんか」
「そうでもないぞ。スリムだけど、思ってたよりも胸が……いてて。ごめん」
 ライターを投げつけると、要の頭を直撃した。それでも要は余裕で笑っている。
「喋るなよ。俺は混乱してるんだ。おまえはそうやって余裕しゃくしゃくで、そういうの見てると頭に来る。何度目なんだ、女と寝るのは」
「こういうときにそんな話はするもんじゃないだろ」
「はじめてじゃないんだ」
 二十代後半の男がはじめてのわけはないのだが、たいして年齢のちがわないしおんには初の経験だった。なにやら悔しい。
「商売女が相手だったのか。それとも、年上の女に誘惑されてやられちまったとか。恋人、いたのか、前にも」
「だから、そんな話はしたくないんだ」
「俺はしたいんだ。言えよ」
「いやだ」
 言葉を発すれば発するほどに、しおんはどんどん女になっていく。それがどうしてもいやでいやで、しおんはシャツを脱いで要に投げつけ、服を着た。
「しおん、帰るつもりか」
「帰る。ついてくるな」
「なんだってんだよ。混乱するのは俺のほうだ。どうすりゃいいんだよ」
「知らねえよ」
 言い捨て、しおんは乱暴にホテルの部屋のドアを閉めた。ホテルの一室、たった今、俺は要とあそこでああしてああなって、そして出てきた。自己嫌悪というのでは決してなく、なんとも名づけようのない感情が、しおんの心で吹き荒れていた。


 八つ当たり八つ当たり、八つ当たりぃ、と胸のうちで騒いでいるのは、しおん自身の声なのだろうか。えい、くそ、馬鹿、くそったれ、意味もない罵り言葉を吐き散らし、しおんがあばれているのをネネがおろおろと見ている。
「しおんさま、しおんさま、どうなさったんですか。ネネはどうしたらいいんですか」
「おまえにゃ関係ねえんだ。帰れ」
「だって、お部屋が無茶苦茶」
「いいから帰れよっ」
「だってだって……」
 なにを騒いでるんだ、と外で男の声がする。あの野郎、ついてきやがった。頬がカッと熱くなり、しおんは力まかせにネネを突き飛ばした。ぽっちゃり小柄なネネはしおんより体重があるようだが、非力でか弱い。突き飛ばされてひっくり返った。
「しおんさま、ひどい」
「絶対にドアを開けるな。絶対にあいつを入れるな。俺の言った通りにしなかったら、おまえはアシスタントクビだからな」
「そんなの」
「うるさーい」
 うわあん、と泣き声を上げて、ネネが玄関に走っていく。身の危険を感じたのだろう。戻ってきたときには要のうしろに隠れていた。
「なにやってんだよ。泥棒に入られたあとみたいじゃないか」
「出てけ。泥棒はおまえだろうが。不法侵入で訴えるぞ」
「ネネちゃんに暴力をふるうな。荒れるのは勝手だが、他人に迷惑かけるな」
「うるせえ。命令すんな」
「要さまぁ、ネネ、怖いです」
「きみは別の部屋にでも行っておいで。こいつはこういうことをよくやるのか」
「たまにはありますけど、このごろは落ち着いてらしたんですよ。しおんさまには要さまというカレシができて、気持ちが穏やかになったんだと思ってたのに」
「俺が荒れ狂わせちまったらしいから、責任取るよ」
 ふたりして俺の話をするなっ、しおんはそんなことにまで腹を立て、床に散乱しているものを拾って次々に要に投げつけた。ネネは悲鳴を上げて逃げていき、要は腕組みをして突っ立っている。飛んでくるものをひょいひょいと身をかわして避けるのがなおさら腹立たしい。手近に投げるものがなくなったので、しおんは椅子を持ち上げた。要が低く静かな声で尋ねる。
「なにを持ってるのかわかってるのか」
「え? 椅子……」
「それで俺を殴るのか」
「えと……」
 さすがにバツが悪くなって椅子を降ろすと、要が近づいてきた。しおんも逃げようとしたのだが、あっけなくもつかまった。
「な、なにすんだよぉ」
「おまえって奴はどうにもこうにも」
「なんだよぉ。女を暴力で蹂躙しようってのか。おまえは俺に暴力ふるうなって言っといて、おまえはふるうのか。家宅侵入と傷害罪で告訴するぞ」
「馬鹿らしい。いいから落ち着け」
「落ち着いてるよ」
「どうすんだよ、この部屋の惨状は」
 言われて見回してみると、室内は嵐が吹き荒れた直後の状態になっていた。
「えとさ、気分が静まったらネネに電話して、片付けさせるつもりだった」
「馬鹿。自分のやったあと始末は自分でつけろ。手伝ってやるから、ざっとでも片付けろ」
「命令すんなっての。やりたかったらおまえがやれ。ネネも手伝え」
 恐る恐るネネが出てきて、散乱した品物を拾い集めている要の手助けをした。よくもこれだけあばれたもんだな、としおんは感心してしまい、笑いたくなってきた。ひとりでけらけら笑っていると、ネネが泣きべそ顔を要に向けた。
「しおんさまったら変です」
「常々変だが、ヒステリーかな」
「どうしましょう」
「寝室は無事なんだろ。またぞろあばれられたら目も当てられない」
 ため息をついて、要がしおんを抱き上げた。
「やめろ」
「落ち着くまで閉じ込める。万が一もう一度あばれたら、ベッドに縛りつけるからそのつもりでいろ」
「緊縛趣味があんのかよ、てめえは」
「こんなときでもおまえは変態作家だな」
「変態だとお? もういっぺん言ってみろ」
「何度でも言ってやる。おまえはまともじゃない。おまえの書く小説はともかく、おまえは断じてまともじゃない。もがくな、静かにしろ」
 だが、もがいてもあらがっても、要はへっちゃらでしおんをベッドに連れていき、布団の中に押し込んで毛布と布団でぐるぐる巻きにしてしまった。
「動けない。窒息する。死ぬ」
「死なないよ。おい、しおん」
「なんなんだよっ」
「まともじゃないおまえが好きなんだよ、俺は」
「な……なん……」
「まだ落ち着かないんだったら、鎮静剤でも買ってきてやろうか。とにかく、気を静めてそこでおとなしくしてろ。俺がいいと言うまで出てくるな」
「えらそうに……馬鹿野郎」
「へいへい、俺は大馬鹿野郎だよ」
 おまえみたいのに惚れてんだもんな、と呟いて、要はドアを閉めてしまった。鍵をかけている音も聞こえてきたが、しおんは布団の中でふくれっ面をした。布団で巻かれているだけなのだから、脱出は不可能ではないはずだが、動くのがいやになってしまったのだ。おとなしくしていると、ネネと要の会話が聞こえてきた。
「しおんさまは大丈夫ですか」
「あばれたのもストレス解消になったんだろ。今は静かにしてるらしい」
「なにか……あの、なにかあったんですか」
「俺とあいつのプライベートな問題だよ」
「ネネには関係ないって?」
「早い話がそういうこと。おいおい、今度はきみが泣くのか」
「だってだってぇ」
「たまらんな。泣かないでくれよ。な、泣くなって」
 ちぇ、俺には実力行使しやがって、ネネには優しいんじゃないんよ。しおんは頬をいっばいにふくらませて、外から鍵のかかったドアを睨みつけていた。
  

2

 メガネをかけた、よく言えば理知的な顔立ち。中背で水泳選手のように肩幅の広い体型の女が差し出した手作りの名刺には、「魂怜悧」の名があった。小さい文字で添えられたのが本名だろう。そちらは「田中靖子」平凡な名前である。
「たま、れいり?」
「そうです。桜庭さん、読んでくださいました?」
「なにを?」
 月光書房を訪ねたしおんを、さきほど担当編集者の横関守弘が呼んだ。
「桜庭さん、あなたにどうしてもお目にかかりたいという女性がいましてね」
「誰?」
「よくうちに持ち込みをしてくる、作家志望の女性なんですよ。桜庭さんとは知り合いでなくもない、とか言ってるんだけど、田中さんっていってね」
「誰だっけな」
 作家志望の女の知り合いは大勢いる。田中の姓は日本全国いたるところにころがっている。咄嗟には誰だかわからないでいたしおんを、横関が応接室に導いた。そこで待っていたのがペンネーム魂怜悧、本名田中靖子だったのだが、見覚えのない女だった。
「あんた、俺の知り合いだっけ?」
「私の作品を送ったじゃありませんか」
「……」
 そのたぐいだったのか。そんなものは知り合いとは呼べない。
「読んでくださってないんだ。どうせそんなことだろうと思った。改めて持ってきましたから読んでください」
「俺にあんたの原稿を読む義理があんのか」
「あたら優秀な才能を埋もれさせるのは、文学界の大損失ですよ」
「自信満々だね。けど、ここって文学界じゃないぜ」
「文学界じゃないでしょうけど、とにかく目を通してください」
 命令口調で言い、田中は分厚いワープロ原稿をテーブルに載せた。
「私小説なんですよ」
「私小説? あんた、女だろ。月光書房に持ち込んだり、俺に読めと命令したりする小説だったら、いわゆるボーイズ・ラヴじゃねえのかよ」
「そうですよ。でも、私小説なんだ」
 意味がわからん。しおんはいやいや、原稿の一枚目を読んでみた。
 「白百合のひと」、のっけからこのタイトルだ。すでにしおんはうんざりしている。白百合の精のごとく美しい少年と、彼に恋をしてつれなくされ、なおも彼を追う少年の物語であるらしい。美文タッチで情緒たっぷりに綴られている。
「うぬぼれ少年とストーカーの話ってとこか」
「そういう断定はよくないと思います。全部呼んでから批評してください」
「ここにあんたが出てくるわけ?」
「その白百合の精が私です」
「こいつ、男だろ?」
「私の前世です」
 はああ、しおんはテーブルに伏せたくなった。一時期猛威をふるったこのタイプの女は、近頃減ったと思っていたのに、陰をひそめていただけなのだろうか。深く静かに潜行し、好機をうかがって爆発しようとしていたのか。
「私には前世の記憶があるのです。白百合の精、百合矢は私です。私は女は愛せない性質の少年でした。かといって、男性に愛されるのはためらってしまう。何人も何人もの男性に求愛され、拒絶し、危機にも陥ったりした。そうして成長していき、やがて私は芥川龍之介のような小説家になり、惜しまれながら夭折する。そんな物語なんです。これだけの小説を世に出さないのは世界的損失ですよ」
「これ、ここにも持ち込んだのか」
「新人賞公募にも応募しています」
「落ちたんだろ」
「……そもそも少年愛をテーマにすると、受け皿が少ないですよね。テーマだけで嫌悪感を示す選考者もいますし、このような作品を受け入れてくれる賞はとても少ない。私は目に止まった雑誌にすべて、「白百合のひと」を送りました。だけど、選考委員の眼鏡にかなわなかった。ただそれだけのことなんです。人には好みもありますし」
「あんたの前世ね、ってことはよ」
 硬い表情でいる田中に、しおんはにやりとしてみせた。
「あんたが生まれる以前のストーリイだろ。時代設定はいつ?」
「その物語では現代にしてありますけど、大正デモクラシーの時代です」
「そのころに、芥川龍之介ばりの作家がいたわけだ。そいつがあんたの前世なんだよな。なんて名前の作家?」
「ですから、多摩川百合矢。いえ、筆名を使ってました」
「なんての?」
「……皆に忘れ去られた過去の作家です」
「惜しまれつつ夭逝したんだろ」
「私を惜しんでくれる人はいましたけど、そんなにも有名ではなかった。後世にまで名が残るほどではなかったんです。長生きすればきっと文学史に名を刻む作家になっていた。彼の無念を晴らすためにも、生まれ変わりの私が世に出なくてはいけないんです。私にはまだチャンスがない。それだけで無名の身でいるんですよ。惜しいとは思われないんですか」
「ちらっと読んだだけど、これ読んだ限りでは思わない」
「桜庭さん、あなたは傲慢です」
「そっかあ」
 しんとした応接室に、激昂を抑えていると思われる田中の声が響いていた。
「あなたは一応はプロでしょう。それは好機をつかんだにすぎない。私は無名だけど、あなたと私にどんな差があると言うんですか? 筆力は私のほうが上。あなたの書く軽薄な作品なんかよりずっとずっと、私の書くもののほうが重みがあります」
「ふーん、そっかね」
「あなたの作品について言いたいことはあるけど、今はそういう話題ではありませんでしたね。とにかく、読んでください。お話はそれからに」
 やーだよ、と原稿を放り出すには、しおんは田中の迫力に押されていた。やってらんねえよ、と思いつつ返事をせずにいると、では、よろしく、と会釈して、田中は応接室から出ていった。
「あの調子なんだけどね、それほどのもんですか、「白百合のひと」っての」
 入れ替わりにやってきた横関が言った。
「僕も無理やり押しつけられたけど、忙しいし、そういうの読むと頭痛がするし、ちょっとしか読んでないんだな」
「俺にはこんなものを読む義理はねえんだ。あんたは編集者なんだから義務だろうが。あんたが読め」
「僕の机の中にもその原稿は入ってますよ」
「だったらこれは捨てるぞ」
「ご自由に」
「畜生、厄介者を俺に押しつけやがって」
 帰りにゴミ箱に原稿を捨ててやろうか、と思わなくもないが、そこまでするのは逡巡する。神聖な原稿、なんて殊勝な心がけは持っていないが、あの女が誠心誠意書いたんだよな。大長編だし、重いけどとりあえず持って帰るか、と決意した。
 一読した範囲では、シルの原稿よりはよほどましだ。大時代的美文タッチではあるが、しおんの周囲にころがっている駄文、駄作よりは読めるしろものだと思える。かといって熟読するのも面倒だが、捨てる以外の方法を考えよう。しおんは重たくなった荷物に辟易しつつ、横関に覚えてろ、と吐き捨てて月光書房のビルから出た。
 うちに帰って仕事をしよう。しおんが荒れ狂った惨状は、ネネと要が一応片付け、どうにもならない部分は便利屋に頼むと要が言った。ネネが依頼した便利屋が来てくれたので、今では人の暮らせる常態に戻っている。
「鎮まったか」
 あの日、相当の時間がすぎてから、要がベッドでふくれているしおんの顔を覗き込んだ。
「ずっとそうしてたのか、すねてたのか」
「すねてねえよ。俺はガキじゃねえ」
「ガキがあばれてもああまでひどくならねえよ。おまえはでかいんだし、細くても力はあるだろ。並みの女のヒステリーどころじゃないんだから、考えてあばれろ」
「考えてたらあばれねえよ」
「それもそうか」
 あははと笑って、要は布団からしおんを解放した。
「出ようと思えば出られるだろうに」
「警察呼んで、現職警察官がこんな目に遭わせたと訴えてやろうかってな」
「ただの痴話喧嘩に警察は関与しないんだよ」
 痴話喧嘩……またまた心が乱れてきて、しおんは腕と脚をむやみやたらに振り回した。こら、やめろ、と避けようとしていた要の腹に、はずみでしおんの肘打ちが直撃したのだった。
「うっ……うげ、内蔵がどうにか……」
「嘘だぁ。てめえは鍛えてるんだろうがよ。女の一撃程度でどうにかなるような奴じゃねえよ」
 大げさに言ってるんだ、としおんは決めたのだが、要はベッドにころがって腹を押さえてうめくばかり。
「ほんと? ジョークだろ?」
「おまえの力は並より強いと言っただろ。しおん、救急車……」
「嘘だぁ」
 嘘だと言って、俺のほうこそ傷害罪? 青くなって近づいたしおんを、要がつかまえてベッドに引っ張り込んだ。
「嘘つきっ」
「いや、腹は痛い。犯罪者の女を確保しようとして、殴られたり蹴られたりしたことはあるよ。男の犯罪者にやられたことだってある。そのどれよりも、おまえの一撃は効いた」
「信じない。馬鹿にしてるんだ。離せ」
「おまえって奴は、まったく俺の理解のはるか外にいる女なんだがな」
 抱きすくめられ、言葉とうらはらにうっとりしかけているしおんの耳元で、要が言った。
「おまえ以外の女だったら、俺と自称し、男をおまえと呼び、無茶苦茶にヒステリー起こす、そう聞いただけで会ってみるのも断るだろうな」
「離せって……ば」
「なのに、おまえだからだぞ。おまえだからこそ、俺は惚れたんだ」
「今度こそ別れようと思ってるくせに」
「なんで? 別れるんだったらとっとと出てって二度と来ないよ」
「……だってさ」
「なあ、しおん、こう考えてみられないか。おまえは責任転嫁も得意だし、悪いのは俺じゃないもん、おまえだもん、の女だろ?」
「なに?」
 なにが俺の力は並じゃない、だよ。おまえの力はだったらなんなんだ。並じゃない女の俺を強くもなく抱いてるだけで、俺は抵抗できなくなっていく。相手がおまえだからなのか?
「世間一般の常識のほうがおかしいんだ。おまえはそれでいいんだ。そう考えれば気が楽だろ。おまえと俺が互いに満足してたら、男と女の関係なんてそれだけで十分なんじゃないのか。俺はそんなおまえが好きなんだから」
「俺はおまえなんか嫌いだもん」
「そうだったっけ」
「そうだよっだ。まあ、いい年して男と寝た経験もないってのもなんだし、いっぺん経験してみよっかなって」
「そうだったのか」
「……わ」
 初体験だったと告白してしまったらしい。後悔してもあとのまつりだった。
「今のなし」
「聞いた。たしかに聞いた。そんなことはどっちでもいいんだよ。悪ぶるな」
「俺はワルだよ」
「どこが?」
「おまえごときのワルはたかが知れてると言いたいのかよ。そんなことないぞ。俺はなぁ」
「なんだよ」
「高校までは優等生のふりしてたけど、酒もタバコもやってたんだ」
「博打もドラッグも男遊びもか。シンナーだとか不純異性交遊だとか、ウリだとか暴走族の女だったとか、もしくはレディスのボスだったとか、女同士で大喧嘩して、相手の顔を剃刀で傷つけたとか。あげくは妊娠中絶、風俗に身を落とすってお決まりのコースをたどり、波乱万丈の若い日を通りすぎて、今は作家の先生か」
「てめえ、男のくせに口が回りすぎだ」
 こいつは警察官だった。不良少年少女の対応をしたのは星の数ほど、なのだろう。しおんには太刀打ちできないのかもしれない。
「おまえは女で俺は男。まぎれもない事実だろ。だからって男だからこう、女だからこう、って決めつけなくてもいいんだよ。世間がなんやかや言っても、おまえと俺が惚れ合ってたらいい。そう考えろよ、しおん」
「丸め込まれてる気がする」
「丸め込まれてみろよ。しおん、愛してる」
「……古い男のくせしやがってよぉ」
「そうなんだよな、俺は古い男のはずなのに、新しい女のおまえに……おまえ、新しい女か」
「そんなんじゃねえんだよ」
「そんなんでもないんだよな。ま、いいや。しおん、おまえは男のくせに、男のくせにって言うんだな。それが世間一般のつまらない常識ってやつだぞ」
「……そっかもね」
 とうとう降参しちゃったのかなぁ。しおんは要の腕の中、ぼんやりと考えた。
「ずるいんだよな、おまえ、案外口はうまいしさ、いざとなったら腕力で女を押さえ込むし」
「おまえを相手にしてたら、体力も必要になってくるよ」
「そうかもしれないけどさぁ、俺は腕力行使の男は嫌いだよっ」
「男のとりえは腕力かもしれない」
「ちがう」
「うん、まあ、ちがうのかもしれないけど、腕力も役に立つ場合もあるって意味だよ。しおん、そんならおまえ、おまえより弱い男とつきあうか?」
「そんなのいないよ」
「いるさ。おまえよりも背が低くて、おまえよりも力がなくて、おまえに殴られて泣く男ってのはきっといるぞ。そういうのがいいか」
 シルみたいのかな、と想像して、しおんは慌てて頭を振った。シルと恋人同士になるのは想像もしたくない。
「そんなのやだ。男は強いほうがいいかなぁ……そうかなぁ」
「俺はおまえより強い」
「当然じゃんかよ。自慢すんな」
「下らない自慢だな、俺が好きか」
 ん、とこっくりしてしまい、しおんは要の胸に頬を寄せた。
「ずるいな、白旗あげさせた」
「おまえは俺に負けたんじゃないだろ。俺がおまえに負けたんだ。降参だよ、しおん」
「ああ言えばこう言いやがって……俺は俺で……おまえはおまえで……」
「そうだよ」
 しばしののち、しおんはベッドにうつぶせになっていた。タバコの煙がゆらゆら漂ってくる。
「ネネちゃんが気にしてそわそわしてるぞ。足音が聞こえる」
「やだ。要、ネネに帰れって言ってこい。俺はこんな顔をネネに見せたくないんだ」
「どんな顔だ?」
「見るなっ」
「おまえはすさまじく手のかかる女だよな。俺は惚れた弱みでどうしようもないけど、ネネちゃんもよくこんな女に奉仕してるよ」
「俺もそう思う。あいつ、マゾなんだ」
「馬鹿言うな、と言いたいところだが、あり得なくもないような……」
 あーあ、しようがないのかな、要と抱き合うそのときだけは、俺は女でも仕方ないのかな、しおんは吐息をつき、要に背を向けた。
 あのひとときを思い出すと頬が熱くなってくる。あれからネネはなにか言いたげにしながらもなにも言わず、ときおりしおんを寂しそうに見る。今日も帰ったら忠実な押しかけアシスタントのネネがいて、いそいそと世話女房みたいにふるまうのだろう。ごめんな、ネネ、八つ当たりして。本人には言いにくいので先に言っておいてから、しおんは我が家へと足を向けた。
 荷物が肩に食い込んでくる。あの前世女のおかげでえらい災難だよ、と思うものの、あんたもがんばれよ、と励ましてやりたくもなってくるのだった。

E N D



あとがき

ボーイズラヴ小説家、桜庭しおんの物語です。
このストーリィも五、六年前に書きました。
昔からワープロでこのような物語を書いておりましたが、パソコンに移行して、原稿はほとんど残っていません。
唯一これが完成した形で残っていたのですが、変な奴のしおんには愛着もなくもないので、また書くかもしれません。
「おんなごころ」とは、一種の逆説っぽいのかな? そうでもないのかな。
若い友人にこの小説を読んでもらって、「彼女の気持ち、わかるよ」と言ってもらった思い出もあります。
さまざまなる、「そのとき」の彼女の気持ちが、でした。
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鍵コメSさんへ

いつもありがとうございます。

こんな長くて古いのも読んでいただけて感激です。
ブログを開始した初期のころのは長いですよね。どうもすみません。

私も最近はあまり長いのは書けなくなっているのですが、昔に書いたものを読み返しますと、エピソードを無駄にふくらませすぎているようだと反省しきりです。

これは主人公がBL作家というだけで、今のところはまだBLでもありませんが、徐々にシルが活躍しはじめたりして……それで収拾がつかなくなって、中断中です。続きはまだたくさんありますので、よろしかったらお読み下さると嬉しいです。

あ、でも、続編はさらに長いかもしれません。

サッカーの世界も騒いでますねぇ。私にはよくわからない業界なので、サッカーは世界中に愛好者がいるから大変だなと思います。
それにしても大好きなものがあって、熱意を持てるのは幸せですよね。

思い出したくもないいやなことがあっても、小説を書いていればひとときは忘れていられるのですから、私もたぶん幸せです。

プロ野球ファンとしては、ああいう不出来な子の(トラのチームです)ファンですから、あまり幸せではありませんが((+_+))
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