企画もの

12000hit御礼!!!!!

 ←ガラスの靴26 →FS「十二律」
12000.png

たぶんですが、12000HITはLandMさんでした。
いつもありがとうございます。

12345HITがもうじきだとは意識していたのですが、もうじきとは言ってもあと345。
このブログだと一ヶ月で達成するのは無理なようで、年内に到着すればいいかなぁ、といったところです。

その前に12000がありましたので、そちらを記念してこんなものを書いてみました。

12000回のキッス

「私あなたがスキ
 あなた私がスキ

 好きスキ好きのキッス
 燃えて重ねるキッス」

 もと歌はアドリアーノ・チェレンタール、「24000 baci」。彼はイタリアの歌手であるらしい。
 日本では藤木孝、ザ・ピーナッツ、中尾ミエ、伊東ゆかり、園まり、スリーファンキーズ、鈴木やすし、ゴールデンハーフなどなどのシンガーがカバーした。

 GS以前の時代だろうから、俺の母が子どもだったころか。母は歌が好きで古いレコードもたくさん持っていたから、俺も自然に覚えてしまった。

「そうそう、男言葉も女言葉も、いくつものバージョンがあったのよ」
「俺はおまえがスッキッ、って感じですよね」
「そうよ。ユキちゃん、うまい」

 酒場で出会った女性に、俺は見覚えがあった。
 遠い遠い昔、この歌がヒットし、日本でも盛んにカバーされていた時代の流行歌手だ。彼女は姉妹でデュエットしていて、妹が結婚して引退したときに同時に引退し、そのまんま二度と表舞台には出てこなかった。

 生まれてもいないころの出来事なのにどうして俺が覚えていたのかといえば、彼女の妹が結婚した相手が、俺の好きなシンガーだったから。

「あら、三沢さん?」
「俺のこと、ごぞんじなんですか」
「知ってるわ。フォレストシンガーズの三沢幸生さんでしょ」
「ありがとうございます。光栄です」
「ここに来ませんか」

 はいっ、喜んでっ、と応じて、俺は彼女の隣にすわった。
 そういえば彼女たちの名前は、ユキとアキだった。今、ここにすわっている女性は姉のアキさん。ユキちゃんと呼んでいい? と彼女のほうから言ってくれたのは、妹を偲びたいからなのだろうか。

「オギヒトシの元妻、ユキさん死去」

 そのニュースが出たのは一昨日のこと。オギヒトシはGS出身の歌手で、現在でも固定ファンがついているから地道に活動している。俺も彼のコンサートには行って、彼が所属していたグループの持ち歌のみではなく、他のGSのヒット曲メドレーなどでおおいに楽しませてもらった。

 オギヒトシと結婚したときに芸能界を引退し、離婚したあとも表立って歌うことはなかったユキさん。彼女の死については、もう私とは無関係な方ですから、とのオギヒトシのコメントが、事務所を通じて発表されただけだった。

 その姉のアキさんのほうは、長らくひっそりと生きてきたのだろう。それにしたって人生にはさまざまなドラマがあったはずだが、俺はそんなことを質問できる立場ではない。

 昔の歌の話をしたり、フォレストシンガーズの仕事の話をして笑ったりして、ゆるやかに時間がすぎた。アキさんはオギヒトシにも、ユキさんのことにも一切触れず、静かに酒を飲むばかり。
 そうして話題がこの歌になった。

「一秒のキッス、一日続ければ、24000、イェイイェイイェイイェィイェイイェイ。
 こんなフレーズがあるのよね。計算した人がいて、どうやっても24000にはならないって。ご奇特な方もいるもんだわ」
「計算したんですか」
「そうみたいよ」

 どうしても俺には、彼女の微笑が寂しげに映る。妹との確執だのなんだのだってあったのかもしれないが、ユキさんが亡くなって寂しくないわけはないだろうから、そんな表情も当然なのかもしれなかった。

「そんなにキスしたこと、あります?」
「ないなぁ……ユキちゃんはあるの?」
「くちびるが腫れそうですね。ありませんよ」
「してみようか」

 いたずらっぽく言ってから、アキさんは破顔一笑した。

「嘘よ。冗談だからね。こんなおばあさんが悪い冗談を言ってごめんなさい。気持ち悪がらないでね」
「いえ、誘ってもらって嬉しいです」
「もうこんな時間ね……帰るわ」
「送っていきますよ」

 断られはしなかったので、俺は彼女に続いて店を出た。ここは私が、と彼女が言ってくれたので、支払いはおまかせして、外に出ると礼を言った。

「ありがとうございます」
「ユキちゃん……あ、ごめんなさい」
「あやまらないで」
「だって、気持ち悪いでしょ」
「いいえ。気持ち悪いはずなんてありませんよ。あなたは綺麗です」

 たった今、彼女が呼んだ「ユキちゃん」は、三沢幸生と妹のユキさんをごっちゃにしての名前だったのだろうか。俺はアキさんの肩を抱き、ビルとビルの陰に入っていった。

 あなたとキスをしたい。俺だってユキさんの死は哀しいのだから、あなたをなぐさめるだなんて僭越な意味ではなくて、なくさめ合うためにキスをしたい。
 俺はあなたの半分も生きてはいないのだから、24000回ではなく、その半分、12000回のキスがしたかった。

END


 このエピソードはフィクションです。
 と断るのは、似たお話があったからです。
 その実話を参考にはしていますが、すべてフィクションですので。






 
 
スポンサーサイト


  • 【ガラスの靴26】へ
  • 【FS「十二律」】へ
  • Tag List 
  •  * |

~ Comment ~

NoTitle

うおめでとうございます~!
こうしてお祝いすることって、すごく良いことだと思うんです。
描けちゃうところがやっぱりあかねさんですごいです!
ユキちゃんだからかな(イミフですみません><)

NoTitle

12345の前に12000、おめでとうございます。
その数字にちなんだSSなのですね。
ユキちゃん、今回はちょっと大人な雰囲気。
アキさんには、ユキちゃんがどんなふうに写ったのかな。
ユキちゃん、魅力的な人なら年齢にこだわら無さそうですもんね、(ついでに性別も)
もしかして、マダムキラーな素質もあったりして。
12345の時は、どんなお話になるんでしょう。
楽しみです。(その時はやっぱり乾君かな^^)

けいさんへ

いつもありがとうございます。
こういうイベントのようなもの、大好きですから。
リアルな生活ではわりと、平穏無事、毎日なんのお変わりもなくってのが好みなんですけど、ネットでくらいはやりたいんですよね。

すこし前に浮かんできたこの発想を、12000にくっつけてみました。
こじつけ、とも申します(^o^)

limeさんへ

いつもありがとうございます。

何年か前、ザ・ピーナッツのどちらかが亡くなりましたよね。
limeさんはザ・ピーナッツをごぞんじかどうか、年齢的には知らない世代ですかねぇ? でも、名前くらいはごぞんじかな。

彼女の元夫がジュリー。ジュリーはユキの敬愛する歌手なのです。
そのエピソードを骨に、完全な私の作り話として創作してみました。

「俺は大人なんですけど、相手によってはガキみたいにもふるまうんですよ。
え? ガキみたい、であって、本物のガキではありませんよぉ。
やだぁ、limeさんったら、ユキちゃんってガキじゃなかったの? なんて、そんなに褒めないで。

いや、でも、相手が大人の魅力的な女性なんですから、今回は俺も大人の男です。
まあさすがに、アキさんをベッドには誘いませんが、キスだったら年齢不問です。
性別は……うーむ、いや、性別は駄目だな。
こだわってしまいます。俺は修行が足りませんね。

マダムキラーだなんて、嬉しいお言葉。
うん、これからそれを目指します」

と、幸生が喜んでおります。

12345も一応は書けていますが、まだだいぶ先のようです。

NoTitle

。。。んあ。私なのかな。
キリバンは気にしたことなかったので知らないのでですが。
・・・というか踏んだこともないので。
ただ、このサイトの小説は面白い。
それだけで来ているだけですからね。

いやっふうううううううう!!!!!
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
と、喜んでみる。

LandMさんへ

はーい、そうです。
12000HITはLandMさんだった、はずです。
私もLandMさんがアクセスなさった瞬間を見たわけではなく、12000になっていた直前に来て下さったようでしたので、そういうことにしておきましょう。

小説が面白いから来ている。
なによりうれしいお言葉です。
キリ番ゲットいやっふう!!! なんて、喜んでいただけたのも嬉しいです。
ありがとうございました。
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【ガラスの靴26】へ
  • 【FS「十二律」】へ