ショートストーリィ(フォレストシンガーズ)
FS春物語「プリムラ・ポリアンタ」
フォレストシンガーズ
「プリムラ・ポリアンタ」
知らない人は日本人にはいないのではないか。フォレストシンガーズよりも百倍は有名だよな、と思える老舗デパート。関係者以外お断り、と書かれた入口から入っていくと、奥に業務用の大型エレベータがある。
周りには人はいない。こんなのに乗ってもいいのか? とためらってしまったが、シゲはこれに乗れと言っていた。通行許可証ももらっているのだから、かまわないのだ。
高校生の冬休みに、繁忙期のデパートバイトの経験がある。高知にもあったデパートの配送センターで、お歳暮用贈答品を積み上げた台車を運んで一日中歩き回っていた。そのときにもこんなエレベータに乗った。
荷物用なのだからがらんと広くて、エレベータは埃っぽい匂いがする。掃除もしていないのかもしれなくて、汚れた箱の中だ。ひとりっきりで運ぶものもなく、こんなところにいると居心地が悪い。俺はシゲから聞いていた、八階のボタンを押した。
ガタンと音がしてエレベータが動き出す。今日はこのデパートの創立二百年記念イベントで、豪華ゲストを招いてのショーがある。
二百年前といえば江戸時代だ。前身の呉服屋時代から数えているのだろうが、それにしてもすごい。フォレストシンガーズが豪華ゲストの一員だというのも、俺が恥ずかしがる必要もないにしてもくすぐったかった。
「あれっちゃあこれっちゃあ、凄いよな」
近頃はひとりごとは関西弁になるのだが、土佐弁で呟いてみた。
「あれ?」
そんなに長く考え事をしていただろうか、荷物用、業務用エレベータにすれば速い。もうついたのか? と確認すると、まだ四階だ。途中で止まるとは、訝しく思っていると、ドアが開いて若い女の子が乗り込んできた。このエレベータのエリアには肉体労働者がいるはずだが、彼女はローズピンクのふわっとしたドレスを着ていて、配送センターのアルバイトのようには見えなかった。
下手に声をかけると困らせるというか、気持ち悪がられるかもしれない。ただでさえこんなエレベータで、若い娘はおっさんとふたりきりになんかなりたくないだろう。そう思って口は開かず、彼女のほうを見ないようにもしていた。
「あ」
「え?」
しかし、同時に声を出したのは、エレベータが急に停止したからだ。八階についたようにもない。非常停止だろうか。彼女はすがるような目を俺に向けた。
「大丈夫ですよ。こういうのって止まってしまったときには連絡できるはずだ。そういうボタンはないかな」
「え、えーと……」
「ちょっと場所、変わって」
彼女のほうがコントロールパネルの近くにいたので、断って俺がそちらに行く。彼女は花束を持っていた。
「変だな、そういうものがない。普通はあるでしょ。非常停止したってどこかに連絡できる装置みたいなものが。ないんだったらむこうからなにか言ってくるのかな。スピーカのようなものは……見当たらないな。見えないけどあるはずだ。ビルでは気がついてるんだろうから、待ちましょう」
本当にそうなのかどうか、こころもとない。携帯電話を出してみても圏外になっている。彼女のケータイも同様だったから、待つしかないのだった。
「フォレストシンガーズの歌を聴きにきたんです」
「ああ、そうですか。だけど、ファンの方がこのエレベータを使ってもいいと言われたんですか」
「父がいますから」
「父……」
中学生か高校生か。フォレストシンガーズにはこの年ごろの娘を持つ親父はいない。唯一、子持ちのシゲの子は男で、広大は幼児、壮介は赤ん坊だ。
そうすると、事務所の社長か関係者の娘か。そう考えておくしかなかった。
待つしかないのでふたりで並んで立って、ただ待っている。ゆきずり同士なのだから名乗る必要もない。彼女の持っている花はなんだろう。彼女のワンピースと同じ色の、桜を華やかな大輪にしたような、一種類の花だけでこしらえた花束だ。
花の名前なんか知らないので、考えてもわかるはずがない。他には考えることもないし、若い娘をあからさまにじろじろ見ては不躾だろうから、俺は花ばかり見ていた。
なんの連絡もないな、と気がかりではあるが、徒らに口にすると彼女を不安がらせる。女の子にヒステリーでも起こされると困るので、このまんまだったら俺はどう行動するべきか、というようなことも考えはじめていた。
「フォレストシンガーズって、何年続いてるか知ってる?」
「メジャーデビューしてからだったら、十年ほどでしょう?」
「嘘ばっかり。十五年だよ」
「十五年? 結成してからだって十五年は経ってないはずだけど?」
不安がってはいないのか、不安をまぎらわせるためもあるのか、彼女は誇らしげに言った。
「私はフォレストシンガーズのメンバーの娘なんだもの。おじさんなんかよりもずっとよく知ってるよ。フォレストシンガーズがデビューしたのは、私が生まれた年。私は十五歳。十五年でしょ?」
「フォレストシンガーズのメンバーには、娘はいないよ」
「いるんだもの」
「おかしな騙りをやろうとしたって、俺はだまされないよ」
なんの意図があるのか、俺がフォレストシンガーズのことなどなにも知らないと思って言っているのかもしれないが、部外者のおっさんをかついでも無意味だろう。退屈しのぎなのだろうか。
「きみは……」
遠慮してしっかりとは見なかった彼女の顔を、正面から見つめた。彼女も俺を挑戦的に見返す。誰かに似ている……この顔は……恵? 恵よりも美人ではあるが、俺のもと妻に似ているのか。
「え……そんな……」
「ああ、動き出した。よかったっ」
頭が痛くなってくる。彼女が言ったのはどういう意味だ? エレベータが動き出したのを意識しながらも、俺は悩み続けていた。意味がわからない。彼女が恵に似ていようとどうしようと、そんなのは偶然だろうに、頭痛がする。
「お父さん、私が来るのを楽しみにしてると思うな」
「あ、待って。きみの……名前は……」
今度こそ、止まったエレベータは八階についていた。彼女は俺の質問など聞こえてもいないように駆け出していき、追いかけようとした俺はエレベータを出たところで立ちすくんだ。ローズピンクの花びらが俺に襲いかかってくる。これは……彼女が手にしていた花なのか。
************ ************ ************
「ヒデ、大丈夫か?」
「ヒデさんが倒れるなんて、これぞまさしく鬼の霍乱。酔ってない?」
「鬼ごろしとかって酒、飲んだとか?」
「リーダー、シャレですか」
開いた目に写ったのは、フォレストシンガーズの四人の顔。シゲは? と言いながら起き上がろうとしたら、シゲの声も聞こえた。
「俺はここだけど……どうしたんだよ、ヒデ?」
「ってか、俺はどうしたんだ?」
「エレベータボックスの前に倒れてたんだ。そこを通りがかったスタッフがいて、小笠原さんじゃないかって気づいて、知らせてくれたんだよ」
そうだ、花びらに巻かれて倒れた記憶はある。その前には俺はどうしていたのか。
ここはデパートの創立記念イベントに出席する、フォレストシンガーズのための控室だ。医者を呼ぼうか? と言っているみんなに、俺は言った。
「気分が悪いわけでもないから平気ですよ。それより、時間はありますか。大丈夫だったら俺の話を聞いて下さい」
エレベータに乗ってこの控室に行こうとしていたら……からはじめて、先刻の顛末を話した。全部を話し終えると、乾さんが言った。
「四階ってのはこういうビルにはない場合が通常だな。ここにもないよ」
「へ?」
「なかっただろ、みんな?」
ないない、と他の四人が言い、熱い緑茶を運んでくれたアルバイトの青年も、ありません、と言った。
「すると……」
「その女の子が持ってたのはプリムラじゃないかな。プリムラ・ボリアンタ。神秘的な花言葉があったはずだよ」
「……またぁ、乾さんはすぐにそういうほうへ話を持っていきたがるんだから」
「章はそう言うけど、四階だったんだろ。このビルにはないはずの四階でエレベータが止まり、乗ってきたのは神秘的な美少女だ。彼女はフォレストシンガーズの誰かの娘だと言った」
「フォレストシンガーズはデビューしてから十五年、私も十五歳だって言ってました」
「つまり、未来から来た少女だね」
「またまたまたぁ」
冗談はやめましょうね、と言いかけた章を遮って、幸生が言った。
「その女の子は俺の娘なんだよ。可愛い子だったんでしょ。五年後にはそんな娘が俺にもできる……待てよ、年齢が合わないな」
「年齢の合う女の子はいるよ」
「どういうことだよ、乾? シゲ、わかるか?」
本橋さんに質問を振られたシゲは、質問した本人とそろって首をかしげ、するとすると……と幸生が考え込み、またまたまたぁ、と章は言っている。乾さんはゆったりと微笑んでいた。
「あったのかもしれないもうひとつの未来からやってきた女の子。その世界には、娘が生まれた年にフォレストシンガーズのメンバーとしてデビューした男がいるんだよ。ロマンだね。俺はそれを歌にしたいな」
「んんっと……ヒデ、わかったのか?」
「ああ、シゲ、なんとなくはわかったよ」
そんなはずはないけれど、そう考えれば辻褄は合わなくもない。
あの娘は瑞穂だ。俺がフォレストシンガーズの一員として生きている世界にいる、俺の娘。瑞穂は父のステージを見るために、花束を持ってやってきてくれた。もしかしたらもうひとつの世界で、同じビルの同じエレベータに乗っていたのかもしれない。
あるはずないさ、そんなこと。俺の妄想だよ。だけど、そう考えたっていいじゃないか。俺の現実世界にだって瑞穂はいる。五年もすれば俺の娘はあんな美少女に成長して、会えることもあるかもしれない。
みんなには話していなかった事実、あの子は恵に似ていた、というのはまちがいない。春の一瞬のファンタジーとして、切なさも胸に刻んで信じておきたかった。
HIDE 34歳/END
「プリムラ・ポリアンタ」
知らない人は日本人にはいないのではないか。フォレストシンガーズよりも百倍は有名だよな、と思える老舗デパート。関係者以外お断り、と書かれた入口から入っていくと、奥に業務用の大型エレベータがある。
周りには人はいない。こんなのに乗ってもいいのか? とためらってしまったが、シゲはこれに乗れと言っていた。通行許可証ももらっているのだから、かまわないのだ。
高校生の冬休みに、繁忙期のデパートバイトの経験がある。高知にもあったデパートの配送センターで、お歳暮用贈答品を積み上げた台車を運んで一日中歩き回っていた。そのときにもこんなエレベータに乗った。
荷物用なのだからがらんと広くて、エレベータは埃っぽい匂いがする。掃除もしていないのかもしれなくて、汚れた箱の中だ。ひとりっきりで運ぶものもなく、こんなところにいると居心地が悪い。俺はシゲから聞いていた、八階のボタンを押した。
ガタンと音がしてエレベータが動き出す。今日はこのデパートの創立二百年記念イベントで、豪華ゲストを招いてのショーがある。
二百年前といえば江戸時代だ。前身の呉服屋時代から数えているのだろうが、それにしてもすごい。フォレストシンガーズが豪華ゲストの一員だというのも、俺が恥ずかしがる必要もないにしてもくすぐったかった。
「あれっちゃあこれっちゃあ、凄いよな」
近頃はひとりごとは関西弁になるのだが、土佐弁で呟いてみた。
「あれ?」
そんなに長く考え事をしていただろうか、荷物用、業務用エレベータにすれば速い。もうついたのか? と確認すると、まだ四階だ。途中で止まるとは、訝しく思っていると、ドアが開いて若い女の子が乗り込んできた。このエレベータのエリアには肉体労働者がいるはずだが、彼女はローズピンクのふわっとしたドレスを着ていて、配送センターのアルバイトのようには見えなかった。
下手に声をかけると困らせるというか、気持ち悪がられるかもしれない。ただでさえこんなエレベータで、若い娘はおっさんとふたりきりになんかなりたくないだろう。そう思って口は開かず、彼女のほうを見ないようにもしていた。
「あ」
「え?」
しかし、同時に声を出したのは、エレベータが急に停止したからだ。八階についたようにもない。非常停止だろうか。彼女はすがるような目を俺に向けた。
「大丈夫ですよ。こういうのって止まってしまったときには連絡できるはずだ。そういうボタンはないかな」
「え、えーと……」
「ちょっと場所、変わって」
彼女のほうがコントロールパネルの近くにいたので、断って俺がそちらに行く。彼女は花束を持っていた。
「変だな、そういうものがない。普通はあるでしょ。非常停止したってどこかに連絡できる装置みたいなものが。ないんだったらむこうからなにか言ってくるのかな。スピーカのようなものは……見当たらないな。見えないけどあるはずだ。ビルでは気がついてるんだろうから、待ちましょう」
本当にそうなのかどうか、こころもとない。携帯電話を出してみても圏外になっている。彼女のケータイも同様だったから、待つしかないのだった。
「フォレストシンガーズの歌を聴きにきたんです」
「ああ、そうですか。だけど、ファンの方がこのエレベータを使ってもいいと言われたんですか」
「父がいますから」
「父……」
中学生か高校生か。フォレストシンガーズにはこの年ごろの娘を持つ親父はいない。唯一、子持ちのシゲの子は男で、広大は幼児、壮介は赤ん坊だ。
そうすると、事務所の社長か関係者の娘か。そう考えておくしかなかった。
待つしかないのでふたりで並んで立って、ただ待っている。ゆきずり同士なのだから名乗る必要もない。彼女の持っている花はなんだろう。彼女のワンピースと同じ色の、桜を華やかな大輪にしたような、一種類の花だけでこしらえた花束だ。
花の名前なんか知らないので、考えてもわかるはずがない。他には考えることもないし、若い娘をあからさまにじろじろ見ては不躾だろうから、俺は花ばかり見ていた。
なんの連絡もないな、と気がかりではあるが、徒らに口にすると彼女を不安がらせる。女の子にヒステリーでも起こされると困るので、このまんまだったら俺はどう行動するべきか、というようなことも考えはじめていた。
「フォレストシンガーズって、何年続いてるか知ってる?」
「メジャーデビューしてからだったら、十年ほどでしょう?」
「嘘ばっかり。十五年だよ」
「十五年? 結成してからだって十五年は経ってないはずだけど?」
不安がってはいないのか、不安をまぎらわせるためもあるのか、彼女は誇らしげに言った。
「私はフォレストシンガーズのメンバーの娘なんだもの。おじさんなんかよりもずっとよく知ってるよ。フォレストシンガーズがデビューしたのは、私が生まれた年。私は十五歳。十五年でしょ?」
「フォレストシンガーズのメンバーには、娘はいないよ」
「いるんだもの」
「おかしな騙りをやろうとしたって、俺はだまされないよ」
なんの意図があるのか、俺がフォレストシンガーズのことなどなにも知らないと思って言っているのかもしれないが、部外者のおっさんをかついでも無意味だろう。退屈しのぎなのだろうか。
「きみは……」
遠慮してしっかりとは見なかった彼女の顔を、正面から見つめた。彼女も俺を挑戦的に見返す。誰かに似ている……この顔は……恵? 恵よりも美人ではあるが、俺のもと妻に似ているのか。
「え……そんな……」
「ああ、動き出した。よかったっ」
頭が痛くなってくる。彼女が言ったのはどういう意味だ? エレベータが動き出したのを意識しながらも、俺は悩み続けていた。意味がわからない。彼女が恵に似ていようとどうしようと、そんなのは偶然だろうに、頭痛がする。
「お父さん、私が来るのを楽しみにしてると思うな」
「あ、待って。きみの……名前は……」
今度こそ、止まったエレベータは八階についていた。彼女は俺の質問など聞こえてもいないように駆け出していき、追いかけようとした俺はエレベータを出たところで立ちすくんだ。ローズピンクの花びらが俺に襲いかかってくる。これは……彼女が手にしていた花なのか。
************ ************ ************
「ヒデ、大丈夫か?」
「ヒデさんが倒れるなんて、これぞまさしく鬼の霍乱。酔ってない?」
「鬼ごろしとかって酒、飲んだとか?」
「リーダー、シャレですか」
開いた目に写ったのは、フォレストシンガーズの四人の顔。シゲは? と言いながら起き上がろうとしたら、シゲの声も聞こえた。
「俺はここだけど……どうしたんだよ、ヒデ?」
「ってか、俺はどうしたんだ?」
「エレベータボックスの前に倒れてたんだ。そこを通りがかったスタッフがいて、小笠原さんじゃないかって気づいて、知らせてくれたんだよ」
そうだ、花びらに巻かれて倒れた記憶はある。その前には俺はどうしていたのか。
ここはデパートの創立記念イベントに出席する、フォレストシンガーズのための控室だ。医者を呼ぼうか? と言っているみんなに、俺は言った。
「気分が悪いわけでもないから平気ですよ。それより、時間はありますか。大丈夫だったら俺の話を聞いて下さい」
エレベータに乗ってこの控室に行こうとしていたら……からはじめて、先刻の顛末を話した。全部を話し終えると、乾さんが言った。
「四階ってのはこういうビルにはない場合が通常だな。ここにもないよ」
「へ?」
「なかっただろ、みんな?」
ないない、と他の四人が言い、熱い緑茶を運んでくれたアルバイトの青年も、ありません、と言った。
「すると……」
「その女の子が持ってたのはプリムラじゃないかな。プリムラ・ボリアンタ。神秘的な花言葉があったはずだよ」
「……またぁ、乾さんはすぐにそういうほうへ話を持っていきたがるんだから」
「章はそう言うけど、四階だったんだろ。このビルにはないはずの四階でエレベータが止まり、乗ってきたのは神秘的な美少女だ。彼女はフォレストシンガーズの誰かの娘だと言った」
「フォレストシンガーズはデビューしてから十五年、私も十五歳だって言ってました」
「つまり、未来から来た少女だね」
「またまたまたぁ」
冗談はやめましょうね、と言いかけた章を遮って、幸生が言った。
「その女の子は俺の娘なんだよ。可愛い子だったんでしょ。五年後にはそんな娘が俺にもできる……待てよ、年齢が合わないな」
「年齢の合う女の子はいるよ」
「どういうことだよ、乾? シゲ、わかるか?」
本橋さんに質問を振られたシゲは、質問した本人とそろって首をかしげ、するとすると……と幸生が考え込み、またまたまたぁ、と章は言っている。乾さんはゆったりと微笑んでいた。
「あったのかもしれないもうひとつの未来からやってきた女の子。その世界には、娘が生まれた年にフォレストシンガーズのメンバーとしてデビューした男がいるんだよ。ロマンだね。俺はそれを歌にしたいな」
「んんっと……ヒデ、わかったのか?」
「ああ、シゲ、なんとなくはわかったよ」
そんなはずはないけれど、そう考えれば辻褄は合わなくもない。
あの娘は瑞穂だ。俺がフォレストシンガーズの一員として生きている世界にいる、俺の娘。瑞穂は父のステージを見るために、花束を持ってやってきてくれた。もしかしたらもうひとつの世界で、同じビルの同じエレベータに乗っていたのかもしれない。
あるはずないさ、そんなこと。俺の妄想だよ。だけど、そう考えたっていいじゃないか。俺の現実世界にだって瑞穂はいる。五年もすれば俺の娘はあんな美少女に成長して、会えることもあるかもしれない。
みんなには話していなかった事実、あの子は恵に似ていた、というのはまちがいない。春の一瞬のファンタジーとして、切なさも胸に刻んで信じておきたかった。
HIDE 34歳/END
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内容紹介

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いただきました

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番外編

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未分類

~ Comment ~
limeさんへ
いつもコメント、ありがとうございます。
彼が誰なのか知らない相手と、ふたりきりでエレベータの中。彼の名前が出てこなくて、ややこしくてすみません。ヒデって名前を先に出すべきだったかなぁ。
私も昔、エレベータの中でなにかが起きて……というホラーっぽいのを書いたことがあります。イマイチだと言われて、それからずっとエレベータネタは使わずにいたのですが、やっぱり書いてしまいました。
現実にエレベータに乗っているときにも、いやな感じのおじさんとふたりきりだったりして、止まったらどうしよう、と思ったり(むこうもそう思っていたりして)、降りたら異次元だったり……と想像したりって、ありますよね。
ヒデ、マイルドになりましたか?
いろいろ苦労をして、本質はともかく、人に気を遣ったりはできるようになったかなぁ、ちょっとはね、って感じかもしれません。
タカちゃんのほうは、こういうストーリィになると必ず妄想を口にしています。フォレストシンガーズストーリィでは、タカちゃんがいないとファンタジーもどきは書けません(^o^)
彼が誰なのか知らない相手と、ふたりきりでエレベータの中。彼の名前が出てこなくて、ややこしくてすみません。ヒデって名前を先に出すべきだったかなぁ。
私も昔、エレベータの中でなにかが起きて……というホラーっぽいのを書いたことがあります。イマイチだと言われて、それからずっとエレベータネタは使わずにいたのですが、やっぱり書いてしまいました。
現実にエレベータに乗っているときにも、いやな感じのおじさんとふたりきりだったりして、止まったらどうしよう、と思ったり(むこうもそう思っていたりして)、降りたら異次元だったり……と想像したりって、ありますよね。
ヒデ、マイルドになりましたか?
いろいろ苦労をして、本質はともかく、人に気を遣ったりはできるようになったかなぁ、ちょっとはね、って感じかもしれません。
タカちゃんのほうは、こういうストーリィになると必ず妄想を口にしています。フォレストシンガーズストーリィでは、タカちゃんがいないとファンタジーもどきは書けません(^o^)
あ、そうか
エレベーターってそう言えば、パニック映画とかホラーとかでよく使われる舞台ですよね……コメントを見て気が付きました。
私も三味線の営業で時々こんな業務用のエレベーターに乗るので、何だかあの不思議さを思い出して、うんうんと頷きながら拝読いたしました。
そうなんですよ。あまり人が乗ってこないのに、誰かが乗ってくると、何々?だれだれ?って感じになってドキドキしちゃう。
分かる分かる……エレベーターが知らない場所の知らない階で停まる。
考えるだけで不思議ワールドに入り込んでいけますね。
楽しく拝読いたしました(*^_^*)
そっか、未来からきたのね……(*^_^*)(*^_^*)
私も三味線の営業で時々こんな業務用のエレベーターに乗るので、何だかあの不思議さを思い出して、うんうんと頷きながら拝読いたしました。
そうなんですよ。あまり人が乗ってこないのに、誰かが乗ってくると、何々?だれだれ?って感じになってドキドキしちゃう。
分かる分かる……エレベーターが知らない場所の知らない階で停まる。
考えるだけで不思議ワールドに入り込んでいけますね。
楽しく拝読いたしました(*^_^*)
そっか、未来からきたのね……(*^_^*)(*^_^*)
大海彩洋さんへ
2202番目のコメント、ありがとうございます。
身近にデパートに勤めているひとがいまして、なにかのイベントのときに韓国のアイドルグループが業務用エレベータを使っていたという話を聞いたのです。
ああ、そっか、と思って、そこから妄想を広げたストーリィです。
私もあちこちで業務用エレベータに乗った経験はありますし、普通のビルのエレベータでも、なんだか不思議な出来事が起きても不思議はないみたいな? そういう感じはありますよね。
未来からやってきた美少女……なんてのはベタですが、ヒデには似合わないプリムラの花とわが娘と……やっぱりベタですけど、書いてみたかったのでした。
身近にデパートに勤めているひとがいまして、なにかのイベントのときに韓国のアイドルグループが業務用エレベータを使っていたという話を聞いたのです。
ああ、そっか、と思って、そこから妄想を広げたストーリィです。
私もあちこちで業務用エレベータに乗った経験はありますし、普通のビルのエレベータでも、なんだか不思議な出来事が起きても不思議はないみたいな? そういう感じはありますよね。
未来からやってきた美少女……なんてのはベタですが、ヒデには似合わないプリムラの花とわが娘と……やっぱりベタですけど、書いてみたかったのでした。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
新年の記事がないみたいなので、このシリーズの先を進めると言う事もあって、ここで謹賀コメントさせていただきます。
テンプレートまたまた変えたんですね。実はこのテンプレート、知ってる人との全く同じだったんで、一瞬間違えてしまいました。
デパートの繁盛期のバイトって聞いた事あるけど、今あるのかなって思います。デパートも減ってきている感覚ですからね。
ちなみに私は冬の繁盛期のバイトは年賀状の配達をやった事あります。あれ今はバイトを雇わず、職員だけで配るみたいですね。
この話ではフォレストシンガーズはデビューして15年なんですね。話によっては若い時とすでにベテランの時がありますけど、どっち読んでも違和感ないですね。
私の作品も高校生の時と成人してる時代があったりしますからね。
テンプレート変えたのはいいですけど、このシリーズの一つ目の目次から二つ目の目次に行く時はどうしたらいいかわからないんですよ。
今回ここでコメントできたのは、一つ目の目次でコメントした時にアドレスがあって来れたんですけど、これからもこのシリーズを読むつもりですから、次の目次に行く時はどうしたらいいかと思ってましてね。
新年早々グダグダ言ってすいません。
今年もあかねさんにとっていい年でありますように。
テンプレートまたまた変えたんですね。実はこのテンプレート、知ってる人との全く同じだったんで、一瞬間違えてしまいました。
デパートの繁盛期のバイトって聞いた事あるけど、今あるのかなって思います。デパートも減ってきている感覚ですからね。
ちなみに私は冬の繁盛期のバイトは年賀状の配達をやった事あります。あれ今はバイトを雇わず、職員だけで配るみたいですね。
この話ではフォレストシンガーズはデビューして15年なんですね。話によっては若い時とすでにベテランの時がありますけど、どっち読んでも違和感ないですね。
私の作品も高校生の時と成人してる時代があったりしますからね。
テンプレート変えたのはいいですけど、このシリーズの一つ目の目次から二つ目の目次に行く時はどうしたらいいかわからないんですよ。
今回ここでコメントできたのは、一つ目の目次でコメントした時にアドレスがあって来れたんですけど、これからもこのシリーズを読むつもりですから、次の目次に行く時はどうしたらいいかと思ってましてね。
新年早々グダグダ言ってすいません。
今年もあかねさんにとっていい年でありますように。
想馬涼生さんへ
遅くなりましたが、改めましてあけましておめでとうございます。
コメントありがとうございます。
あのFORESTテンプレは探しにくいようですので、またまた変えました。
テンプレはわかりやすく読みやすくないといけませんね。ややこしくてすみません。
デパートは大阪にはいーっぱいありますけど、配達は別の会社が請け負っていますよね。
ヒデがバイトをしていたのは二十年近く前ですし、当時の高知県だったらこういうこともあったかな、ということにしておいてやって下さいませ。
ストーリィ自体は夢物語ってか、ファンタジーってか、こういうのを説明すると野暮になりますので、ご自由に解釈していただけると嬉しいです。
コメントありがとうございます。
あのFORESTテンプレは探しにくいようですので、またまた変えました。
テンプレはわかりやすく読みやすくないといけませんね。ややこしくてすみません。
デパートは大阪にはいーっぱいありますけど、配達は別の会社が請け負っていますよね。
ヒデがバイトをしていたのは二十年近く前ですし、当時の高知県だったらこういうこともあったかな、ということにしておいてやって下さいませ。
ストーリィ自体は夢物語ってか、ファンタジーってか、こういうのを説明すると野暮になりますので、ご自由に解釈していただけると嬉しいです。
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後半までこの一人称は誰だろうと悩んでい居たんですが、そうか、ヒデしかいないか^^
もう一つの世界と未来。
エレベーターって、そんな交わるはずのない次元と交わることが出来るような不思議な空間ですよね。
いつかエレベーターを使ってSSなんか書いてみたいと思うのですが、どのアイデアももう使い古された感じがして。
でもこのSSは不思議な感じがして楽しかったです。
ヒデさん、年を重ねてちょっと丸くなってマイルドな感じになったような。
今のほうが、好きかも・・・。
しかし乾君、やっぱりロマンチストの妄想家。いいなあ^^