ショートストーリィ(フォレストシンガーズ)
FS冬物語「柊」
フォレストシンガーズ
「柊」
丸くて紅い実と肉厚でとげとげの葉っぱが、デザイン化されてクリスマスイラストにもなっていた。なのだから、幸生くんや章くんに言わせると、クリスマスの葉っぱとなる。植物の正式名なんかには他の四人は無頓着で、乾くんは言っていた。
「柊にも花は咲くんだよ。冬の季語だし、咲くのは今ごろだな。白くて地味な、よく見れば可憐な花だよ」
「これ、ヒイラギって言うんですか」
「ヒイラギ飾ろう、ってクリスマスソングがありますよね。これがそのヒイラギか」
クリスマスはとうにすぎ、お正月もすぎて私の誕生日が近づいてきている。取材を受けるために訪問した音楽雑誌社の応接室には、ヒイラギの葉と組み合わせた花が活けられていて、フォレストシンガーズのみんなは乾くんを中心に、これはなんの花? オンシジウムだな、これは知ってる、薔薇だよね、などの会話をしていた。
約束の時間をすぎても、インタビュアーはやってこないが、私たちは不満を言える立場ではない。
事務所の社長が頼み込んで、ファーストアルバムについての記事を書いてもらえることになったのだから。
「ヒイラギってのは美江子さんに似てるんじゃありません?」
「そんなの、前にも言われたことがあるよ。目新しい意見でもないからね」
「あ、そうか。考えることはみな同じってわけだ」
短気な章くんは待たされて苛々しているのか、意地悪な口調で言う。こら、章、と幸生くんが止めようとしているのも癪に障る。ヒイラギはとげとげハリネズミ、章くんも乾くんもその傾向があるくせに、私のことばかり言うんだから。
「こんなふうに棘をはやしているのは、自己防衛のためなんだよ。生きとし生けるものすべて、自分で自分を守らなくてはならない。そんなに強くもない植物だからこそ、近づくと刺すよ、って感じの武装をしてるんだよな。人間だって、理論武装をしたり気の強いところを見せたりするだろ」
「乾さん、それ、誰のことですか」
「ヒイラギだよ」
ヒイラギになぞらえて、誰かにそっくり、って言いたいの? 章くんはその意味で質問し、乾くんも含みを持たせて答えているように感じる。
ダメダメ、苛々しては駄目。男五人と仕事をしていると、だから女は、と言われがちだ。普段だったら理路整然と反論できることに、ヒステリックに反応してしまいそう。私は自分をなだめた。
「岡田さん、遅れてるみたいだよね。編集部に訊いてくるから」
「うん、よろしく」
仕事中に喧嘩なんかしたくない、そう考えるだけでもマネージャー失格だ。売れないシンガーズにだってこのあとも予定があり、時間が押してきているのだからみんなだって軽くイラついているはず。そんなみんなを落ち着かせるのが私の役目なのに。
だけど、章くんと喧嘩はしたくないから、乾くんがねぎらってくれるのにも、気を遣わせてるんだな、と落ち込み気分になって応接室から出た。
本日のインタビュアーはこの雑誌社の社員ではなく、フリーライターさんらしい。私は彼女と電話で打ち合わせはしていた。岡田さんという女性は、時間厳守、絶対よ、と言っていたくせに。編集部に行って尋ねてみても、まだ来てないみたいだね、待ってて、と言われただけだった。
電話で話しただけなので、私は岡田さんの顔を知らない。編集部のビルの外に出て、寒い風に吹かれる。寒いほうが苛立ちがおさまっていいかもしれない。私はビルの前に立って、岡田さんが来るのを待っていた。
あのひとかな、年のころなら三十代、私って美人だから、と雑談ふうに言っていたから、都会的なかっこいいライターさんなのだろう。あのひとかな、と予想した美人は、ビルの前を素通りしていった。
そしたらあのひと? またハズレ。あのひと? すこしご年配だけど、あの女性? ことごとくハズレで、誰も立ち止まりもしなかった。
「あ、もしかして……え?」
ちがうとは思うけど、念のため、ビルに入っていった女性のあとをついていった。細身で長身でプロポーションはモデル並みだが、一般的には美人ではない。別人かな、と思っていたら、彼女はエレベータに乗った。私も一緒に乗ろうと走ってみたのだが、見えてもいなかったのか。エレベータは待っていてはくれなかった。
仕方がないので階段を上る。三階まで走っていってみると、先ほどの女性のグレイのコートの背中が見えた。彼女はフォレストシンガーズのみんなが待っている応接室に入っていく。あのひとが美人の岡田さん。あのくらいだったら自称美人、許せるかな。
ちょっぴり愉快な気持ちになって、私もノックをしてから応接室に入っていった。失礼、と言ってドアを開けると、自称美人の岡田さんにぎろっと睨まれた。
「あなたが山田さん? どこに行かれていたのかしら」
「申し訳ありません。すこし席をはずしていました」
「そういうことだから……辛口だけど、あなたたちのためを思って言うのよ。聞いておいたほうが身のためですからね」
なんとなくもぞもぞしているのは、章くんと幸生くんが肘でつつきあっているのではないだろうか。岡田さんがコートを脱ぐ。私がコートを受け取ってハンガーにかける。岡田さんは空けてあった上座のソファにすわり、煙草をくわえた。
「あなたたちがこちらの編集部に、インタビューしてほしいと頼んだのよね。社長さんが頼んだんだったかな。新人みたいなもので、インタビュー慣れさえもしていないグループだってことで、熟練している私が編集部のたつての願いで来たわけです。私は忙しいんだから、多少は遅れたって仕方がないわよね。あなたたちは仕事もたいしてないんだから、待っていられるでしょう? それをなんですか、マネージャーがこらえ性もなくふらふら外に出ていって、子どもじゃないんだからちゃんと待ってなさい」
すこし前の私だったら、遅刻した挨拶もなしでお説教ですか? と言い返していたかもしれない。けれど、私も世間の理不尽にはなじんできた。とりわけ、私たちの立場だと理不尽は矢のようにふりかかってくる。私は何度も、申し訳ありませんと頭を下げた。
「辛口だけどね、フォレストシンガーズが売れないことには理由があると思うの。あなたたちはわかってる? 私もあなたたちのアルバムを聴いてはみたんだけど、全部を聴くには忍耐が必要だったわ。どうしてだかわかる?」
「教えていただけますか」
発言した本橋くんに、岡田さんはぴしゃりと返した。
「自分たちで考えなさいよね。そんなこともわからないようだったら、あなたたちは一生このままよ。このままでもいられないかもしれないね。売れないままで続けていける世界じゃないんだもの」
「わかりました、よく考えてみます」
「そうそう。素直でよろしい。さて、インタビューをはじめますね」
章くんは少々不満顔、本橋くんも怒りたいのをこらえている顔。それというのも、岡田さんの口癖が、辛口だけど、だからだ。私が聞いている分には、辛口じゃなくて底意地が悪くて皮肉なだけじゃないの? あなたにはフォレストシンガーズの歌がわかってる? なのであるが、そうは言えないのがマネージャーのつらいところだ。
「辛口なんだけど、あなたたちの歌って動きがなさすぎるんじゃないかしら。今どきの流行を踏まえてないわね。1960年代に三十歳代だったヴォーカルグループみたいよ」
「そういったグループのティストも取り入れてはいますが……」
乾くんが言うと、岡田さんは冷淡ないらえを返した。
「古いのよ。そんなものを取り入れるくらいだったら、テクノとかってどう?」
「テクノは新しいんですか?」
この質問は章くんで、岡田さんは、私は好きだな、と応じて新しい煙草に火をつけた。
そんな調子で質問が続く。なんだかピントがずれてるな、と私は思う。常々盛大なまでに饒舌な幸生くんが無口だったのは、お話にならない、という意味か。シゲくんもいつも通りに無口で、主に乾くんが応対していたのは、本橋くんを怒らせないだめだったのだろう。
怒りっぽい人間が三人もいて、それだからあなたたちは駄目なのよ、と言われるのもしようがないかとも思う。だけど、あなただってお行儀よくないよね、遅くなってごめんなさいね、のひとことぐらい言ってもよくない? フォレストシンガーズみたいな目下の者に謝罪するとは、ご自分の値打ちが下がる?
イヤミなことも考えつつ、上辺はにこやかに慇懃に、私も岡田さんに対処した。それでは、私は忙しいのでこのへんで、と彼女が言い、応接室から出ていこうとしていると、章くんが言った。
「ためになりましたよ。ありがとうございました。俺からのプレゼントです」
「なんなの、これ?」
「ブローチです。そのバッグにつけて下さい」
「ふーん、やだ、あなた、私に……私は年下には興味ありませんから」
「そんなご無礼は言いませんよ」
いつ、花瓶から失敬したのか。ヒイラギのとげとげした葉っぱと、赤い丸い実の一部の裏に安全ピンがつけてある。
岡田さんはまんざらでもない顔をして、バッグに小さなブローチをつけ、私がコートを手渡すしてもなんのお礼も言わずに出ていった。その背中に六人そろって、ありがとうございましたぁっ!! と叫んだ。
「章くん、今の、作ったの?」
「美江子さんを怒らせたみたいだから、お詫びのしるしにと思ってね。だけど、あのおばさん……っと、あのお姉さんのほうにヒイラギは似合いそうだったから、あげたんですよ」
「ヒイラギの棘ってのも、さまざまに解釈できるよな」
乾くんが言い、幸生くんも言った。
「美江子さんだったらヒイラギよりもこっちでしょ」
「バラにも棘があるよな」
「どっちにしたって、私はトゲトゲ女なんだよね」
「ちがうのか」
からかうように言う本橋くんに舌を出すと、乾くんが薔薇を一輪抜いて、内緒内緒、と言いながら私の髪に飾ってくれた。なんであっても働くってそういうことなのよね、時には棘も見せるのよ。薔薇だったりヒイラギだったり。
だからなんなのかは知らないけれど、気持ちはすっかりすっきりしていた。私以上にきついのであるらしい、岡田さんのおかげもあったようだ。
MIEKO/26歳 END
「柊」
丸くて紅い実と肉厚でとげとげの葉っぱが、デザイン化されてクリスマスイラストにもなっていた。なのだから、幸生くんや章くんに言わせると、クリスマスの葉っぱとなる。植物の正式名なんかには他の四人は無頓着で、乾くんは言っていた。
「柊にも花は咲くんだよ。冬の季語だし、咲くのは今ごろだな。白くて地味な、よく見れば可憐な花だよ」
「これ、ヒイラギって言うんですか」
「ヒイラギ飾ろう、ってクリスマスソングがありますよね。これがそのヒイラギか」
クリスマスはとうにすぎ、お正月もすぎて私の誕生日が近づいてきている。取材を受けるために訪問した音楽雑誌社の応接室には、ヒイラギの葉と組み合わせた花が活けられていて、フォレストシンガーズのみんなは乾くんを中心に、これはなんの花? オンシジウムだな、これは知ってる、薔薇だよね、などの会話をしていた。
約束の時間をすぎても、インタビュアーはやってこないが、私たちは不満を言える立場ではない。
事務所の社長が頼み込んで、ファーストアルバムについての記事を書いてもらえることになったのだから。
「ヒイラギってのは美江子さんに似てるんじゃありません?」
「そんなの、前にも言われたことがあるよ。目新しい意見でもないからね」
「あ、そうか。考えることはみな同じってわけだ」
短気な章くんは待たされて苛々しているのか、意地悪な口調で言う。こら、章、と幸生くんが止めようとしているのも癪に障る。ヒイラギはとげとげハリネズミ、章くんも乾くんもその傾向があるくせに、私のことばかり言うんだから。
「こんなふうに棘をはやしているのは、自己防衛のためなんだよ。生きとし生けるものすべて、自分で自分を守らなくてはならない。そんなに強くもない植物だからこそ、近づくと刺すよ、って感じの武装をしてるんだよな。人間だって、理論武装をしたり気の強いところを見せたりするだろ」
「乾さん、それ、誰のことですか」
「ヒイラギだよ」
ヒイラギになぞらえて、誰かにそっくり、って言いたいの? 章くんはその意味で質問し、乾くんも含みを持たせて答えているように感じる。
ダメダメ、苛々しては駄目。男五人と仕事をしていると、だから女は、と言われがちだ。普段だったら理路整然と反論できることに、ヒステリックに反応してしまいそう。私は自分をなだめた。
「岡田さん、遅れてるみたいだよね。編集部に訊いてくるから」
「うん、よろしく」
仕事中に喧嘩なんかしたくない、そう考えるだけでもマネージャー失格だ。売れないシンガーズにだってこのあとも予定があり、時間が押してきているのだからみんなだって軽くイラついているはず。そんなみんなを落ち着かせるのが私の役目なのに。
だけど、章くんと喧嘩はしたくないから、乾くんがねぎらってくれるのにも、気を遣わせてるんだな、と落ち込み気分になって応接室から出た。
本日のインタビュアーはこの雑誌社の社員ではなく、フリーライターさんらしい。私は彼女と電話で打ち合わせはしていた。岡田さんという女性は、時間厳守、絶対よ、と言っていたくせに。編集部に行って尋ねてみても、まだ来てないみたいだね、待ってて、と言われただけだった。
電話で話しただけなので、私は岡田さんの顔を知らない。編集部のビルの外に出て、寒い風に吹かれる。寒いほうが苛立ちがおさまっていいかもしれない。私はビルの前に立って、岡田さんが来るのを待っていた。
あのひとかな、年のころなら三十代、私って美人だから、と雑談ふうに言っていたから、都会的なかっこいいライターさんなのだろう。あのひとかな、と予想した美人は、ビルの前を素通りしていった。
そしたらあのひと? またハズレ。あのひと? すこしご年配だけど、あの女性? ことごとくハズレで、誰も立ち止まりもしなかった。
「あ、もしかして……え?」
ちがうとは思うけど、念のため、ビルに入っていった女性のあとをついていった。細身で長身でプロポーションはモデル並みだが、一般的には美人ではない。別人かな、と思っていたら、彼女はエレベータに乗った。私も一緒に乗ろうと走ってみたのだが、見えてもいなかったのか。エレベータは待っていてはくれなかった。
仕方がないので階段を上る。三階まで走っていってみると、先ほどの女性のグレイのコートの背中が見えた。彼女はフォレストシンガーズのみんなが待っている応接室に入っていく。あのひとが美人の岡田さん。あのくらいだったら自称美人、許せるかな。
ちょっぴり愉快な気持ちになって、私もノックをしてから応接室に入っていった。失礼、と言ってドアを開けると、自称美人の岡田さんにぎろっと睨まれた。
「あなたが山田さん? どこに行かれていたのかしら」
「申し訳ありません。すこし席をはずしていました」
「そういうことだから……辛口だけど、あなたたちのためを思って言うのよ。聞いておいたほうが身のためですからね」
なんとなくもぞもぞしているのは、章くんと幸生くんが肘でつつきあっているのではないだろうか。岡田さんがコートを脱ぐ。私がコートを受け取ってハンガーにかける。岡田さんは空けてあった上座のソファにすわり、煙草をくわえた。
「あなたたちがこちらの編集部に、インタビューしてほしいと頼んだのよね。社長さんが頼んだんだったかな。新人みたいなもので、インタビュー慣れさえもしていないグループだってことで、熟練している私が編集部のたつての願いで来たわけです。私は忙しいんだから、多少は遅れたって仕方がないわよね。あなたたちは仕事もたいしてないんだから、待っていられるでしょう? それをなんですか、マネージャーがこらえ性もなくふらふら外に出ていって、子どもじゃないんだからちゃんと待ってなさい」
すこし前の私だったら、遅刻した挨拶もなしでお説教ですか? と言い返していたかもしれない。けれど、私も世間の理不尽にはなじんできた。とりわけ、私たちの立場だと理不尽は矢のようにふりかかってくる。私は何度も、申し訳ありませんと頭を下げた。
「辛口だけどね、フォレストシンガーズが売れないことには理由があると思うの。あなたたちはわかってる? 私もあなたたちのアルバムを聴いてはみたんだけど、全部を聴くには忍耐が必要だったわ。どうしてだかわかる?」
「教えていただけますか」
発言した本橋くんに、岡田さんはぴしゃりと返した。
「自分たちで考えなさいよね。そんなこともわからないようだったら、あなたたちは一生このままよ。このままでもいられないかもしれないね。売れないままで続けていける世界じゃないんだもの」
「わかりました、よく考えてみます」
「そうそう。素直でよろしい。さて、インタビューをはじめますね」
章くんは少々不満顔、本橋くんも怒りたいのをこらえている顔。それというのも、岡田さんの口癖が、辛口だけど、だからだ。私が聞いている分には、辛口じゃなくて底意地が悪くて皮肉なだけじゃないの? あなたにはフォレストシンガーズの歌がわかってる? なのであるが、そうは言えないのがマネージャーのつらいところだ。
「辛口なんだけど、あなたたちの歌って動きがなさすぎるんじゃないかしら。今どきの流行を踏まえてないわね。1960年代に三十歳代だったヴォーカルグループみたいよ」
「そういったグループのティストも取り入れてはいますが……」
乾くんが言うと、岡田さんは冷淡ないらえを返した。
「古いのよ。そんなものを取り入れるくらいだったら、テクノとかってどう?」
「テクノは新しいんですか?」
この質問は章くんで、岡田さんは、私は好きだな、と応じて新しい煙草に火をつけた。
そんな調子で質問が続く。なんだかピントがずれてるな、と私は思う。常々盛大なまでに饒舌な幸生くんが無口だったのは、お話にならない、という意味か。シゲくんもいつも通りに無口で、主に乾くんが応対していたのは、本橋くんを怒らせないだめだったのだろう。
怒りっぽい人間が三人もいて、それだからあなたたちは駄目なのよ、と言われるのもしようがないかとも思う。だけど、あなただってお行儀よくないよね、遅くなってごめんなさいね、のひとことぐらい言ってもよくない? フォレストシンガーズみたいな目下の者に謝罪するとは、ご自分の値打ちが下がる?
イヤミなことも考えつつ、上辺はにこやかに慇懃に、私も岡田さんに対処した。それでは、私は忙しいのでこのへんで、と彼女が言い、応接室から出ていこうとしていると、章くんが言った。
「ためになりましたよ。ありがとうございました。俺からのプレゼントです」
「なんなの、これ?」
「ブローチです。そのバッグにつけて下さい」
「ふーん、やだ、あなた、私に……私は年下には興味ありませんから」
「そんなご無礼は言いませんよ」
いつ、花瓶から失敬したのか。ヒイラギのとげとげした葉っぱと、赤い丸い実の一部の裏に安全ピンがつけてある。
岡田さんはまんざらでもない顔をして、バッグに小さなブローチをつけ、私がコートを手渡すしてもなんのお礼も言わずに出ていった。その背中に六人そろって、ありがとうございましたぁっ!! と叫んだ。
「章くん、今の、作ったの?」
「美江子さんを怒らせたみたいだから、お詫びのしるしにと思ってね。だけど、あのおばさん……っと、あのお姉さんのほうにヒイラギは似合いそうだったから、あげたんですよ」
「ヒイラギの棘ってのも、さまざまに解釈できるよな」
乾くんが言い、幸生くんも言った。
「美江子さんだったらヒイラギよりもこっちでしょ」
「バラにも棘があるよな」
「どっちにしたって、私はトゲトゲ女なんだよね」
「ちがうのか」
からかうように言う本橋くんに舌を出すと、乾くんが薔薇を一輪抜いて、内緒内緒、と言いながら私の髪に飾ってくれた。なんであっても働くってそういうことなのよね、時には棘も見せるのよ。薔薇だったりヒイラギだったり。
だからなんなのかは知らないけれど、気持ちはすっかりすっきりしていた。私以上にきついのであるらしい、岡田さんのおかげもあったようだ。
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内容紹介

もくじ
いただきました

もくじ
forestsingers

もくじ
novel

もくじ
番外編

もくじ
グラブダブドリブ

もくじ
ショートストーリィ

もくじ
ショートストーリィ(雪の降る森)

もくじ
キャラクターしりとり小説

もくじ
ショートストーリィ(花物語)

もくじ
企画もの

もくじ
お遊び篇

もくじ
連載小説1

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リクエスト小説

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BL小説家シリーズ

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時代もの

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別小説

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リレー

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共作

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未分類

~ Comment ~
想馬涼生さんへ
いつもありがとうございます。
SMAPとフォレストシンガーズ、男性五人なのは同じですね。
私なんかはSMAPというとガキっぽいイメージがありまして、フォレストシンガーズのほうが大人のつもりでしたが、あ、SMAPって四十歳前後だ……うちの五人のほうがだいぶ年上ですよ。
国会で安倍首相もSMAP問題について発言していましたね。
そんなことどうでもいいから、もっと大切なことを話しなさい、と呆れましたが。
キムアキ……そういえばそうですね。
私は、三沢幸生と木村章でユキアキ、なんて発想をしていました。
デビューはしたものの、まるで売れもせずに引退する歌手もいるようですから、フォレストシンガーズはまだいいほうなんですよね。
私は現実逃避で小説を書いていたりしますし、社会の暗黒面などはとうてい書けませんので、彼らは明るく生きていきます。
そちら、積雪ですね。
そちらのほうは年に一度くらい、雪が積もるんじゃありません?
日本中で雪が積もっていても積もらない大阪。大阪と沖縄には雪が降らない、ことが多いですが、奄美で降ったそうですから、大阪でもそのうち積もるかな。
今日は相当寒いですけど、雪は降らないようですよ。
SMAPとフォレストシンガーズ、男性五人なのは同じですね。
私なんかはSMAPというとガキっぽいイメージがありまして、フォレストシンガーズのほうが大人のつもりでしたが、あ、SMAPって四十歳前後だ……うちの五人のほうがだいぶ年上ですよ。
国会で安倍首相もSMAP問題について発言していましたね。
そんなことどうでもいいから、もっと大切なことを話しなさい、と呆れましたが。
キムアキ……そういえばそうですね。
私は、三沢幸生と木村章でユキアキ、なんて発想をしていました。
デビューはしたものの、まるで売れもせずに引退する歌手もいるようですから、フォレストシンガーズはまだいいほうなんですよね。
私は現実逃避で小説を書いていたりしますし、社会の暗黒面などはとうてい書けませんので、彼らは明るく生きていきます。
そちら、積雪ですね。
そちらのほうは年に一度くらい、雪が積もるんじゃありません?
日本中で雪が積もっていても積もらない大阪。大阪と沖縄には雪が降らない、ことが多いですが、奄美で降ったそうですから、大阪でもそのうち積もるかな。
今日は相当寒いですけど、雪は降らないようですよ。
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柊っていい表現だけど・・。
フォレストシンガーズも最初の頃は売れない時期があったんですね。当り前か?
ごくたまにデビューして売れる人っていますけど、その後が続かない事って多いですね。
何故売れないか?それは簡単にはわからないですね。世間に受けいられるのは時代にあった音楽とタイミングかなって思います。
ところでSMAPの解散報道が物議をかましてました。その報道を聞いてこのフォレストシンガーズを思い出して、一週間経過で来ました。
SMAPとはジャンルが違うけど、フォレストシンガーズも5人だから自分的に重なって見えました。
情報が錯綜し、何が真実かわからないまま、スマスマの生放送を観ましたが、何これ?って思いました。キムタク以外の4人は憔悴してましたからね。
そう言えばフォレストシンガーズにも木村と言う名前がいますね。確か木村章だから略して「キムアキ」と、今考えました。
日本は米国と違い事務所の力が圧倒的に強いから、スマップでもあのような事になるのだから、フォレストシンガーズも大丈夫かなって心配になってました。
寒い日々が続き、こちらが雪が積もってます。そちらは大丈夫ですか?